WindowsをAzure AD参加(組織用)から個人用Microsoftアカウントに切り替える方法
この記事の内容
- Windowsを「組織用」に設定した後から「個人用」に戻す方法を解説します
- Azure AD参加(Azure AD Join)を解除し、Microsoftアカウントで利用できる状態にします
- 単純にMicrosoftアカウントを追加するだけでは不十分な理由を説明します
- ローカル管理者権限の付与とAzure AD切断の手順を順を追って紹介します
- 最終的には再インストールが最もシンプルな解決策であることも触れます
はじめに
Windowsには「個人用に設定する」「組織用に設定する」という2種類のセットアップモードがあります。一度、組織用(Azure AD Join)として構成したPCを、後から個人用のMicrosoftアカウントで使えるように変更するにはどうすればよいのでしょうか。
本記事では、Windows 10・Windows 11の両環境で実際に手順を確認しながら、切り替えの方法を解説します。
組織用と個人用の違い
まず、2つのモードの本質的な違いを理解しておきましょう。
個人用(Microsoftアカウント)
- 自分自身が管理者であり、誰からも管理されません
- Microsoftアカウントまたはローカルアカウントでサインインします
組織用(Azure AD Join)
- 組織(会社や学校)の管理者がデバイスを管理します
- Azure ADに参加することで、組織のアカウントでサインインできるようになります
- Azure ADの管理者はIntuneなどを通じてデバイスを管理できます
方法1:Microsoftアカウントを追加するだけ(簡易版)
最初に、シンプルな方法として「他のユーザーを追加する」形でMicrosoftアカウントを加える方法があります。
手順
- 設定 → アカウント → 他のユーザー を開きます
- 他のユーザーを追加 をクリックします
- Microsoftアカウントを入力して追加します
- 現在のAzure ADアカウントからサインアウトします
- 追加したMicrosoftアカウントでサインインします
Windows 10・Windows 11のどちらでも同様の手順です。
whoami コマンドで確認すると、Microsoftアカウントのユーザーとしてサインインできていることが確認できます。
この方法の注意点
この方法では、Azure AD参加の状態が残ったままになります。
設定の「職場または学校にアクセスする」を確認すると、Azure ADへの接続が「接続済み」のままになっています。これはつまり、Azure ADの管理者によってデバイスが引き続き管理される状態にあることを意味します。
また、この手順で追加したMicrosoftアカウントはローカル管理者権限を持っていないため、デバイスの設定変更などができません。
この状態で問題なければこれで十分ですが、完全に個人用に切り替えたい場合は次の手順が必要です。
方法2:Azure AD参加を解除して完全に個人用にする(完全版)
手順の概要
- Microsoftアカウントを別ユーザーとして追加する
- Azure ADアカウント(管理者権限あり)でサインインし直す
- Microsoftアカウントにローカル管理者権限を付与する
- Azure AD接続を切断する
- Microsoftアカウントでサインインし直す
ステップ1:Microsoftアカウントを追加する
方法1と同様に、設定 → アカウント → 他のユーザー から Microsoftアカウントを追加します。
ステップ2:Azure ADアカウントで管理者として入り直す
Azure ADのアカウント(管理者権限を持つもの)でサインインします。
ステップ3:Microsoftアカウントにローカル管理者権限を付与する
- コンピューターの管理 を開きます(スタートメニューで右クリック → 「コンピューターの管理」)
- ローカルユーザーとグループ → ユーザー を開きます
- 追加したMicrosoftアカウントのユーザーを右クリックし、プロパティ を開きます
- 所属するグループ タブで 追加 をクリックします
Administratorsと入力して追加します
これにより、MicrosoftアカウントユーザーがローカルPCの管理者権限を持つようになります。
ステップ4:Azure AD接続を切断する
- 設定 → アカウント → 職場または学校にアクセスする を開きます
- Azure ADへの接続(「Azure ADに接続済み」)を選択します
- 切断 をクリックします
⚠️ 注意: 切断すると、組織のアカウントで利用していたリソースやデータが使えなくなる場合があります。内容を理解した上で実施してください。
- 確認ダイアログで 切断 を選択します
- Microsoftアカウントを指定してサインインします
- PCを再起動します
ステップ5:完了確認
再起動後、Microsoftアカウントでサインインできれば完了です。
コマンドを実行すると、PC名\MicrosoftアカウントのユーザーID の形式で表示され、個人用のMicrosoftアカウントとして認識されていることが確認できます。
「職場または学校にアクセスする」を確認すると、Azure ADへの接続が解除された状態になっています。
Windows 11でも同じ手順
Windows 11でも手順はまったく同じです。
- 設定 → アカウント → 他のユーザー でMicrosoftアカウントを追加
- コンピューターの管理 でAdministratorsグループに追加
- 設定 → アカウント → 職場または学校にアクセスする から切断
どちらのOSバージョンでも同様に対応できます。
正直なところ:再インストールが一番確実
手順を一通り解説しましたが、正直に言うとこの方法はやや複雑です。
最も間違いがない方法はクリーンインストール(再インストール)です。
- セットアップ時に「個人用に設定する」を選択すれば、最初からMicrosoftアカウントの管理者として構成されます
- Azure AD参加の痕跡が残らないため、クリーンな状態になります
- 手順が少なくミスが起きにくいです
どうしても再インストールせずに切り替えたい場合に限り、本記事の手順をご活用ください。
まとめ
WindowsをAzure AD参加(組織用)から個人用に切り替えるには、以下の3つの作業が必要です。
- Microsoftアカウントを別ユーザーとして追加する
- そのユーザーにローカル管理者権限(Administratorsグループ)を付与する
- Azure AD接続(職場または学校へのアクセス)を切断する
単純にMicrosoftアカウントを追加するだけでは、Azure ADの管理下に置かれたままになり、かつ管理者権限も持てない状態になります。切断前に必ず管理者権限の付与を行うことがポイントです。
本記事の手順が参考になれば幸いです。