オンプレミスのVMをAzureに接続してAzureから管理できるようにする!
この記事の内容
- Azure Arc を使うと、オンプレミスの仮想マシンを Azure のリソースとして管理できるようになります
- 接続方法はスクリプト・インストーラー・サービスプリンシパル等、複数の方法から選択できます
- 今回はインストーラーを使った、ステップバイステップの接続手順を紹介します
- 接続後は Azure のアップデート管理・モニタリング・インサイトなどの機能がオンプレミスのサーバーでも利用できます
- Azure Arc への接続は完全無料で行うことができます
Azure Arc とは
Azure Arc は、オンプレミスや他のクラウド環境にあるリソースを Azure に接続し、Azure から統一的に管理するためのサービスです。Azure Arc を使うことで、オンプレミスのサーバーであっても Azure 上のリソースと同様に扱えるようになります。
今回は、Hyper-V 仮想基盤上で動作している Windows Server(DC01)を Azure Arc に接続する手順を紹介します。
Azure Arc が対応しているリソースの種類
Azure Arc では、以下のようなさまざまなリソースを接続することができます。
- 単一の仮想マシン・物理サーバー
- Kubernetes クラスター
- VMware vSphere 環境
- System Center Virtual Machine Manager
- Azure Local
ホスト環境(基盤)ごと接続して仮想マシンを管理することも、個々の仮想マシンや物理サーバーを直接接続することも可能です。今回は Hyper-V 上の単一仮想マシンを対象とするため、「マシン」として追加します。
サーバーを追加する方法の選択肢
Azure Arc にサーバーを追加する方法は複数用意されています。
| 方法 | 概要 |
|---|---|
| スクリプト | Azure にサインインして単一サーバーを追加する最もシンプルな方法 |
| サービスプリンシパル | 複数台をまとめて追加する場合に便利。認証を自動化し、サイレントで追加可能 |
| インストーラー | ステップバイステップの GUI インストーラーを使う方法 |
| AWS コネクター | AWS の EC2 インスタンスをまとめて接続する方法 |
| Update Manager 連携 | 既存のアップデート管理環境から接続する方法 |
Active Directory 内の複数サーバーをまとめて追加したい場合は、サービスプリンシパルを使った方法が便利です。今回は GUI で直感的に操作できるインストーラーを使って進めます。
インストーラーを使った接続手順
1. インストーラーのダウンロード
Azure ポータルの Azure Arc 画面から「リソースの追加」→「マシン」→「追加作成」を選択し、インストーラーをダウンロードします。ファイルサイズは約 100MB です。
2. インストーラーの実行
ダウンロードしたファイルを開き、「OK」を押すと Azure Connected Machine エージェント のインストールが開始されます。インストール完了後、Azure Arc の構成画面が表示されます。
3. Azure クラウドの選択
接続先の Azure クラウドを選択します。
- Azure Global(日本を含む通常の環境)
- Azure China Cloud
- Azure US Government Cloud
通常は「Azure Global」を選択します。
4. Azure へのサインイン
「Azure にサインイン」ボタンをクリックして認証を行います。デバイスログイン(コードを生成してブラウザで認証)を使うことも可能です。サインインするアカウントのテナントを選択して認証を完了させます。
5. リソースの詳細を設定
認証完了後、以下の設定を行います。
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
| サブスクリプション | 管理対象のサブスクリプションを選択 |
| リソースグループ | マシンを配置するリソースグループを選択 |
| リージョン | メタデータを格納するリージョンを選択(例: Japan East) |
| ネットワーク接続 | パブリックエンドポイント(インターネット経由)またはプロキシを選択 |
6. 接続の完了
「次へ」を押すと接続と構成が自動的に実行されます。「接続と構成が成功しました」と表示されれば完了です。この時点で、オンプレミスのサーバーにはエージェントが動作し始めており、管理可能な状態になっています。
Azure ポータルで確認する
接続完了後、Azure ポータルで Azure Arc の画面を更新すると、DC01 が Azure Arc のマシンリソースとして表示されます。
リソースの詳細画面を開くと、以下のような Azure の管理機能がそのまま利用できるようになっています。
- アップデート管理
- ログ
- モニタリング
- インサイト
- ログイン
オンプレミスのサーバーでありながら、Azure 上のサーバーと同じように管理できる環境が整いました。
まとめ
Azure Arc を使うことで、オンプレミスの仮想マシンを Azure のリソースとして接続・管理できるようになります。インストーラーを使えば GUI のウィザードに沿って進めるだけで、難しい設定なしに接続が完了します。
接続後は、アップデート管理・モニタリング・インサイトといった Azure の豊富なサービスをオンプレミスサーバーに対しても活用できるようになります。そして、この Azure Arc への接続自体は完全に無料です。
まずは組織内の仮想マシンを Azure Arc に接続しておくことで、将来的な Azure サービスの活用に向けた準備が整います。ぜひ試してみてください。