【目指せMicrosoft MVP!】具体的な戦略を考える

この記事の内容

  • Microsoft MVPを目指すために必要な活動の全体像を解説します
  • アワードの「カテゴリ集中戦略」がMVP受賞への近道である理由を説明します
  • ブログ執筆だけでなく、コミュニティ活動・登壇・書籍出版など複数の手段を紹介します
  • 活動の記録と申請時の見せ方についての実践的なアドバイスをまとめます
  • 実際にMVPを2度落選した経験から得た知見と、受賞につながった戦略を共有します

はじめに

Microsoft MVP(Most Valuable Professional)アワードの受賞を目指している方にとって、「何をどのくらいやれば受賞できるのか」は非常に気になるポイントです。今回は、Microsoft Azure カテゴリでMVPを受賞されている方が、MVP取得を目指す木村さんに対して具体的な戦略をアドバイスした対談の内容をお届けします。


直近1ヶ月の活動報告

木村さんはMVPを目指すと宣言して以来、約3週間連続でブログ記事を書き続け、合計22記事ほどを公開されました。記事の内容は大きく2つのカテゴリに分かれていました。

Azureカテゴリの記事

  • Azure Stack HCI に関する解説
  • Azure CLIで使えるコマンドのTips
  • Azure IoT EdgeをWindowsやRaspberry Piにインストールする手順
  • AzureのKubernetesや各種機能の使い方

Power Platformカテゴリの記事

  • Power AutomateやPower Virtual Agentsを使ったTeams上でのメール送信
  • OpenAI連携の実践記事

1記事あたり翌日に約300ビューを集めているとのことで、「書き始めの段階でこれは相当な好スタートです」と太鼓判が押されていました。一般的にはブログを書いても最初は1日1桁のビュー数しかつかず、心が折れてしまうことが多いといいます。


SEOと流入分析も意識しよう

ビュー数が増えてきたら、次はどの経路から読者が来ているのかを分析することが重要です。SNS(Twitter/X)経由なのか、検索エンジン経由なのかによって、打つべき施策が変わってきます。

Googleアナリティクスなどを導入して、以下のような指標をトラッキングすると効果的です。

  • 流入経路(SNS・検索エンジン・直接流入など)
  • 滞在時間
  • 他の記事への回遊率

ただし、SEO対策は「やりすぎも良くない」とのこと。良いコンテンツを書けば自然と読まれるという側面もあるため、分析はあくまで補助的に活用するのがおすすめです。


MVPプログラムの仕組みを正しく理解する

MVP受賞を目指す上で、まずはプログラムの仕組みを正確に把握することが欠かせません。Microsoft MVPアワードの公式ページには「MVPを受賞するには」という説明が掲載されており、その中でも特に重要なのが**「コミュニティのリーダーシップと影響力」**という要素です。

コミュニティというと、何かの名前がついたコミュニティを作って、メンバーを集めて勉強会を開催する、というイメージが強いかもしれません。それが必須というわけではありませんが、申請時に「このコミュニティをリードしており、月1回の勉強会を開催、参加者は〇名」と明確に示せると、審査上非常にわかりやすくなります。

また、MicrosoftとMSの製品担当チームへのフィードバックも審査において強い要素になります。外には出せない社内の活動であっても、誰のどのチームにどんなフィードバックを行ったかをきちんと記録しておき、申請時に盛り込めるようにしておくことが大切です。


最重要:カテゴリを1つに絞る

今回の対談で最も重要なポイントとして挙げられたのが、**「活動するカテゴリを1つに絞ること」**です。

MVPアワードにはカテゴリが存在しており、たとえば「Microsoft Azure」「Development」「Business Applications(Power Platform)」などに分かれています。審査は各カテゴリで独立して行われるため、異なるカテゴリの活動は足し算されません

たとえば、AzureとPower Platformの両方で活動していても、それぞれの活動量が単独で評価されます。「Azureの活動+Power Platformの活動=Azureカテゴリでの受賞」にはならないのです。

複数カテゴリで受賞している方(ダブル受賞など)もいますが、それはそれぞれのカテゴリ単独で評価されて両方受賞できるだけの活動量がある方です。

戦略の基本は以下の通りです。

  1. 自分が受賞を目指すカテゴリを1つ決める
  2. そのカテゴリに活動を集中させる
  3. 他のカテゴリのネタを扱う場合は、メインカテゴリと絡めてコンテンツを作る

たとえばAIに関する記事や動画を作る場合でも、Azureカテゴリで申請するなら「Azure上でのAI活用」として仕立てる、というアプローチが効果的です。申請時に審査担当者がコンテンツのタイトルや概要をさっと確認する際に、違和感のない構成になっていることが重要です。


ブログだけでは足りない?複数の活動の組み合わせを考える

ブログ執筆は非常に重要な活動の柱ですが、「ブログだけでは足りない」という認識も持っておく必要があります。すでにMVPとして活躍されている方の活動と比べると、ブログ執筆のみではボリュームが不足していると感じることも多いようです。

アドバイスをされていた方自身も、過去に2回落選した経験を持っています。当時はブログ執筆とTwitter・Facebookなどのフォロワー確保をメインの活動としていましたが、それだけでは受賞に至りませんでした。

そこで取られた追加の施策が以下の2つです。

書籍の出版 ブログと比べて「1段上」のアウトプットとして、書籍出版に取り組みました。プライベートの時間に勉強会へ参加したり登壇したりすることが難しい状況でも、書籍という形は比較的取り組みやすい選択肢でした。

会社のサポートを得て業務時間内に活動する 技術コミュニティを立ち上げて運営・登壇するといった活動を、業務時間の中で行えるよう会社に交渉しました。プライベートの時間を使わずにコミュニティ活動を実現するための工夫です。


戦略立案の考え方:「作文」から逆算する

MVP申請時には、自分の活動内容を文章にまとめて提出します。この「作文」を実際に書いてみることが、戦略立案における有効な手法です。

「〇〇というコミュニティをリードし、△回の勉強会を開催、延べ参加者□名。ブログは年間△本投稿し、月間ビュー数は約□件。Azure関連のフィードバックを担当チームに□回提供しました」

このような文章を書いてみたとき、「まだ足りないな」と感じる部分が、これから取り組むべき活動になります。逆に「これは書けそうだ」と思える活動は、現状すでに持っている強みです。

重要なのは、新しいことを無理に増やすのではなく、すでにやっていることや好きなこと・自然にできることを申請の文章に盛り込めないかを考えることです。たとえば外には出せない業務上のフィードバック活動なども、うまく整理して盛り込めると活動の厚みが増します。


まとめ

今回の対談から、Microsoft MVP取得を目指すための戦略として以下のポイントが整理されました。

  • カテゴリを1つに絞って活動を集中させることが最も基本的かつ重要な戦略です。異なるカテゴリの活動は足し算されません
  • コミュニティのリーダーシップが評価の中核。勉強会の主催や登壇実績があると申請時に説得力が増します
  • Microsoftへのフィードバック活動も重要な評価要素のため、誰にどんなフィードバックをしたか記録を残しておきましょう
  • ブログ執筆は重要な活動の柱ですが、書籍出版・コミュニティ活動・登壇などと組み合わせることで活動の厚みが増します
  • 申請時の「作文」を逆算して考え、自分がすでにやっていることをどう盛り込むかを工夫することが現実的な戦略です

MVP取得は一朝一夕ではなく、継続的な活動の積み重ねが求められます。まずはカテゴリを決めてブログを書き続けることを軸に、自分のペースで活動の幅を広げていくことが大切です。