【無料!】クラウドに頼らないファイル同期ツール「Syncthing」を使ってみた

この記事の内容

  • Syncthingは、クラウドを介さずに端末間で直接ファイルを同期するオープンソースの無料ツールです
  • GoogleドライブやOneDriveとは異なり、データの保存先や同期構成を完全に自分でコントロールできます
  • 変更のあった部分だけをブロック単位で同期するエンジンにより、高速・効率的な同期を実現しています
  • Obsidianのノートデータ同期など、実際の活用例を交えて使い方を解説します
  • 容量制限なし・自由なネットワーク構成が可能で、中〜上級者に特におすすめのツールです

クラウド型ファイル同期との違い

ファイル同期ツールといえば、GoogleドライブやDropbox、OneDriveなどのクラウド型サービスを思い浮かべる方が多いと思います。これらのサービスは「クラウド上にデータの本体がある」という構造が特徴です。

クラウド型ファイル同期の仕組みは以下のようになっています。

  • クラウド上にファイルが保存され、クラウドがデータの中心となる
  • 各端末はクラウドを介してファイルを送受信する
  • 端末を紛失してもクラウド上にデータが残る
  • 必要なときにクラウドからファイルをダウンロードして使う

つまり、クラウドが「母艦」となり、すべてのデバイスがそこに接続している構造です。シンプルで使いやすい反面、クラウド側の容量制限や料金、データの管理主体がサービス提供者になるという特性があります。


Syncthingとは?クラウドを介さないローカル同期

今回紹介する Syncthing(シンクシング) は、クラウドを介さずに端末間で直接ファイルを同期する仕組みを持つオープンソースのファイル同期ソリューションです。

Syncthingの主な特徴は以下の通りです。

  • クラウドサーバーを使わず、自分の端末同士で直接同期する
  • 同期するフォルダーやデバイスを自由に構成できる
  • 新しいデバイスを追加する際も、どのフォルダーをどこと同期するかを自分で選択できる
  • メッシュ構成やスター構成など、ネットワークトポロジーを自分で設計できる

クラウドに依存しないため、データの所在や管理を完全に自分でコントロールできる点が最大の魅力です。


Syncthingの同期エンジンと仕組み

Syncthingの同期エンジンは非常に高性能に設計されています。

  • ファイル全体ではなく、変更のあった部分だけをブロック単位で同期する
  • 通信速度が速く、シームレスに同期が進む
  • 完全無料で利用可能(オープンソース)

また、クラウド型のような自動バックアップ機能は標準では持ちませんが、構成次第で「中央サーバー的なノード」を設けてバックアップ的な運用も可能です。たとえばスター型トポロジーを組み、常に稼働しているPCを中心に同期を集約することで、クラウドサービスに近い使い勝手を実現できます。


実際の使用例:Obsidianノートの同期

ここでは、Syncthingを使ってObsidianのノートデータを同期している構成例を紹介します。

構成例

  • PC(メイン端末)
  • スマートフォン(Pixel)
  • Linuxサーバー(バックアップ的役割)

この3台をSyncthingで相互に同期しています。PCで新しいファイルを作成すると、数秒後にはスマートフォン側にも同期されます。逆方向も同様に動作します。

競合(コンフリクト)の処理

同じファイルを複数の端末で同時に編集した場合は、「Sync Conflict」ファイルが自動生成され、競合した両方の内容が保存されます。競合時の動作やバージョンの保持期間などは設定で細かく制御できます。


Syncthingの主な設定項目

Syncthingの設定画面では、非常に多くの項目を調整できます。

設定カテゴリ内容
フォルダー設定同期フォルダーのID・パス・共有先の指定
バージョン管理履歴の保持期間・自動削除の設定
無視ファイル特定ファイルを同期対象外にする設定
同期方向送信専用・受信専用などの方向制御
ネットワークIPアドレスやポートの指定
帯域・接続管理通信帯域の制限や接続数の管理

初期設定はやや複雑に感じるかもしれませんが、一度構成してしまえば非常に快適に動作します。


Syncthingが向いているユーザー

Syncthingはやや中級者〜上級者向けのツールです。クラウドストレージに特に不満がない場合は、GoogleドライブやOneDriveを使う方が簡単で便利でしょう。

一方、以下のようなニーズがある方にはSyncthingが非常に有効です。

  • クラウド依存を避け、自分で完全にデータを管理したい
  • 特定のディレクトリだけを自由な構成で同期したい
  • 容量制限なく、無制限でファイルをやり取りしたい
  • 自分専用の「クラウド的な環境」を構築したい

Syncthingは容量制限がなく、データの取り扱いもすべて自分次第です。自己管理が必要になる分、自由度が圧倒的に高いツールといえます。


まとめ

Syncthingはクラウドサービスとは異なる、ローカル主体・自己管理型のファイル同期ツールです。設定は少し難しいものの、慣れれば強力な同期環境を構築できます。

クラウドの容量制限に悩んでいる方や、より柔軟な同期構成を求める方には特におすすめです。「自分専用クラウド」を作る感覚で、ぜひSyncthingを試してみてください。

参考 Syncthing公式サイト:https://syncthing.net