Azure OpenAI入門基礎講座 Part1 - Azure OpenAIの利用申請

この記事の内容

  • Azure OpenAI Serviceはすぐに使えるわけではなく、事前に申請・承認が必要です
  • 申請フォームには会社のメールアドレス・サブスクリプションID・会社情報などの記入が必要です
  • 個人のメールアドレス(Gmail、Hotmailなど)では申請が拒否されます
  • Microsoft MVPや独自ドメインを持つ個人事業主などは例外的に承認される場合があります
  • 申請が承認されると、Azureポータル上の警告が消えてサービスを展開できるようになります

Azure OpenAI Serviceとは

Azure OpenAI Serviceは、MicrosoftのクラウドサービスであるAzure上でOpenAIのモデルを利用できるサービスです。現在はAzure AIサービスの一部として位置づけられており、Azure PortalのAI関連サービス群(Azure AI Services)の中に含まれています。

このサービスを活用することで、AIチャットボットの作成やAIを使ったアプリケーション開発が可能になります。


申請が必要な理由

Azure上の多くのサービスは、その場ですぐに使い始めることができます。しかしAzure OpenAI Serviceは、利用を開始する前にMicrosoftへの申請と承認が必要です。

Azureポータルでサービスの作成画面に進むと、以下のようなメッセージが表示されます。

Azure OpenAI Serviceはアプリケーションフォームをお客様に提供しています。選択されたサブスクリプションはサービスの使用に対して有効になっておらず、どの価格レベルにもアクセスがありません。

このメッセージが表示されている間は、サービスを展開することができません。まずは申請フォームから利用申請を行い、承認を受ける必要があります。


申請フォームへのアクセス方法

  1. Azureポータル(portal.azure.com)にサインインします
  2. 検索バーに「OpenAI」と入力し、Azure OpenAIを選択します
  3. サービスの作成画面に進みます
  4. 表示されている警告メッセージ内のリンクをクリックします
  5. 「Request Access to Azure OpenAI Service」というフォームに遷移します

申請フォームの記入内容

申請フォームは英語で書かれています。翻訳ツール(ChatGPTなど)を活用しながら、正確に記入しましょう。

基本情報

項目内容
First Name / Last Name氏名
Company Email Address会社のメールアドレス(個人アドレスは不可)
Company Name会社名
Company Address会社住所(City、State、Zip Code)
Country国名(日本の場合は「Japan」)
Company Website URLhttps:// から始まる会社のWebサイトURL
Phone Number会社の電話番号

サブスクリプション情報

申請したいAzureサブスクリプションの数(1〜3個)を選択し、それぞれのサブスクリプションIDを入力します。

注意: ここに入力するのはテナントIDではなく、サブスクリプションIDです。混同しないようにしてください。

サブスクリプションIDはAzureポータルの「サブスクリプション」メニューから確認できます。

AzureID

また、申請するサブスクリプションは自分の組織に属するものである必要があります。パートナー企業が顧客のサブスクリプションを代理で申請することはできません。顧客自身に申請を行ってもらう必要があります。


申請が拒否されるケース

以下の場合、申請が拒否される可能性があります。

  • 対象となるお客様・パートナー以外からの申請
  • 個人のメールアドレス(Gmail、Hotmail、Outlook.comなど)での申請
  • 有効なサブスクリプションIDが入力されていない場合
  • 自分の組織に属さないサブスクリプションIDを使用した場合

個人でも申請できる場合

以下のような場合は、例外的に承認される可能性があります。

  • Microsoft MVPの資格保持者
  • 独自ドメインを取得しており、個人事業主として活動している方

「個人だから申請しても無駄」と最初から諦めず、自分の状況を踏まえて申請を検討してみましょう。


フォームの利用規約について

フォームには利用規約への同意が含まれます。主な内容は以下のとおりです。

データの処理と記録

Azureポータルに送信されたコンテンツは、不正利用の検知や障害調査のために記録・レビューされる場合があります。企業の機密情報をAIに送信することを懸念する場合は、この点をあらかじめ把握しておく必要があります。

なお、Microsoftへの監査を除外する例外申請を行うことで、コンテンツのレビューを受けない形での利用も可能とのことです。セキュリティポリシーが厳しい企業は、この点についてMicrosoftへ別途確認することをお勧めします。

利用用途の制限

Azure OpenAIのモデルを使って他社やオープンソースモデルのトレーニングデータを生成するといった用途は認められていません。自社アプリケーションへのデプロイや、Microsoftの生成AIサービスとの連携を目的とした利用が前提となります。


申請後の流れ

フォームを正しく記入して送信すると、登録したメールアドレスに確認メールが届きます。メールがスパムフォルダに振り分けられていないか確認しましょう。

承認されるまでの期間はケースによって異なりますが、現在は比較的スムーズに承認されるようです。数日以内に承認されることが多いようです。

承認が完了すると、Azureポータルのサービス作成画面に表示されていた警告が消えます。この状態になれば、いよいよAzure OpenAI Serviceを展開して利用できるようになります。


まとめ

Azure OpenAI Serviceの利用を開始するには、まず申請フォームからアクセス申請を行い、Microsoftの承認を得る必要があります。申請の際は以下のポイントを押さえましょう。

  • 会社のメールアドレスを使用する(個人アドレスは不可)
  • 自分の組織に属するサブスクリプションIDを正確に入力する
  • フォームの利用規約をよく読み、内容を理解したうえで同意する
  • 個人利用の場合も、状況によっては申請できる可能性がある

申請が承認されれば、次のステップとしてモデルのデプロイに進むことができます。次回の記事では、実際にモデルを展開する手順を紹介します。