Azure Active DirectoryはMicrosoft Entra IDに名前が変わります
この記事の内容
- Azure Active Directory(Azure AD)が「Microsoft Entra ID」に名前変更されます
- 名前が変わるだけで、ユーザー側で特別な対応は不要です
- ライセンス名・機能名も含めてすべてEntra IDブランドに統一されます
- 2023年8月ごろから段階的に変更が始まり、2023年末までに完了予定です
- 既存のPowerShellコマンドやプログラムへの影響は最小限とされています
Azure ADがMicrosoft Entra IDになります
Microsoftは、Azure Active Directory(Azure AD)を「Microsoft Entra ID」へ名称変更することを発表しました。
名前が変わると聞くと「何か対応が必要?」と思われるかもしれませんが、基本的には名前が変わるだけです。Microsoftは「Only the name is changing」と明言しており、ユーザー側で特別な作業をする必要はありません。
何がどう変わるのか
ライセンス名の変更
主なライセンスは以下のように名称が変わります。
| 変更前 | 変更後 |
|---|---|
| Azure AD Free | Microsoft Entra ID Free |
| Azure AD Premium P1 | Microsoft Entra ID P1 |
| Azure AD Premium P2 | Microsoft Entra ID P2 |
機能名の変更
製品名だけでなく、個々の機能名も変更されます。
| 変更前 | 変更後 |
|---|---|
| Azure AD 条件付きアクセス | Microsoft Entra 条件付きアクセス |
| Azure AD MFA | Microsoft Entra MFA |
このように、「Azure AD」が含まれていた機能名はすべて「Microsoft Entra」ブランドに統一されます。社内ドキュメントや手順書にAzure ADという記述が多い場合は、ゆくゆく読み替えや更新が必要になる点に注意が必要です。
いつから変わるのか
2023年8月ごろから、管理ツールなどの画面上で順次名前が切り替わっていきます。2023年末までにはすべての箇所でMicrosoft Entra IDという名称に統一される予定です。
なぜ名前を変えるのか
もともと「Microsoft Entra」はMicrosoftのID・アクセス管理製品ファミリーの総称でした。当初は以下の3製品でEntraファミリーを構成していました。
- Microsoft Entra Permissions Management
- Microsoft Entra Verified ID
- Azure Active Directory
この時点では、3製品のうち2つが「Microsoft Entra ○○」という名前なのに、1つだけ「Azure Active Directory」という別の体裁になっていました。その後Entraファミリーの製品が増えていくにつれ、1製品だけ名前が異なるという状態がより目立つようになってきました。
今回の名称変更により、Entraファミリー全体で名前が統一され、「Microsoft Entra IDを使っているなら、他のEntra製品とも連携できる」という認識が直感的に伝わりやすくなります。
名前が変わることの意味
Azure Active Directoryという名前には、オンプレミスのActive Directoryからクラウドへの移行を後押しする効果がありました。Active Directoryに慣れ親しんだユーザーが「Azure Active Directory」という名前を見たとき、「自分が使っているオンプレのActive Directoryとつながりそう」と直感的に感じやすかったのです。
一方、多くの組織がクラウド移行を果たした現在では、「Azure ADを使っているということは、Entraファミリーのさまざまな製品とも連携できる」という方向性を打ち出す方が、より自然なブランド戦略になります。Microsoftがこのタイミングで名称を統一したのは、そういった意図もあるものと推測されます。
PowerShellコマンドや既存プログラムへの影響
「Azure AD」という文字列を含むPowerShellコマンドや既存プログラムについては、大きな変更は行わない方針とされています。コマンドのエイリアス対応など、具体的な対応方法については今後明らかになってくると見られます。
いずれにせよ、現時点では既存のプログラムやスクリプトに手を加える必要はないとMicrosoftは述べています。
注意しておきたいこと
名称変更後しばらくの間は、過去のドキュメント・手順書・個人ブログなどに「Azure AD」という記述が数多く残ります。管理画面上は「Microsoft Entra ID」と表示されているのに、参照している手順書には「Azure AD」と書いてある、といった状況が発生する可能性があります。
混乱を避けるために、「Azure AD = Microsoft Entra ID」と読み替える習慣をつけておくとよいでしょう。
まとめ
- Azure Active DirectoryはMicrosoft Entra IDに名称変更されます
- ユーザー側での対応は不要で、名前が変わるだけです
- ライセンス名・機能名もすべてMicrosoft Entraブランドに統一されます
- 2023年8月から段階的に変更が始まり、2023年末までに完了予定です
- 既存のPowerShellコマンドやプログラムへの影響は最小限とされています
- 古いドキュメントにはAzure ADという記述が残るため、読み替えが必要な場面があります
Entraファミリーは今後も新しい製品が追加されていく予定ですので、Microsoft Entra IDを起点にしてファミリー全体の動向にも注目していきましょう。