Copilot Studioで「エージェント」へ進化!長期記憶・アクション実行まで対応

この記事の内容

  • Microsoft Build 2024で発表された、CopilotのTeamアシスタント化・エージェント化について解説します
  • Copilotが個人アシスタントからチームアシスタントへ、さらに自律的なエージェントへと進化する仕組みを紹介します
  • 従業員オンボーディングのデモを通じて、トリガー設定・ナレッジ参照・アクション実行の具体的な動作を説明します
  • 長期的な文脈を保持しながら複数日にわたってプロセスを回す「長期記憶」機能のデモ内容を紹介します
  • Copilot Studioを使ったカスタマイズと改善フィードバックの仕組みについて解説します

CopilotがTeamアシスタントへ

Microsoft Build 2024では、Copilotが個人アシスタントからチームのアシスタントへと進化するという発表がありました。

具体的には、ミーティングのファシリテーターを担ったり、グループでのコラボレーションをサポートしたり、プロジェクトマネージャーとして機能したりすることが可能になります。Teams、Planner、Loopなど、さまざまな場所でチームのメンバーとして動作できるようになるとのことです。


さらに一歩進んで「エージェント」へ

Teamアシスタントの段階からさらに進んで、CopilotはAIエージェントとしてもう1人の人間のように生産的に振る舞う段階へと向かっています。

このエージェントはCopilot Studioを使ってカスタマイズすることができ、具体的にどのような仕事をするのかをユーザーが定義します。


デモで見るオンボーディングエージェントの仕組み

発表内で紹介されたデモでは、新入社員のオンボーディングを担うエージェントが紹介されました。以下の流れで設定・動作します。

1. 目的・ゴールの定義

まず、Copilotにどのような仕事をしてほしいかを伝えます。デモでは「新しく入社した従業員に対して、そのロールに応じたトレーニングやリソースをおすすめすること」が指示として与えられていました。担当する役割によってやるべきことが異なるため、ロールごとに適切な情報を提示するよう定義されています。

2. トリガーの設定

エージェントはどのタイミングで動き出すかを複数登録できます。デモで設定されていたトリガーの例は以下の通りです。

  • 新しい従業員が採用されたことを認識したとき
  • 従業員のオンボーディングサーベイが完了したとき

3. ナレッジの参照先

エージェントが使う情報ソースを指定することもできます。デモでは、LinkedInラーニングのコンテンツへのリンクや、トレーニングベンダーの情報などが登録されており、「すべての情報ではなく、ここに指定された情報だけを使って回答すること」という絞り込みが可能でした。

4. 実行できるアクション

単にテキストで返答するだけでなく、以下のような具体的なアクションを実行する許可を与えることができます。

  • 会議招集メールの送信
  • リソースガイドの作成
  • トレーニングプランを採用マネージャーへ送付
  • トレーニング登録の手続き

これはPower Automateなどで作成するフローを実行させるイメージに近く、Copilotにフロー実行の許可を与えるような仕組みになっているようです。


長期記憶で複数日のプロセスを管理

このデモで特に注目すべきポイントは、長期的な文脈を保持してプロセスを継続的に管理できる点です。

デモでは「Miel」という新入社員に対して、オンボーディングコパイロットアシスタントが7日目に話しかけているシーンが紹介されました。

  • 1日目から6日目までに何をしてきたかを把握した上で、7日目にやるべきトレーニングのオプションを提示
  • オンボーディングアンケートの結果を参照してレコメンドを生成
  • 「2週間後にこのイベントがあるので、1週間前にリマインドを送る」という形で、将来のスケジュールを意識した行動計画も実行

1回聞いて1回答えて終わりではなく、立ち上がるまでの数週間・数ヶ月にわたって継続的にサポートするという動作が実現されています。


複数チャンネルへの展開

作成したエージェントは複数のチャンネルに対して公開することができます。対応チャンネルの例は以下の通りです。

  • Microsoft Copilot
  • Microsoft Teams
  • ウェブサイト
  • Slackチャンネル
  • LINE

標準機能として多様なチャンネルへの展開が用意されているとのことです。


フィードバックによる改善

エージェントは動作状況のモニタリングとフィードバックに基づく改善にも対応しています。

デモでは、有償トレーニングの承認率が低下しているという状況を検知し、ユーザーが「シニアセールスロールの人からのリクエストだけ承認されるように変更してほしい」と指示を出したところ、Copilotがその変更内容を反映してくれるというシナリオが紹介されました。

全体のフローを俯瞰しながら「この部分を直したい」と伝えると修正してくれる、というCopilot Studioを使ったカスタマイズの流れです。


まとめ

Microsoft Build 2024では、Copilotが以下の段階的な進化を遂げることが発表されました。

  1. 個人アシスタント → これまでのCopilot
  2. チームアシスタント → ミーティングのファシリテーションやコラボレーション支援
  3. エージェント → 役割を持ち、長期的なプロセスを自律的に管理・実行

Copilot Studioを使えば、目的・トリガー・ナレッジ・アクションを定義することで、業務に特化したエージェントをカスタマイズできます。人手不足の解消や業務効率化において、AIエージェントの活用が広がりそうな流れを感じる発表内容でした。引き続き、この分野の動向に注目していきたいところです。