ChatGPT vs Bing AI Chat どっちが優秀?同じ質問で徹底比較

この記事の内容

  • ChatGPTとBing AI Chatに同じ質問を投げ、回答の質と特徴を比較します
  • 人物情報の正確性、創作文章、コード生成など多様な観点で検証します
  • Bingは「Web検索連動の正確性」、ChatGPTは「コード生成や詳細な回答」に強みがあることが見えてきます
  • どちらか一方が「勝ち」ではなく、用途に応じた使い分けが重要です
  • AIの特性を理解した上で活用することの大切さを実感できる内容です

はじめに

ChatGPTとBing AI Chatという2つのAIチャットサービスに、まったく同じ質問を投げかけて比較してみました。どちらが優れているかという単純な話ではなく、それぞれの得意・不得意を把握することで、より上手に活用できるようになることを目指します。


検証1:人物情報の正確性

まずは「胡田昌彦について教えてください」という質問を投げてみました。

Bing AI Chatの回答:

  • Microsoft AzureのエキスパートであありMicrosoft MVPに選ばれた人物であること
  • 「Windowsインフラ管理者入門」という書籍の著者であること
  • 参照ソースとして、MVPプロフィールサイトや公式な会社記事、AmazonのAmazon書籍ページが明記されていました

この回答は完全に正確な内容でした。Webに公開されている情報をソースとして参照し、裏付けのある正しい情報を返してくれています。

ChatGPTの回答:

  • 「日本の哲学者で東京大学名誉教授」という、完全に誤った情報を返してきました

これはChatGPTの大きな特徴であり、注意点でもあります。もっともらしい文体で、しかし完全に誤った情報(いわゆる「ハルシネーション」)を生成してしまいます。知らない分野でこの回答を鵜呑みにしてしまうと、誤情報をそのまま使ってしまう危険性があります。

この検証の結論: 実在する人物や事実確認が必要な情報を調べるなら、Web検索と連動しているBing AI Chatの方が信頼性が高いといえます。


検証2:創作文章(村上春樹風の小説冒頭)

「村上春樹になって、新作の冒頭部分を300字程度で出力してください」という質問をしてみました。

Bing AI Chatの回答:

村上春樹に関するWikipediaの情報を引用しつつ、新作小説の刊行予定についても触れた上で、「著作権の観点から実際の冒頭部分は出力できないが、村上春樹の作品に出てくる架空の小説の冒頭部分を生成します」という断りを入れた上で、それっぽい文章を生成してくれました。

ChatGPTの回答:

最初は「村上春樹ではないので書けない」と断ってきました。再度お願いしたところ、「我輩は猫である」という明らかなパクリのような文章を生成してしまいました。村上春樹の作品に触れてきた立場からすると、まったく雰囲気が異なる内容でした。

この検証の結論: 創作的な文章生成の質という点では、Bing AI Chatの回答の方が期待に近い内容でした。


検証3:ブログ記事作成のスケジュール

「ブログ記事を書くときのスケジュールを作ってほしい」という質問をしてみました。

Bing AI Chatの回答:

  • トピック・タイトル決め
  • 情報収集・メモ
  • 情報整理・構成考案
  • 本文執筆
  • 見出し修正

端的にまとめられていましたが、シンプルすぎてやや物足りない印象でした。

ChatGPTの回答:

より詳細なステップを提示してくれました。

  1. 過去記事や関連記事を調査する(30分)
  2. タイトル・サブタイトル・段落の順序を含むアウトラインを作成する(15分)
  3. アウトラインの最初のパラグラフのみを書く
  4. 次のセクションへ進み、段落を埋めていく(引用や参考文献も追加)
  5. 全体の論理的な流れ・スタイルを見直し、誤字脱字・文章構成を修正する
  6. 最終チェックを行い、画像やリンクを追加してから投稿する

アウトラインを先に固めてから執筆するというアプローチは、質の高い記事を書くためのワークフローとして非常に参考になりました。

この検証の結論: この質問ではChatGPTの方が実用的で勉強になる回答でした。Bingが高性能なエンジンを搭載しWebも参照できるからといって、常にBingの方が優れているわけではないことがわかります。


検証4:ブログ記事の冒頭文を生成する

「ChatGPTとBingを比較するブログ記事の冒頭部分を300字程度で書いてください」という依頼をしてみました。

どちらも回答を生成してくれましたが、どちらの回答にも注意点がありました。

  • 依頼していない「どんな質問をしてどんな回答があったか」まで自動的に創作して出力してきました
  • 生成された文章の中に「2023年にオリンピックが開催される国はどこか」という例が含まれており、実際のオリンピック開催情報(2024年・パリ)と異なる内容が含まれていました

