Windows Server 2025がついに一般提供(GA)開始!主要な新機能を解説
この記事の内容
- Windows Server 2025が2024年11月に一般提供(GA)を開始しました
- セキュリティ、クラウド連携、AI対応・パフォーマンスの3分野で大幅な機能強化が行われています
- SMB over QUICやホットパッチングなど、運用負荷を軽減する注目機能が追加されています
- System Center 2025も同時にリリースされ、セットでの管理が可能になりました
- 既存のWindows Server 2016/2019/2022ユーザーに対しても、一部新機能が追加費用なしで提供されます
Windows Server 2025のGAについて
2024年11月4日、MicrosoftはWindows Server 2025の一般提供(GA)開始を正式にアナウンスしました。公式ブログでは「Windows Server 2025 is Now Generally Available」として、「Advanced Performance, Cloud Agility」というキャッチフレーズとともに紹介されています。
今回のリリースでは「セキュリティ」「パフォーマンス」「柔軟性」の向上が掲げられており、オンプレミス・ハイブリッド・クラウドのいずれの環境でも活用できることが強調されています。
セキュリティの強化
Active Directoryの進化
Windows Server 2025では、Active Directory(AD)周りのセキュリティが地味ながらも着実に向上しています。具体的には以下の3点が挙げられています。
- AD認証プロトコルの暗号化ハードニング
- 新しい暗号化サポートの追加
- dMSA(デリゲートマネージドサービスアカウント)の導入
dMSAは、サービスアカウントのパスワード管理をADが自動で行ってくれる新しい仕組みです。これにより、手動でのパスワード管理が不要になり、セキュリティと運用効率の両立が期待できます。
SMB over QUICの標準搭載
Windows Server 2025では、SMB over QUICがOS標準機能として搭載されます。QUICプロトコルは標準で暗号化をサポートしているため、VPNなしでもインターネット越しに安全にWindowsファイルサーバーへ接続できるようになります。
これまでもAzure Editionなどの特定エディションでは利用可能でしたが、実際に採用している組織は少ない状況でした。Windows Server 2025でOS標準機能となることで、より広く利用が広がることが期待されます。
ハイブリッドクラウド機能の強化
Azure Arc経由のホットパッチング
Windows Server 2025では、Azure Arcに接続することでホットパッチング機能が利用できるようになります(現在はプレビュー中)。ホットパッチングにより、多くのパッチ適用において再起動が不要になり、ダウンタイムの削減とパッチ適用の手間を大幅に軽減できます。なお、月額サブスクリプション料金が必要となります。
Azure Arc onboardingの内蔵
Windows Server 2025では、Azure ArcへのオンボーディングがOS自体に内蔵されています。これにより、サーバーをAzure管理下に簡単に登録できるようになりました。
SDNのマルチサイト機能
ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)にマルチサイト機能が追加され、複数のロケーション間(クラウドを含む)でのシームレスなワークロード移行のためのネイティブなL2・L3接続が提供されます。
統合ネットワークポリシー管理
ハイブリッドクラウド環境全体のネットワークポリシーを一元管理できる機能も追加されています。
AI対応とパフォーマンスの向上
Hyper-V のGPU対応強化
Hyper-VでGPUパーティショニングのサポートが組み込まれました。ライブマイグレーションにも対応しており、AIや機械学習ワークロードをVM上で効率的に実行できるようになります。
NVMeストレージのパフォーマンス向上
Windows Server 2022と比較して、同一システムでのストレージIOPS性能が最大60%向上するとされています。OSのバージョンアップだけでこれだけの性能改善が得られる点は注目に値します。
ストレージ機能の拡充
全エディションで以下のストレージ機能がネイティブサポートとなりました。
- ReFS(Resilient File System)の重複排除・圧縮
- Storage Spacesでのシンプロビジョニング
- ストレージレプリカの圧縮
Hyper-V のスケール拡張
大規模環境向けの上限値も大幅に引き上げられています。
| 項目 | 従来 | Windows Server 2025 |
|---|---|---|
| VMあたりの最大メモリ | 24TB | 240TB(約10倍) |
| VMあたりの最大仮想プロセッサ数 | 約240 | 2048(約8.5倍) |
System Center 2025も同時リリース
Windows Server 2025とあわせて、System Center 2025も一般提供が開始されました。Windows Server 2025の管理にSystem Center 2025を組み合わせることで、統合的な管理が可能になります。
既存バージョンユーザーへの新機能提供
Windows Server 2016・2019・2022をご利用のお客様に対しても、ソフトウェアアシュアランスなどの対象ライセンスを保有している場合、以下の機能が追加費用なしで提供されます。
- Azure Update Manager
- ゲスト構成ポリシー
- ディザスターリカバリー
- 変更の追跡
- インベントリ管理
これまで有償だったAzure Update Managerが対象ライセンス保有者には無償で利用できるようになる点は、特に注目すべきポイントです。WSUSの非推奨化を受けてAzure Update Managerへの移行を検討していた方にとっても、前向きなニュースと言えるでしょう。
まとめ
Windows Server 2025は、セキュリティ・ハイブリッドクラウド連携・AI・パフォーマンスの各分野で着実な進化を遂げたリリースとなっています。
特に注目すべきポイントは以下の通りです。
- SMB over QUICの標準搭載により、VPN不要の安全なファイルアクセスが実現
- ホットパッチング(Azure Arc経由)でパッチ適用の運用負荷を大幅に軽減
- NVMeストレージ性能がWindows Server 2022比で最大60%向上
- Azure Arcとのハイブリッド連携がOSレベルで深く統合
- 既存バージョンユーザーへの新機能の無償提供(ソフトウェアアシュアランス保有者向け)
新しいサーバーOSの導入を検討されている方はもちろん、既存のWindows Server環境をお持ちの方にとっても、今回のリリース内容をあらためて確認する価値がある内容となっています。