ThinkPad X1 CarbonのCMOSバッテリーを交換してみた
この記事の内容
- ThinkPad X1 Carbonを久しぶりに起動したところ、起動時に「Check Date & Time Settings」「System CMOS checksum bad」というエラーが表示されました
- このエラーの原因はCMOSバッテリーの消耗であり、バッテリーを交換することで解決できます
- CMOSバッテリーはCR2016型のリチウムボタン電池で、コネクター付きのケーブルタイプのものが必要です
- ノートPCの分解は多数のコネクターやケーブルの取り外しが必要で、事前に写真を撮って記録しておくことが重要です
- 交換後は日付・時刻を一度設定すれば、次回起動から正常に起動することを確認できました
症状:起動時にエラーが表示される
しばらく使っていなかったLenovo ThinkPad X1 Carbonを久しぶりに起動したところ、次のようなメッセージが表示されて正常に起動しませんでした。
Escキーを押してもまた同じ画面に戻ってしまい、無限ループ状態になってしまいます。
応急処置:BIOSで日付・時刻を設定する
とりあえず起動させたい場合は、F1キーを押してBIOSセットアップ画面に入り、日付と時刻を手動で設定することで起動できます。
- 起動時に F1 キーを押してBIOSセットアップに入る
Date & Timeの項目を開く- 「System Date」が 2001年1月1日 になっているため、正しい日付を入力する
- 同様に時刻も正確な値に設定する
- F10 キーで設定を保存して再起動する
これにより、その場はWindowsが起動するようになります。ただし、電源を切るたびに同じ作業が必要になるため、根本解決にはなりません。
原因:CMOSバッテリーの消耗
このエラーの原因は、マザーボードに内蔵されている CMOSバッテリー の消耗です。CMOSバッテリーは、BIOSの設定情報や日付・時刻を保持するための小型電池です。このバッテリーが消耗すると、電源を切るたびに日付・時刻などの情報が失われてしまいます。
根本的に解決するには、CMOSバッテリーを新しいものに交換する必要があります。
交換に必要なバッテリーを調べる・購入する
ThinkPad X1 Carbonから取り出したCMOSバッテリーを確認すると、CR2016 というリチウムバッテリーでした。ただし、通常のコイン型ボタン電池ではなく、コネクター付きのケーブルが伸びているタイプ のため、同じ形状のものを購入する必要があります。
Amazonなどで「ThinkPad X1 Carbon CMOS電池交換」と検索すると、対応した製品の情報が見つかります。購入時の注意点は以下の通りです。
- 2穴タイプと3穴タイプがあるため、コネクターの形状を確認する
- 極性(プラスマイナスの向き) が異なる製品があるため注意が必要。購入したバッテリーの黒いケーブルが左側にあるかどうかを、元から取り付けられていたバッテリーと見比べて確認する
- 極性が逆の場合でも、自分でコネクターを付け替えれば対応できるという情報もあります
今回はブログ記事で紹介されていた製品(HP Mini / netbook Series用として販売されているもの)を購入しました。価格は約800円前後です。
分解手順:バッテリーを取り出す
注意: 分解前に必ず電源を切り、ACアダプターを外してください。また、各ケーブルやコネクターの位置を事前にスマートフォンなどで撮影しておくことを強くおすすめします。後から元に戻す際に非常に役立ちます。
1. 背面パネルを外す
ノートPCを裏返し、背面のネジをすべて取り外します。ネジを外すとパネルが開きます。なおネジはパネルから脱落しない構造になっているため、紛失の心配はありません。
2. 内部の確認とバッテリーの取り外し
パネルを開けると大型のメインバッテリーが目に入ります。CMOSバッテリーはマザーボードの裏側に配置されているため、以下の部品を取り外していく必要があります。
- メインバッテリー
- SSD
- Wi-Fiモジュール
- 各種ケーブルとコネクター
- マザーボード
3. コネクターの外し方
フレキシブルケーブル(FFC/FPC)のコネクターは、ロックを先に開いてからケーブルを引き抜く構造になっています。コネクターのロック部分を上に起こしてから、ケーブルをスライドさせて抜くのが正しい手順です。ロックを開かずに無理に引っ張ると破損する恐れがあるため注意が必要です。
4. CMOSバッテリーを取り出す
マザーボードを取り外すと、テープで固定されたCMOSバッテリーが見えてきます。コネクターを引き抜き、テープをはがすことで取り出せます。
バッテリーの交換と組み立て
バッテリーの取り付け
購入した新しいCMOSバッテリーのコネクターを、マザーボード上のソケットに差し込みます。コネクターには向きがあり、上下を逆にすると刺さらないため、向きを確認しながら差し込んでください。
取り付け後は、元の位置に両面テープで固定します。
組み立ての注意点
元通りに組み立てる際は以下の点に注意してください。
- 事前に撮影した写真を見ながら、ケーブルの接続先と取り回しを確認する
- フレキシブルケーブルのコネクターは、ロックを上げた状態でケーブルを差し込み、ロックを下ろして固定する
- SSDなどの部品を差し忘れないように確認する
- ネジのサイズが異なるものが混在している場合があるため、元の位置に戻すよう注意する
動作確認
組み立て後にACアダプターを接続して電源を入れると、起動時に「System CMOS checksum bad」のメッセージが表示されます。これは初回のみの表示です。
BIOSセットアップ(F1)で日付・時刻を正しく設定して保存すると、Windowsが起動します。
その後シャットダウンし、再度電源を入れたところ、エラーメッセージが表示されず正常に起動しました。CMOSバッテリーの交換が成功したことを確認できました。
まとめ
ThinkPad X1 CarbonのCMOSバッテリーは、CR2016型のコネクター付きリチウムバッテリー です。消耗すると起動時に日付・時刻のエラーが表示されるようになりますが、バッテリーを交換することで解消できます。
分解にあたっては次の点を押さえておくと作業がスムーズです。
- 分解前に各部品の配置を写真に記録しておく
- フレキシブルケーブルのコネクターはロックを確認してから抜き差しする
- 購入するCMOSバッテリーはコネクターの形状と極性を確認してから選ぶ
- 両面テープをあらかじめ用意しておくと固定がスムーズ
部品代は数百円〜1,000円程度で済むため、同様の症状でお困りの方はぜひ試してみてください。