App Service Environment v3のルート証明書API
この記事の内容
- App Service Environment v3(ASEv3)でルート証明書を管理する新しいAPIがパブリックプレビューとして公開されました
- 大規模・高セキュリティなAzure環境を運用している組織に特に関係する機能です
- REST API、Azure CLI、Terraformの3つの方法で操作できます
- 証明書を適用した後はアプリケーションの再起動が必要です
App Service Environment v3とは
App Service Environment v3(ASEv3)は、Azure App Serviceのための高度に分離された独立環境を提供するサービスです。通常のApp Serviceとは異なり、組織の専用ネットワーク内にデプロイされ、より厳格なセキュリティ要件を満たすことができます。
日常的にApp Serviceを利用しているだけであれば、ASEv3を使う機会は少ないかもしれません。しかし、Azureを社内データセンターの延長として活用しており、大規模かつセキュアな環境を運用している組織にとっては、非常に重要なサービスです。
ルート証明書APIの概要
今回パブリックプレビューとして公開されたAPIを使うと、ASEv3内で稼働するすべてのアプリケーションに対して、共通のルート証明書を一括で適用できます。
証明書管理はセキュリティに直結する重要な運用項目です。ASEv3上で複数のアプリケーションを動かしている環境では、これまで証明書の配布・管理に手間がかかることがありました。本APIにより、その管理が大幅に簡素化されます。
APIの操作方法
ルート証明書の管理は、以下の3つの方法で行えます。
REST API
HTTPリクエストを使って直接操作できます。
PUT https://management.azure.com/subscriptions/{subscriptionId}/resourceGroups/{resourceGroupName}/providers/Microsoft.Web/hostingEnvironments/{name}/certificates/{thumbprint}?api-version=...
Azure CLI
az appservice ase create-inbound-services ...
Terraform
IaC(Infrastructure as Code)のフローに組み込む場合は、Terraformリソースとして定義できます。
resource "azurerm_app_service_environment_certificate" "example" {
# ルート証明書の設定
}
証明書の追加だけでなく、不要になったルート証明書の削除も同様のAPIで行えます。
証明書適用後の注意点
ルート証明書を適用した後は、変更を有効化するために対象アプリケーションの再起動が必要です。アプリケーションを停止し、再度起動する操作が求められる点に注意してください。運用スケジュールを考慮した上で、メンテナンスウィンドウを設けて実施することをお勧めします。
まとめ
App Service Environment v3のルート証明書管理APIがパブリックプレビューとして利用可能になりました。REST API・Azure CLI・Terraformの3つの方法で操作でき、既存の運用フローやIaCの仕組みに組み込みやすい設計となっています。
大規模なAzure環境で証明書管理の効率化やセキュリティ強化を検討している組織は、ぜひパブリックプレビュー期間中に機能を試してみてください。