AIへの指示がDiscordになった。私のAI協業スタイル、2026年2月末版
この記事の内容
- メインの作業インターフェースをDiscordに移行し、スレッドごとにClaude Codeのセッションを管理する方法を紹介します
- OSSツール「CCDB(Claude Code Discord Bridge)」を使ってスマホ・PCどこからでもAIに指示を出せる仕組みを解説します
- 将棋の多面差しのように複数プロジェクトを並列で進める効率的なワークスタイルと、その課題について共有します
- ObsidianをAIと人間共通の「第2の脳」として活用し、プロジェクトの文脈を永続化する方法を説明します
recall-contextスキルやデイリーノートを組み合わせた文脈復元の仕組みを紹介します
Discordがメインのワークスペースになった
2026年2月現在、私のメインの仕事ワークスペースはDiscordになっています。Discord上に「Claude Code」というチャンネルを作成し、その配下にプロジェクトごとのスレッドを並べています。各スレッドがそれぞれ1つのプロジェクトに対応しており、Claude Codeの1つのセッションと紐づく構造です。
これにより、以前のように「VPNを繋いでターミナルを開いてClaude Codeを立ち上げて…」という手順が不要になりました。スマホからでもPCからでも、Discordにメッセージを送るだけでAIに指示が届きます。
スレッドの中では、プロジェクトのコンテキストをAIが把握しているため、「最新バージョンで何を実装したか教えて」と聞くだけで、そのプロジェクトの状況を踏まえた回答が得られます。毎回背景説明をする必要がない点が大きな利点です。
将棋の多面差しスタイルで並列作業
Discordのスレッドを活用することで、複数のプロジェクトを同時並行で進める「多面差し」スタイルの作業が可能になりました。具体的な流れはこうです。
- スレッドAに指示を投げる
- 返事を待たずにスレッドBへ移動して指示を投げる
- スレッドCへ移動して同様に指示を投げる
- しばらく後にスレッドAに戻ると作業が完了している
- 確認してスレッドBへ、スレッドCへ…とぐるぐる回す
AIがガンガン動いてくれるため、作業効率は非常に高いです。ただし、「このプロジェクトではこれ、あのプロジェクトではこれ」と頭を切り替えながら指示を出し続けるのは認知負荷が高く、朝から晩まで5つほどのプロジェクトを並列で動かすと非常に疲弊します。効率が良すぎるがゆえにやりすぎてしまうという課題もあり、現在もやり方を試行錯誤中です。
CCDBとは何か
この仕組みを実現しているのが、私が自作してオープンソースで公開している「CCDB(Claude Code Discord Bridge)」というツールです。
CCDBの主な特徴は以下のとおりです。
- スマホ対応:Discordからメッセージを送るだけで操作できる
- 並列実行:同じリポジトリに対して複数のスレッドから独立した指示を出せる
- 自律協調動作:複数のClaude Codeインスタンスが互いに競合しないよう「AIラウンジ」的な仕組みを実装
- 定期実行:GitHub ActionsのDiscord Webhookと連携し、リリース時にドキュメントの多言語翻訳を自動実行するなど、定期・自動タスクに対応
- リアルタイム通知:作業完了や変更をDiscordで受け取れる
- 自己ホスティング:自分のサーバーで動かせるため、自由に拡張可能
ドキュメントはClaude Codeに作成・翻訳してもらっており、日本語を含む複数言語に対応しています。
Obsidianで文脈を永続化する
Claude Codeはセッションをクリアすると記憶が失われます。また長時間使い続けるとコンテキスト圧縮が起きて応答の質が下がることもあります。この問題への対処として、私はObsidianを「AIと人間共通の第2の脳」として活用しています。
Obsidianのボルトには02_Projectsというフォルダがあり、プロジェクトごとにノートを作成しています。各ノートには以下のような情報が記載されています。
- プロジェクトの基本情報・概要
- リポジトリやIssue・Pull RequestへのリンクURL
- 設計書・技術文書へのWikiリンク
- 進捗ログ・作業履歴
AIに「思い出して」や「前回の続き」と伝えると、recall-contextスキルが起動し、以下の手順で文脈を復元します。
- 直近2日分のデイリーノートの「Claude作業ログ」セクションを読む
- 対象プロジェクトのObsidianノートを読む
- Wikiリンクをたどって設計書・技術文書も参照する
- リポジトリ内の
CLAUDE.mdも読む - Googleカレンダーから当日の予定を取得する
- 上記をまとめてユーザーに報告する
これにより、セッションをまたいでも「プロジェクトの現在ステータス」「直近の作業内容」「今日のアクションプラン」「次にやるべきこと」を即座に把握できます。
デイリーノートによる作業ログの仕組み
作業の記録はデイリーノートに自動的に書き残されるよう設定しています。Claude Codeが何かを実行したら、必ずデイリーノートの指定セクションにログを残します。これにより以下のことが実現できています。
- AIが「最近何をやったか」をデイリーノートから読み取れる
- 人間も作業履歴を確認できる
- プロジェクトノートにも作業内容が反映される
朝に/goodmorningを実行すると、全プロジェクトの状況を横断的に確認し、今日の予定と合わせて「今日はこれをやろう」という1日の計画をAIが組み立ててくれます。Todoistへのタスク登録も自動的に行われるため、その時間になったら該当スレッドに移動して作業を始めるだけという流れになっています。
スキルシステムによるノウハウの蓄積
Claude Codeのスキル機能を活用することで、ノウハウが継続的に蓄積される仕組みを構築しています。作業中に「うまくいかなかった」「次回はこうしたい」と思ったことをスキルとして登録しておくと、次回以降はそのスキルを参照しながら素早く対応できるようになります。
スキルには2種類あります。
- 自作スキル:自分のユースケースに合わせて作成したもの
- 外部取り込みスキル:他の方が公開しているスキルを取り込んだもの
外部リポジトリのスキルが更新された際には自動的に同期する「同期スキル」も用意しており、常に最新の状態を維持できるようになっています。
CLAUDE.mdの大方針
私のCLAUDE.mdには、AIとの協業の大方針が書かれています。
人間がやることは2つだけ:思いついたことをTodoistに放り込んで、朝グッドモーニングを実行するだけ
この方針のもと、ObsidianをAI・人間共通の知識ベースとして一元管理し、詳細情報はすべてObsidianのボルトに蓄積する設計になっています。
まとめ
2026年2月時点での私のAI協業スタイルは、DiscordとCCDBを入口にして、Obsidianを記憶の中核に置く構造です。スレッドごとにプロジェクトを分離し、将棋の多面差しのように並列で作業を進めることで、AIの処理能力を最大限に活かせるようになっています。
一方で、人間の認知負荷が高くなりすぎる点は現在も課題として認識しており、やり方を調整中です。recall-contextスキルやデイリーノートによる文脈永続化の仕組みは現時点でも安定して機能しており、セッションをまたいだプロジェクト管理に有効です。
CCDBはオープンソースで公開されていますので、同様の仕組みに興味がある方はぜひ参照してみてください。