【チャンネル登録者数2000人記念】胡田のIT業界でのキャリア形成作戦

この記事の内容

  • IT業界で20年以上やってきた筆者が、キャリア形成の方針と作戦を振り返る
  • 「1点突破より総合力」「マイナーな領域で勝負する」というキャリア戦略の考え方
  • 大学時代のアルバイト経験や就職選択が後のキャリアにどう影響したか
  • 継続的な学習・アウトプット・外部露出がもたらすプラスのループ
  • 好きなことを仕事にして継続することの重要性

はじめに

チャンネル登録者数が2,000人に到達しました。このチャンネルは主に企業で働くITプロの方をメインターゲットにしており、かなりニッチな内容です。それにもかかわらず、月平均100人のペースで登録していただいており、自分でも驚いています。

今回は、IT業界で20年強やってきた筆者が、どのようなキャリア形成の作戦でやってきたのか、何が良かったか、逆に何をやらなければ良かったか、そういった話をまとめていきます。どなたかの参考や教訓になれば幸いです。


キャリア形成の基本方針

まず、筆者が意識してきた方針を整理します。

  • なるべく早くからたくさんいろいろな経験をする
  • 1点突破ではなく、総合力で勝負する
  • あえてマイナーな領域で勝負する
  • 趣味と仕事が一緒の状態を作る
  • 継続する

この5つが軸になっています。それぞれの背景にある考え方を以下で説明していきます。


大学での気づき:自分の限界と総合力の重要性

筆者は筑波大学の情報学類でコンピューターサイエンスをきちんと学びました。この経験は「知識ベースの部分が全然違う」という意味で非常に良かったと感じています。

一方で、大学に入って周りを見渡すと、自分が「大したことない」ということがすぐに明らかになりました。ソフトウェアを書く能力や技術を極めて1点突破しようとしても、周りにはそれをはるかに上回る人たちがゴロゴロいたのです。

「1点で勝負するのではなく、総合力でいくしかない」

この考え方は大学に入ってすぐに固まり、それがそのまま現在のキャリアのベースになっています。

また、コンピューターを学ぶ環境では、人とのコミュニケーションが苦手な人も多かったことに気づきました。逆に言えば、「うまく話す」「人とうまくやる」という能力で差をつけられるということです。スポーツや音楽など、コンピューター以外の経験も含めた総合力が重要だと感じるようになりました。

ボランティアサークルという経験

大学ではコンピューター系のサークルではなく、社会福祉研究会というボランティアサークルに参加しました。100人以上の規模の団体で、副会長も務めました。施設に入って子供たちに勉強を教えたり、障害を持つ方とレクリエーションをしたりする活動を通じて、人とのつながりや偏見を持たない接し方など、コンピューターとは別の大切なことを学びました。


アルバイトで積んだ多様な経験

大学時代はさまざまなアルバイトをしました。これが後のキャリアにとって大きな社会勉強になっています。

  • デジタル写真屋さんでのWeb制作:プロのカメラマンの仕事を見ながら、Webサイトの作り方を学んだ
  • NPO団体のWebサイト作成:一人で要件定義から制作・納品まで担当
  • PCショップでの販売支援:フォトレタッチソフトの販促担当として全店舗トップの売上を記録した日もあった
  • つくばのベンチャー企業でのIT系雑用:ネットワーク構築やサーバー立ち上げなどを経験
  • 個人で仕事をしている方からの受注:WebのCGIプログラムで予約システムを作成・納品

これらの経験を通じて、IT系の仕事が本当に自分に向いているのか、どのレベルでできるのかを確かめることができ、お金も稼げて社会勉強にもなりました。


就職の選択:インフラ × Microsoft というニッチ戦略

就職にあたって、筆者はプログラムを書く仕事ではなくインフラエンジニアを選び、さらにMicrosoft系のインフラが多い会社に入りました。この選択はかなりニッチです。

大学ではUnix系の文化の方が「本物」とされ、Windowsは下に見られる傾向がありました。しかし筆者はあえてその逆を選びました。理由は以下の通りです。

  • Windowsが好きだったこと
  • Unix系はソースコードを見て深く掘れるが、競技人口が多く自分では太刀打ちできないと感じた
  • Microsoft/Windows系はメインストリームでありながら、ディープに行ける人が少ない=競技人口が少ない
  • 競技人口が少ない領域なら自分でも戦える

加えて、会社の規模も意図的に小さいところを選びました。大企業に入って大きなチームの一員として部分的に関わるよりも、小さい会社で小さいお客さんとやり取りしながら全体像を把握できる環境の方が、総合力が身につくと判断したためです。


成長を加速させた要因:良い師匠とひたすらな自己学習

入社1〜4年目の頃、周りにとても詳しくて教えてくれる人がいたことが非常に幸運でした。

わからないことを自分でも勉強しながら、その方がどういうツールを使っているか、デスクトップをどう配置しているか、どんな作業の仕方をしているかを横で見て学ぶ。「盗む」感覚で吸収することで、成長のスピードが大幅に上がりました。

