Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCIの新機能まとめ

この記事の内容

  • Azure Stack HCI上で動作するAzure Virtual Desktop(AVD)の最新機能を紹介します
  • オートスケール、Start VM on Connect、Marketplace対応イメージなどの新機能が利用可能になりました
  • Azure Virtual Desktop Insightsによる監視機能がAzure Stack HCI環境でも使えるようになりました
  • ユーザーごとのアクセス価格(Per-Userプライシング)モデルがサポートされました
  • ハイブリッドVDIとして活用できるシナリオが広がっています

Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCIとは

Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCI(AVD for HCI)は、2024年2月に一般提供(GA)が開始されたVDIソリューションです。オンプレミスのAzure Stack HCI上でセッションホストを動作させることができ、低レイテンシーでのアクセスが可能な点が大きな特徴です。

また、Windows 11やWindows 10のマルチセッション対応クライアント(通常のAzure Virtual Desktopでのみ利用可能)が、Azure Stack HCI環境でも利用できます。クラウドとオンプレミスを組み合わせた「ハイブリッドVDI」として、さまざまな組織で活用が進んでいます。


新機能:オートスケール for ホストプール

ホストプールに対するオートスケール機能が、Azure Stack HCI上のAzure Virtual Desktopでも一般利用可能になりました。

オートスケールを使用することで、スケジュールに従ってセッションホストの台数を増減させ、コストを最適化できます。たとえば以下のような設定が可能です。

  • 時間帯ごとに起動・停止のスケジュールを設定する
  • 仮想マシンへの接続数をトリガーとして、台数を動的に増減させる

これまでAzure上の仮想マシンで実現できていた柔軟なスケーリングが、Azure Stack HCI上の仮想マシンでも同様に行えるようになりました。


新機能:Start VM on Connect

「Start VM on Connect」は、セッションホストとして使用する仮想マシンを、ユーザーが接続するタイミングで自動起動する機能です。

常時稼働ではなく必要なときだけ電源を入れることで、コスト削減を実現できます。構成方法はドキュメントに記載されており、比較的シンプルに設定できます。


新機能:Azure Marketplaceからのシングルセッションイメージ

管理者は、AzureのMarketplaceからWindows 11またはWindows 10 Enterpriseのシングルセッションイメージを、Azure Stack HCIクラスターに直接ダウンロードできるようになりました。

これにより、以下の両方のユースケースに対応できます。

  • シングルセッション:1台の仮想マシンに1ユーザーが接続する従来型の構成
  • マルチセッション:1台の仮想マシンに複数ユーザーが同時接続する構成

Marketplaceから対象のイメージを選択してダウンロードするだけで利用できるため、導入の手間が大幅に軽減されています。


新機能:Azure Virtual Desktop Insightsのサポート

Azure Virtual Desktop Insightsを使用して、Azure Stack HCI上のAzure Virtual Desktopのセッションホストを監視できるようになりました。

監視できる情報の例としては、以下のものがあります。

  • セッション数の推移
  • 最大接続ユーザー数
  • その他のパフォーマンス指標

Azure Monitorと連携した形での監視ソリューションとして活用できます。


新しい価格モデル:ユーザーごとのアクセス価格(Per-Userプライシング)

Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCIにおいて、ユーザーごとのアクセス価格モデルがサポートされました。

この価格モデルは、特にISV(独立系ソフトウェアベンダー)のように、Azure Virtual Desktopを使って外部のユーザーにSaaS的なサービスを提供するシナリオで有効です。接続ユーザー数に応じた課金となるため、利用状況によっては従来のモデルよりもコスト効率が向上します。

詳細な価格については、Microsoftの営業担当者への問い合わせが推奨されています。なお、Azure Virtual Desktopの価格ページへのPer-Userプライシングの反映は、記事公開時点ではまだ更新中の場合があります。


まとめ

Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCIには、以下の新機能・新価格モデルが追加されました。

機能・変更点概要
オートスケール for ホストプールスケジュールや接続数に応じた自動スケーリングが可能に
Start VM on Connect接続時に仮想マシンを自動起動してコスト削減
Marketplaceイメージ対応Windows 11/10のシングルセッションイメージをMarketplaceから取得可能に
Azure Virtual Desktop InsightsHCI環境のセッションホストの監視が可能に
Per-Userプライシングユーザーごとの課金モデルをサポート

オンプレミスの低レイテンシー環境でVDIを運用しつつ、クラウドと同等の管理機能やスケーリング機能を活用できる点が、AVD for HCIの大きな強みです。導入や検討を進めている組織は、ぜひ最新のドキュメントや公式ブログを確認してみてください。