Microsoft Connected CacheがGAしたので、Windows Updateの配信が効率化できますね!

この記事の内容

  • Microsoft Connected Cache(MCC)が2025年7月23日にエンタープライズ・教育機関向けに正式リリース(GA)されました
  • MCCはローカルにMicrosoftコンテンツをキャッシュするソフトウェアのみで導入できるキャッシュサーバーです
  • クラウドネイティブ管理への移行でネットワーク帯域が逼迫している組織に有効な解決策です
  • Windows Updateだけでなく、IntuneやTeamsなどMicrosoftサービス全般のコンテンツ配信に対応しています
  • 対象ライセンス(Microsoft 365 E3/E5/F3、Education A3/A5等)を持つ組織は追加のAzureコストなしで利用できます

クラウドネイティブ管理とネットワーク帯域の課題

近年、Windowsの更新(Windows Update)もクラウドから管理する流れが主流となっています。従来はオンプレミスの「Configuration Manager(構成マネージャー)」に配布ポイントを設置して更新ファイルを社内で配布していました。しかし、Intune中心のクラウドネイティブ管理に移行した場合、全端末が直接インターネット越しに更新ファイルを取得するため、ネットワーク帯域に大きな負荷がかかるケースが増えています。

特に端末台数が多い企業や学校などでは、Windows Updateのたびに回線が逼迫してしまうという問題が現実的に発生しています。


Microsoft Connected Cache(MCC)とは

「Microsoft Connected Cache(MCC)」は、必要なMicrosoftのコンテンツをローカルにキャッシュし、ネットワーク帯域と更新にかかる時間を大幅に節約できる仕組みです。

最大の特徴は、ソフトウェアのみで導入できるキャッシュサーバーである点です。専用のハードウェアを用意する必要はなく、既存のサーバーやPCにコンテナとして展開できます。

2025年7月23日に、エンタープライズ・教育機関向けに正式リリース(GA:General Availability)となりました。


導入のイメージと仕組み

MCCの導入は大きく以下のステップで行います。

1. Azureでリソースを作成する

Azureポータル上で「Microsoft Connected Cache」リソースを作成します。このAzureリソース自体に追加コストは発生しません。

2. キャッシュサーバーを展開する

導入先の端末にコンテナベースでMCCを展開します。対応OSは幅広く、以下のプラットフォームに対応しています。

  • Windows Server
  • Windows Desktop
  • Linux

Windows向けには専用のインストーラーも用意されており、スムーズに導入できます。

3. ネットワーク内で自動的にキャッシュが機能する

ネットワーク内にMCCコンテナが稼働すると、Windows UpdateのDelivery Optimization(デリバリー最適化、DO) クライアントが、インターネット上のMicrosoft CDNへ直接アクセスする代わりに、ローカルのMCCサーバーから更新ファイルを取得できるようになります。

4. Delivery OptimizationのP2P配信とも連携する

Delivery OptimizationはピアツーピアP2P配信機能も備えており、MCCと組み合わせることでさらに効率的なファイル配布が実現します。ローカルキャッシュとP2Pを組み合わせることで、インターネット帯域の消費を最小限に抑えられます。


対応ライセンスと導入の容易さ

MCCは以下のライセンスを持つ組織で利用できます。

  • Microsoft 365 E3 / E5 / F3
  • Education A3 / A5
  • その他対象ライセンス

多くの企業や教育機関がすでに対象ライセンスを保有しているケースが多く、GAとなったことで導入のハードルが大きく下がりました。


Windows Update以外にも対応

MCCはWindows Updateだけでなく、Microsoftの各種クラウドサービスが配信するコンテンツのキャッシュにも対応しています。

  • Intune — アプリや構成プロファイルの配信
  • Teams — クライアントの更新ファイル
  • その他Microsoftコンテンツ全般

HTTPとHTTPSの両プロトコルに対応しており、特にIntuneがHTTPS配信を行う環境では必須の存在となっています。

HTTPS通信を扱う場合は証明書の設定が必要です。管理者がMCCに証明書を展開する必要がありますので、詳細は公式ドキュメントをご参照ください。


コストと運用面のメリット

項目内容
追加Azureコストなし(MCCリソース作成に追加コストは発生しない)
必要な接続インターネット接続 + Azureとの接続
ハードウェア不要(ソフトウェアのみで導入可能)
対応OSWindows Server / Windows Desktop / Linux

MCCはインターネットからMicrosoftコンテンツをキャッシュする仕組みのため、インターネット接続とAzureとの接続は必須となります。完全オフライン環境では動作しない点にご注意ください。


まとめ

クラウドネイティブな管理への移行が進む中、ネットワーク帯域の最適化は多くの組織が直面する課題となっています。Microsoft Connected CacheのGA(正式リリース)によって、Windows Updateをはじめとする各種Microsoftサービスの配信効率を大幅に向上させることが可能になりました。

専用ハードウェア不要・追加Azureコストなしという導入のしやすさも魅力です。対応ライセンスをお持ちの組織は、ぜひMCCの導入を検討してみてください。インターネット帯域の逼迫という課題の解決策として、非常に有効な選択肢となっています。