一方で、教えてくれる人はずっと一緒にいられるわけではありません。最終的には自分で勉強し続けることが不可欠です。

「気合で理解する」という姿勢

誰も教えてくれないことも多くありました。たとえばダンプ解析やパケットキャプチャの読み方は、参考書もほとんどなく、情報を調べても難しい。それでも「気持ち悪くて知りたいから」という気持ちで、うまくいったときとそうでないときのパケットを徹底的に比べて見続ける。

何時間でも何日でも、分かるまでやめない。その姿勢を続けることで、人に教わらなくても理解できるようになっていきました。

「ロジックを理解すること」が最重要。人間が作ったものには必ず理屈がある。その作り手の意図を考えながら理解していくことが、次の理解を速くしていく。


継続的な学習が生む圧倒的な差

IT業界は新しいものがどんどん出てきます。勉強することは当たり前ですが、実際にちゃんと勉強し続けている人は意外と少ないのが現実です。

1日1時間の勉強を365日、それを何年も続ければ、やらない人との差は圧倒的に開いていきます。

  • 何かわからないことが出てきたら調べる・勉強する
  • 余裕があれば本を読む、実際に環境を作って動かしてみる
  • プログラムを書いてみる、手を動かして理解する

この積み重ねが「いろんなことがわかって繋がっていく」良いループを生み出します。

英語の重要性

情報の多くは英語で提供されています。会議やプレゼン、Microsoft系のセッション資料も英語が多い。学生時代は「テストで点を取るため」の勉強だったので効率が悪かったですが、社会人になってから「使う場面があるから勉強する」という動機に変わってからは、かけた時間が大きく活きるようになりました。英語はぜひ継続して勉強することをおすすめします。


アウトプットと外部露出の重要性

勉強したことを定着させる最も効率の良い方法は人に教えることです。アウトプットは学習効果を高めるだけでなく、自分の「宣言」にもなります。

  • 勉強会で発表すると決めてしまえば、やらざるを得ないので勉強が進む
  • 社内で「これをやります」と手を挙げて、そこから勉強するという逆順も有効

筆者は意識的に外部露出できる仕事を増やすようにしています。

  • インタビューを受けて記事になる機会には積極的に手を挙げる
  • イベントでの登壇も「やります」と言ってしまう
  • ブログ、YouTube、雑誌への寄稿など個人メディアでも発信

インターネットで名前を検索すると山ほどヒットする状態を作ることが、新しい仕事が入ってくる流れにつながっています。

コミュニティ活動を仕事に組み込む

個人の時間でやるコミュニティ活動を会社の仕事として認めてもらえる状況を作ることが、一石二鳥の効果を生みます。

  • 好きなことで勉強になる
  • アウトプットの場になる
  • 仕事の実績にもなる
  • 会社からの支援も得られる

このような状況を作れるのは稀ですが、狙えるなら積極的に狙うべきだと感じています。


継続こそが最強の武器

すべての活動において、最も難しく、最も重要なのが継続です。

  • 始める人はすでに上位1%
  • 1年続けられたらさらに上位
  • 10年・20年続けられる人はほとんどいない

小学生の頃からコンピューターに触れてきた筆者と、就職してから勉強を始めた人とでは、何十年もの差があります。投資した時間の量がそのままキャリアの差になっていきます。

続けるためには好きなことを見つけることが最重要です。好きだからやる→やるからうまくなる→うまくなるから楽しくなる→楽しいからまた続けられる、という良いループが回り始めます。


収益化への考え方

好きなことを続けていく中で、収益を生む手段を複数持つことも重要だと感じています。本の印税、YouTubeの収益化、コミュニティ活動など、本業以外の収入の柱を作ることで、万が一の際にも対応できる状態になります。

「会社がダメと言っているから」という理由だけでやらないのはもったいないです。法律や契約の枠を逸脱することはもちろんNGですが、自由な時間で好きなことを続けて、それが少し収益を生む可能性があるなら、まずやってみることが大切です。

うまくいかなくてもそれが普通。いろいろトライして、1つでも続けられるものが見つかれば十分です。心配しすぎず、まずやってみること。学生でも今すぐできることはたくさんあります。


まとめ

チャンネル登録者数2,000人を記念した今回の動画では、IT業界20年強のキャリアを振り返りながら、以下のような作戦・教訓を共有しました。

  • 総合力で勝負する:1点突破ではなく、コミュニケーション・技術・人間性など複数の要素を組み合わせる
  • マイナーな領域を選ぶ:競技人口が少ないところで戦うと、自分でも通用しやすい
  • とにかく早くから多くの経験を積む:アルバイトや課外活動を通じた実践が後で大きく効いてくる
  • ロジックを理解するまで諦めない:気合で調べ続けることで、教わらなくても理解できるようになる
  • 学習→アウトプット→外部露出のループを回す:この連鎖が仕事と成長の両方を加速させる
  • 好きなことを見つけて継続する:継続こそが最強の差別化要因

これらはIT業界に限らず、どんな分野でも通じる考え方です。「やってみてから考える」精神で、ぜひ一歩を踏み出してみてください。