SharePoint電子署名とWordが連動するようになります

この記事の内容

  • SharePointの電子署名サービスがMicrosoft Wordに統合され、Wordから直接署名依頼ができるようになります
  • 署名依頼を送信すると、PDFの自動生成・署名・SharePointへの保存まで自動で完結します
  • すべての操作がMicrosoft 365内で完結するため、セキュリティ・コンプライアンス面で優れています
  • 管理者はOfficeグループや特定のSharePointサイト単位で利用範囲を制御できます
  • 現在はベータチャンネル・カレントチャンネルで順次展開中で、2025年末に全世界展開予定です(日本は先行展開対象外)

SharePoint電子署名がMicrosoft Wordに統合

Microsoftは、SharePointの電子署名サービスをMicrosoft Wordに統合することを発表しました。

これにより、これまでPDFに変換してから署名依頼を行っていたワークフローが、Wordのインターフェースから直接シームレスに実行できるようになります。具体的には、WordのリボンメニューにあるInsertタブの右端に、電子署名の操作メニューが追加されます。


Wordから直接署名を依頼できる新機能

このアップデートの最大のポイントは、Word文書のインターフェースから署名依頼の操作が完結する点です。ユーザーはWord文書内に署名フィールドを挿入し、署名者に依頼を送信できます。

依頼を送信すると、バックグラウンドで以下の処理が自動的に実行されます。

  1. PDFの自動生成と保存 — 署名依頼が送信されると、システムが自動的にWord文書をPDF形式に変換します
  2. PDFへの署名 — 署名者はこの生成されたPDFファイルに対して電子署名を行います
  3. SharePointへの自動保存 — 署名済みのPDFは、元のWordファイルが保存されているSharePointライブラリの同じ場所に自動的に保存されます

一連の操作がすべてMicrosoft 365環境内で完結するため、外部ツールを必要とせず、セキュリティとコンプライアンスの観点から非常に優れた仕組みになっています。また、元のWordファイルは電子署名のテンプレートとして繰り返し再利用することも可能です。


監査証跡と通知機能

SharePointの電子署名機能には、トラッキング機能が内蔵されています。署名プロセスの各段階で、送信者と署名者の双方にメールで進捗が通知されます。

さらに、署名が完了したPDFには監査証跡が記録され、「誰が」「いつ」署名したかを正確に確認することができます。


管理者による制御とセキュリティ設定

管理者は、組織内での電子署名機能の利用方法を詳細に制御できます。

  • 利用範囲の制限 — Officeグループを使用して特定のユーザーのみに機能を有効化したり、特定のSharePointサイトに限定して利用を許可したりすることが可能です
  • 監査ログ — Microsoft Purviewの監査ログに電子署名のアクティビティを記録し、利用状況を追跡できます

Adobe Signなどの外部電子署名ツールを利用していた組織も、Microsoft 365内で完結する形に移行でき、セキュリティとコンプライアンスを担保した運用が実現できます。


Wordでの署名依頼の基本的な手順

  1. Wordファイルを開き、署名が必要な箇所に署名フィールドを挿入します
  2. 署名を依頼する受信者(署名者)を指定します
  3. 必要に応じて補足のメモなどを追加します
  4. 依頼を送信すると、文書は自動的に保存され、受信者に通知が送信されます

利用可能時期と展開スケジュール

この機能は、現在Microsoft 365のベータチャンネルおよびカレントチャンネルで順次展開されています。

  • 先行展開 — 北米など一部の地域で先行して利用可能になっています(日本は含まれていません)
  • 全世界での展開 — 2025年末までには全世界で利用可能となる見込みです

利用に必要な管理者設定とクライアント要件

この機能をWordで利用するには、事前の管理者設定が必要です。

管理者設定の手順:

  1. Microsoft 365管理センターで「SharePoint eSignature」を構成し、「Word」のチェックボックスをオンにします
  2. サービスを有効化した後、「Microsoft WordでのSharePoint電子署名の使用を許可する」というポリシーを、IntuneのグループマネージャーまたはMicrosoft 365のクラウドポリシーサービスを使用して対象ユーザーに適用します

クライアント側の要件:

  • ライセンス — Microsoft 365のカレントチャンネルまたはベータチャンネル
  • アプリケーション — Wordのデスクトップ版

まとめ

SharePointの電子署名サービスがMicrosoft Wordに統合されることで、これまでPDF変換が必要だった署名依頼のワークフローが大幅に簡素化されます。Word文書に署名フィールドを挿入して送信するだけで、PDF生成・署名・SharePointへの保存まで自動で完結します。

Microsoft 365の外に出ることなくすべての処理が完了するため、セキュリティとコンプライアンスの面でも安心して利用できます。管理者は利用範囲の細かな制御やPurviewによる監査ログの取得も可能です。

現時点では日本での先行展開は対象外ですが、2025年末には全世界での展開が予定されています。展開が始まり次第、管理センターでの設定を行い、組織内での活用を検討してみてください。