【Azure更新情報】2023年1月28日更新分まとめ

この記事の内容

  • クラシックVM(Azure Service Manager)の廃止期限が2023年9月1日に延長
  • AKSハイブリッドクラスターでコンテナーインサイトのパブリックプレビューが開始
  • PUT Blobの最大サイズが256MBから5GBに拡大(GA)
  • WindowsアプリサービスでAzureストレージファイル共有のマウントがGA
  • アプリケーションセキュリティグループ(ASG)のプライベートエンドポイントサポートがGA
  • インダイレクトEA契約のAzureコスト管理がAzureポータルへ移行(EAポータルは2023年2月20日廃止)
  • ウルトラディスクストレージの増分スナップショットがパブリックプレビュー開始

1. クラシックVM(Azure Service Manager)廃止期限の延長

クラシックVMのリタイアメントに関するアナウンスです。Azure Service Manager(旧来のサービス管理方式)から Azure Resource Manager への移行期限が延長され、2023年9月1日までに移行を完了させる必要があります。

Azure Service Managerは非常に古いAzureのサービス提供方式であるため、最近Azureを始めた方や、すでにAzure Resource Managerへ移行済みの組織には影響がありません。まだ移行が完了していない組織は、早めに対応することをお勧めします。

移行手順はドキュメントに従って実施することで、大きなリスクなく進めることができます。


2. AKSハイブリッドクラスターのコンテナーインサイトサポート(パブリックプレビュー)

Azure Kubernetes Service(AKS)のハイブリッドクラスター、すなわちオンプレミスや他のクラウド上でAzure Arcによって管理されているAKSクラスターに対して、コンテナーインサイトのサポートがパブリックプレビューとして開始されました。

コンテナーインサイトで利用できる主な機能は以下のとおりです。

  • コンテナやリソースの使用率・使用量の確認、ボトルネックの特定
  • コントローラーやPodのパフォーマンスの全体表示と分析
  • 閾値を定義してアラートを送信するアラート機能の構成

なお、アナウンスではAzure Stack HCI上のAKSが対象として記載されていますが、AKS on Azure Stack HCIとWindows Server上のAKSはほぼ同等の扱いであるため、Windows Server上のAKSも対象となる見込みです。


3. PUT Blobの最大サイズが5GBに拡大(GA)

Azure Blob Storageに関して、PUT Blob操作における1回の書き込みで扱える最大Blobサイズが256MBから5GBに拡大されました。これは約20倍の拡張となります。

PUT Blob APIは、新しいブロックBlobやアペンドBlobを作成する際に最初に呼び出されるAPIです。このサイズ拡張により、より大きなデータを1回のオペレーションで書き込めるようになりました。


4. WindowsアプリサービスでのAzureストレージファイル共有マウントがGA

Windowsの非コンテナアプリサービスにおいて、Azureストレージのファイル共有をネットワーク共有としてマウントする機能が正式にGA(一般提供)となりました。

この機能を活用することで、以下のようなシナリオに対応できます。

用途説明
永続ストレージアプリサービスが停止・再起動しても消えない永続的なデータ保存先として利用
仮想ディレクトリアプリケーション本体をファイル共有に配置してマウントし実行
静的コンテンツ配信画像や動画などの静的コンテンツをファイル共有から提供
ログ保存アプリケーションログやアーカイブの保存先として活用
複数アプリ間のデータ共有複数のアプリサービスや他のAzureサービスとコンテンツを共有

TransactionOptimizedやPremiumといったパフォーマンス層も利用できるため、パフォーマンス要件が高いシナリオにも対応できます。なお、Azure Storageのファイル共有であるため複数の場所からアクセスが可能ですが、データの整合性には注意が必要です。


5. アプリケーションセキュリティグループ(ASG)のプライベートエンドポイントサポートがGA

アプリケーションセキュリティグループ(ASG)がプライベートエンドポイントをサポートするようになり、正式GA(一般提供)となりました。ジャパンイーストおよびジャパンウエストを含む多くのリージョンで本番利用が可能です。

ASGの概要

ASGは、VMのネットワークインターフェース(NIC)に対してWebサーバー・アプリサーバー・DBサーバーといった「役割」を定義し、ネットワークセキュリティグループ(NSG)のルールにおいてIPアドレスの代わりにその役割を送信元・宛先として指定できる機能です。

例えば以下のようなルールを定義できます。

  • ASG-Web への ポート80 アクセスを許可
  • ASG-Logic から ASG-DB へのアクセスを許可
  • それ以外から ASG-DB へのアクセスを拒否

今回のアップデートにより、このASGによる細かいアクセス制御がプライベートエンドポイントに対しても適用できるようになりました。

有効化の手順

この機能を利用するには、サブネットレベルで以下のプロパティを有効にする必要があります。


6. インダイレクトEA契約のAzureコスト管理がAzureポータルへ移行

マイクロソフトパートナー経由でエンタープライズ契約(EA)を締結しているインダイレクトEA契約の組織向けに、Azureコスト管理(Azure Cost Management & Billing) がAzureポータルから直接利用できるようになりました。

主な変更点

AzureポータルからAzure Cost Management & Billingを使って以下の管理が行えるようになりました。

  • 課金階層(部門・アカウント)の作成と管理
  • サブスクリプションの作成
  • 毎月のAzure使用量の確認
  • 料金APIのアクセスキーの生成・管理

重要:EAポータルの廃止スケジュール

2023年2月20日をもって、EAポータル(Azure Enterprise Portal)はご利用いただけなくなります。EAポータルで手順書を整備して運用していた組織は、Azureポータル(Azure Cost Management)を使った手順へ早急に移行する必要があります。

なお、パートナー向けの移行日程については別途アナウンスが予定されています。


7. ウルトラディスクストレージの増分スナップショット(パブリックプレビュー)

Azure Ultra Disk Storageにおいて、増分スナップショット(Incremental Snapshots) のパブリックプレビューが開始されました。

現時点でプレビューが利用できるリージョンは以下のとおりです。

  • Sweden Central
  • West 3(一部リージョン)

日本リージョンへの展開は今後の対応となります。

増分スナップショットとは、前回のスナップショットから変更があった差分のみを対象とする方式です。毎回ディスク全体を処理するフルスナップショットと比較して、スナップショットの作成を大幅に効率化できます。

スナップショットの用途としては以下が挙げられます。

  • ディスクのバックアップ
  • スナップショットからの新しいディスク作成
  • Azureからオンプレミス環境へのデータダウンロード

まとめ

2023年1月28日のAzure更新情報では、廃止・移行に関する重要なアナウンスが2件含まれていました。

  • クラシックVM(Azure Service Manager) の移行期限は2023年9月1日まで延長されましたが、まだ移行していない組織は早急な対応が必要です。
  • EAポータル は2023年2月20日に廃止されます。インダイレクトEA契約の組織はAzureポータル(Azure Cost Management)への移行が急務です。

GA(一般提供)となった機能としては、PUT Blobのサイズ拡大(最大5GB)、WindowsアプリサービスへのAzureストレージファイル共有マウント、ASGのプライベートエンドポイントサポートの3件があり、いずれも本番環境での利用が可能になっています。

プレビュー機能としては、AKSハイブリッドクラスターのコンテナーインサイトとウルトラディスクの増分スナップショットが提供開始されており、今後の正式リリースに注目です。