Windows Clientでもホットパッチが利用可能に!
この記事の内容
- Windows クライアント向けのホットパッチ機能が利用可能になったことが発表されました
- ホットパッチを使うと、再起動なしでセキュリティパッチを適用できます
- 3ヶ月に1回の再起動のみで、残りの2ヶ月は再起動不要で運用できます
- 利用には Intune 管理・特定ライセンス・Windows 11 24H2 以降などの前提条件があります
- オプトイン機能のため、意図的に有効化しない限り従来の挙動は変わりません
ホットパッチとは
ホットパッチとは、Windows を再起動することなくセキュリティパッチを適用できる機能です。これまでサーバー向けに提供されていましたが、今回 Windows クライアント向けにも利用できるようになりました。
通常の Windows Update では、パッチを完全に適用するために再起動が必要です。組織によっては再起動のタイミングを取りにくく、再起動するまでの間は脆弱性が残った状態になってしまうという課題がありました。ホットパッチはこの課題を解消する仕組みです。
ホットパッチの適用サイクル
ホットパッチを使えば、常に再起動なしでいられるわけではありません。「ベースライン」と呼ばれる更新を定期的に適用する必要があり、このベースライン適用時には再起動が必要です。
サイクルは以下のようになります。
- ベースライン更新を適用 → 再起動が必要
- 翌月・翌々月は ホットパッチで再起動なし
- 3ヶ月目に 次のベースライン更新 → 再起動が必要
- 以降、同じサイクルを繰り返す
つまり、3ヶ月に1回の再起動だけで済むようになります。再起動に伴うトークンの再取得や業務中断といった手間を大幅に削減できます。
利用するための前提条件
ホットパッチを利用するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
必要なライセンス
以下のいずれかのライセンスが必要です。
- Windows 11 Enterprise(E3、E5、または F3)
- Windows 11 Education(A3 または A5)
- Windows 365 サブスクリプション
エンタープライズ向けのライセンスが必要な点にご注意ください。
OS バージョン
- Windows 11 Enterprise バージョン 24H2 以降
対応 CPU
- AMD64
- Intel
なお、ARM64 デバイスについては現時点でパブリックプレビューの段階です。レジストリ変更や CHPCS の無効化が必要になるなど追加の手順があるため、注意が必要です。
管理方法
- Intune による管理が必須です
技術的な制約というよりも Microsoft のポリシーとして、Intune(クラウド管理)経由でホットパッチを有効化する設計になっています。
セキュリティ要件
- VBS(Virtualization Based Security)が有効であること
ホットパッチの有効化手順
Intune 管理センターから以下の手順で設定します。
- Intune 管理センターにアクセスします
- デバイス → Windows Update を開きます
- Windows クオリティアップデートポリシーを新規作成します
- 設定の中から以下のオプションを [Allow] に設定します
この設定を有効にすることで、対象デバイスに対して再起動なしでパッチが適用されるようになります。
オプトイン機能なので安心して試せる
ホットパッチはオプトイン機能です。明示的に有効化しない限り、従来の Windows Update の動作は変わりません。現在の運用を続けたい組織はそのままで問題ありません。
また、ポリシーを有効化した状態で前提条件を満たしていないデバイスがあった場合でも、通常の方法でパッチが適用されます。対象外のデバイスが混在していても問題なく動作するため、とりあえず有効化してみるという形でも安心して試せます。
Intune 管理を導入済みで対象ライセンスをお持ちの組織であれば、デメリットはほぼなく、すぐに有効化を検討できます。
Intune 管理への移行という大きな流れ
今回のホットパッチもそうですが、オートパッチをはじめ多くの高度な機能が Intune 管理を前提とするようになっています。Microsoft はクラウドからデバイスを管理する方向へ機能を集約しており、この流れは今後も続くと考えられます。
まだ Intune 管理に移行できていない組織にとっては一つのハードルとなりますが、利用できる機能の幅を考えると、移行を検討する良い機会とも言えます。
まとめ
Windows クライアント向けのホットパッチが利用可能になりました。3ヶ月に1回の再起動だけで済むこの機能は、セキュリティパッチの適用遅れを減らし、運用負荷を軽減する効果が期待できます。
利用するには Windows 11 Enterprise 24H2 以降・対象ライセンス・Intune 管理・VBS 有効化が必要ですが、オプトイン機能なので既存の環境に影響を与えず試せます。前提条件を満たしている組織は、ぜひホットパッチの有効化を検討してみてください。