【初心者向け】Azure Monitor をざっくり理解する

この記事の内容

  • Azure Monitor は Azure 上のリソースを監視・分析するための統合プラットフォームです
  • 監視データには「メトリック(数値データ)」と「ログ(記録データ)」の2種類があります
  • Log Analytics・Application Insights・VM Insights など複数の関連サービスが含まれます
  • ダッシュボードによる可視化やアラートによる自動通知を設定できます
  • 課金は主にログの保存容量に対して発生します

Azure Monitor とは何か

Azure Monitor は、Azure 上で稼働するあらゆるサービスやリソース(VM、ストレージ、App Service など)の監視・分析を行うための統合的なプラットフォームです。

監視対象から収集される「メトリック」や「ログ」を保存し、可視化・アラート発報・各種分析など多様な機能を提供しています。単一のサービスというよりも、Azure 上の監視・分析機能全体を指す総称的な存在と捉えると分かりやすいでしょう。


監視データの種類:メトリックとログ

メトリック

CPU 使用率やメモリ使用量など、リソースの状態を示す数値データです。Windows の「パフォーマンスモニター」をイメージすると分かりやすいでしょう。リアルタイムで監視され、グラフで可視化することができます。

メトリックは「見る」だけで専用の保存場所を作る必要がなく、この点がログと大きく異なります。

ログ

アプリケーションやシステムが出力するイベントや操作履歴などの記録データです。アプリケーションのエラーやアクセス履歴なども含まれます。問題が発生した際の原因調査に役立ちます。


集約と可視化:ダッシュボードとアラート

Azure Monitor では、複数リソースから収集したメトリックやログを一元的に蓄積し、ダッシュボードでグラフや指標として可視化できます。

また、特定の閾値(例:CPU 使用率が 90% を超えた場合)に達した際、アラートを自動で発報し、メール通知やプログラム実行などのアクションを設定することも可能です。


関連サービスと構成の全体像

Azure Monitor には以下のような関連サービスや機能があります。同じ基盤上で動作しながら、用途・見せ方・課金体系が異なるため、初学者には混乱しやすい部分です。

Log Analytics(ログアナリティクス)

ログデータの高度な分析やクエリ検索を行うためのサービスです。独立した「Log Analytics ワークスペース」を作成して利用します。

Application Insights(アプリケーションインサイト)

アプリケーション特化の監視およびパフォーマンス分析ツールです。Web アプリや API の可用性・応答時間などの監視に強みがあります。

VM Insights(VM インサイト)

仮想マシン(VM)の詳細な監視と可視化に特化したサービスです。

Container Insights

コンテナ環境(Kubernetes 等)の監視に特化したダッシュボードや分析機能を提供しています。


課金は主に「ログの保存容量」に対して発生します。どこにどれだけデータを蓄積するかがコストに直結するため、設計時に意識しておくことが重要です。


Azure Monitor の基本操作

管理ポータルからのアクセス

Azure ポータル上で「Azure Monitor」にアクセスすると、他サービスとは異なる特別な画面が用意されています。ここから各種監視対象の分析や設定が可能です。

メトリックの参照手順

  1. Azure Monitor の「メトリック」機能を選択します
  2. 監視したいリソース(例:App Service)を選びます
  3. 名前空間・メトリック種別(例:CPU タイム、リクエスト数など)を選択します
  4. 任意の期間や集計方法でグラフ表示します

アラートの設定手順

  1. メトリック画面で「新しいアラートルール」を作成します
  2. 監視するシグナルや閾値(例:リクエスト数が 100 を超えたら)を設定します
  3. アクショングループ(通知先や実行アクション)を新規作成もしくは選択します
  4. アラートルールに名前や説明を付与して作成します

アラート発火時にはメール・SMS・プッシュ通知・Azure Functions の呼び出しなど、柔軟なアクションを設定できます。

ログ分析(Log Analytics)

ログ分析は「Log Analytics ワークスペース」を作成し、そこにログデータを集めて、Kusto Query Language(KQL)を使ったクエリ検索や分析を行います。

// KQL を使ったクエリの例(Log Analytics ワークスペース上で実行)
AzureActivity
| where TimeGenerated > ago(24h)
| summarize count() by OperationName
| order by count_ desc

その他の機能・サービス

機能名概要
ブック(Workbook)分析レポートやダッシュボードを作成する機能。Grafana も利用可能
診断設定各リソースから収集するメトリックやログの送信先を設定する機能
変更分析リソースの変更履歴を分析する機能
正常性モデルアプリケーション全体の依存関係を可視化し、障害箇所を特定しやすくする機能
SCOM マネージドインスタンス / Prometheus マネージドオンプレミスや OSS 由来の監視製品の PaaS/SaaS 版として提供される別軸のソリューション

まとめ

Azure Monitor は、Azure 上のリソースを統合的に監視・分析するためのプラットフォームです。「メトリック」と「ログ」という2種類のデータを収集し、ダッシュボードでの可視化やアラートによる自動通知を実現します。

Log Analytics・Application Insights・VM Insights・Container Insights といった関連サービスが「Azure Monitor」のブランドのもとに連携しているため、最初は複雑に見えますが、「監視データを集めて、見て、通知する」という基本的な役割を押さえておくと全体像が掴みやすくなります。

今回はメトリックとアラートの基本操作を中心に紹介しました。次回はログの詳細な使い方や、KQL を用いた分析方法について解説していく予定です。