Bingは回答に「参考文献を添えています」と表記しますが、その参照先がチャットGPT vs Bingの比較記事であり、オリンピック開催情報の裏付けにはなっていませんでした。

この検証の結論: どちらも「それっぽい文章」を生成する能力は高い一方で、自分がよく知っている領域で使い、内容を自分でレビューしながら活用することが重要です。


検証5:曖昧な日記からのタスク抽出

セッションに参加したけどうまくいかなかった、というふわっとした日記的な文章から「タスク化してください」という指示を出しました。

Bing AI Chatの回答:

「タスク化とはどういう意味ですか?」と逆に質問してきました。説明を加えた後にはそれなりの回答が返ってきましたが、期待とは異なる内容でした(「練習したフレーズを思い出す」など、具体性に欠ける内容)。

ChatGPTの回答:

曖昧な入力に対して、期待通りの具体的なタスク一覧を返してくれました。

  • 練習計画を立てて時間帯と頻度を決める
  • 進捗を記録する方法を決める
  • 練習環境と機材を整える
  • 弱点となっている箇所を特定し、集中的に練習する
  • 練習時間を短く区切り、集中して取り組む
  • 録音機材で演奏を録音し、聞き直して改善点を確認する

ふわっとした入力から、これだけ具体的なタスクを引き出せるのは非常に実用的です。

この検証の結論: 曖昧な自然言語からのタスク抽出はChatGPTが得意でした。


検証6:コード生成(JavaScriptでテトリス)

「JavaScriptでテトリスを作りたい。具体的に動作可能なコードを生成してください」という依頼をしました。

Bing AI Chatの回答:

最初は動作可能なコードを生成せず、GitHubやサンプルサイトへのリンクを提示してきました。「スタンダードなものをお願いします」と追加指示を出すと、コードの一部を示してくれましたが、途中で省略されており、そのままコピーして動作させることはできませんでした。

ChatGPTの回答:

HTML・CSS・JavaScriptをまとめた形でコードを生成してくれました。途中で一度止まりましたが、続きを依頼したところ生成を完了してくれました。HTMLファイルとしてそのままブラウザに貼り付けると、ボールが画面内で跳ね返るシンプルなデモが実際に動作しました。

<!-- ChatGPTが生成したHTMLの構造(例) -->
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
  <style>/* CSSをここに記述 */</style>
</head>
<body>
  <canvas id="canvas"></canvas>
  <script>
    // JavaScriptのゲームロジックをここに記述
  </script>
</body>
</html>

コピーしてそのまま動作するコードを返してくれるという点で、ChatGPTが明確に優れていました。

この検証の結論: コード生成においてはChatGPTの方が実用的です。


検証7:ビジネスKPIの比較

「MicrosoftとAmazonとGoogleの主要KPIを比較してください」という質問をしました。

Bing AI Chatの回答:

Web検索を活用してそれっぽい情報を取得し、ソースへのリンクを添えて回答してくれました。提示された情報の裏付けはリンク先を確認することで行えます。

ChatGPTの回答:

それっぽいKPI情報を生成してくれましたが、情報が正しいかどうかの確認手段がなく、内容の正確性が不透明です。

この検証の結論: 事実確認が必要なビジネスデータを扱う場合は、ソースを提示してくれるBingの方が安心感があります。


まとめ

今回の比較を通じて、それぞれの強みと弱みが明確になりました。

用途優れているAI
実在する人物・事実の確認Bing AI Chat
Web情報のサマリーBing AI Chat
コード生成ChatGPT
曖昧な入力からのタスク抽出ChatGPT
詳細なステップの説明ChatGPT
創作文章Bing AI Chat

どちらかが絶対的に優れているわけではなく、用途に応じた使い分けが重要です。

また、両者に共通して言えることとして、もっともらしい嘘をついてしまう可能性があるという点は常に意識しておく必要があります。特にChatGPTは、自分が知らない分野の情報を鵜呑みにしてしまうと誤情報を信じてしまうリスクがあります。自分がよく知っている分野でレビューしながら使う、あるいはBingで裏取りをするといった使い方が現実的です。

AIツールが次々と登場する中で、それぞれの特性を理解し、目的に合わせて使い分けられる人が、そうでない人に比べて圧倒的に高い生産性を発揮できる時代になってきています。ぜひ各AIの特徴を把握した上で、日々の業務や学習に活かしてみてください。