Azure OpenAI入門基礎講座 Part11 - アシスタントプレイグラウンドを使いこなす
この記事の内容
- アシスタントプレイグラウンドは、チャットプレイグラウンドの機能を内包しつつ、さらに高度な操作が可能なアシスタントAPIを操作できる環境です
- アシスタントに「手順(システムメッセージ相当)」を設定することで、動作をカスタマイズできます
- コードインタープリター機能を有効にすると、AIがPythonコードを実際に実行して結果を返すことができます
- LLMは大きな桁の計算が苦手ですが、コードインタープリターを使うことでその弱点を補えます
- CSVファイルをアップロードしてデータ分析を依頼するなど、ファイルを扱った高度な活用も可能です
アシスタントプレイグラウンドとは
アシスタントプレイグラウンドは、Azure OpenAIが提供するアシスタントAPIを使って操作できる環境です。これまでのチャットプレイグラウンドでできたことに加えて、さらに高度な機能が利用できます。
なお、執筆時点ではまだプレビュー段階であることにご注意ください。
アシスタントの作成と基本的な会話
アシスタントプレイグラウンドでは、まず使用するデプロイとアシスタントの名前を設定します。名前を入力して保存ボタンを押すと、アシスタントが作成され、IDが付与されます。
作成したアシスタントに対して、そのまま会話することができます。ただし、何も設定していない状態ではチャットプレイグラウンドと同様の動作になります。
手順(システムメッセージ)の設定
アシスタントには「手順」を設定することができます。これはチャットプレイグラウンドのシステムメッセージに相当するもので、アシスタントの性格や目標を定義します。
例として、以下のような手順を設定してみます。
この状態でチャットをクリアして「おはようございます」と入力すると、「Good morning」と英語で返答が返ってきます。手順がきちんと反映されていることが確認できます。
この段階まではチャットプレイグラウンドと同様の動作です。ここからがアシスタントプレイグラウンドならではの機能になります。
コードインタープリターの活用
コードインタープリターとは
コードインタープリターは、さまざまなファイルの種類やデータを処理・生成できるようにする機能です。具体的には、AIがPythonコードを実際に実行し、その結果を返すことができるようになります。
LLMの計算苦手問題を解決する
LLMは数字の扱いが苦手で、計算を間違えることがあります。たとえば、以下のような計算を通常のチャットで試すと誤った答えを返すことがあります。
コードインタープリターなしでは、LLMは確率的に回答を生成するため、大きな桁の計算では間違いが生じやすくなります。
一方、コードインタープリターを有効にすると、AIがPythonで実際に計算を実行して正確な結果を返します。
answer = 74890 * 2
print(answer)
# 出力: 149780
コードインタープリターを使うことで、LLMの苦手な計算もカバーできるようになります。
コードインタープリターの有効化
アシスタントの設定画面でコードインタープリターをオンにし、手順に以下のような指示を追加します。
ファイルをアップロードしてデータ分析する
CSVファイルのアップロード
アシスタントプレイグラウンドでは、ファイルをアップロードしてそのデータを分析させることができます。ここでは、YouTubeチャンネルの過去28日間の動画データ(視聴回数・総再生時間・チャンネル登録者数・推定収益・インプレッション数など)をCSV形式でアップロードする例を紹介します。
ファイルはローカルからアップロードでき、アップロード後はアシスタントがそのファイルを参照できるようになります。
データ分析の実例
アップロードしたCSVファイルに対して、次のような質問ができます。
質問例1:最も人気の動画を特定する
アシスタントはコードインタープリターでCSVを読み込み、視聴回数が最も高い動画を特定して返答します。
質問例2:チャンネル登録者獲得率の計算
この場合、アシスタントは「視聴回数あたりのチャンネル登録者数」を計算するコードを自動で生成・実行し、結果を返します。
質問例3:今後の動画企画の提案
アシスタントはデータを分析したうえで、次のようなインサイトを提供してくれます。
- チャンネル登録者獲得率が高いトップ5動画の傾向
- 視聴回数が多い動画の特徴(技術的な問題解決コンテンツ、具体的なキーワードを含むタイトルなど)
- これらの分析に基づいた具体的な動画タイトル案
次回予告:関数(Functions)機能
アシスタントプレイグラウンドにはさらに強力な「関数」機能があります。アシスタントに関数を定義して連動させることで、外部サービスや処理と組み合わせた高度な動作が可能になります。
この機能は内容がやや難しいため、次回の動画で詳しく解説予定です。
まとめ
アシスタントプレイグラウンドでは、チャットプレイグラウンドの基本機能に加えて、以下の高度な機能が利用できます。
- 手順の設定:チャットプレイグラウンドのシステムメッセージと同様に、アシスタントの動作をカスタマイズできます
- コードインタープリター:PythonコードをAIが実際に実行することで、LLMが苦手とする数値計算や複雑な処理を正確にこなせるようになります
- ファイルのアップロードと分析:CSVなどのファイルを直接アップロードし、データ分析や次のアクション提案まで行うことができます
コーディングなしでこれだけの機能を組み合わせられるのは非常に強力です。次回は「関数」機能について詳しく解説します。