TPMなし・CPU非対応の古いPCにWindows 11をクリーンインストールしてWindows Updateまで試してみた
この記事の内容
- Windows 11の最小要件(TPM 2.0・対応CPU)を満たさない古いノートPCへのインストールを検証
- インストール時に表示される互換性エラーをレジストリ編集でバイパスする手順を紹介
- TPM自体が搭載されていないPCに対応した追加のレジストリ設定も解説
- 正式版Windows 11のクリーンインストール後にWindows Updateが動作するかを確認
- あくまで検証・動作確認用途であり、通常利用には推奨しない点を明記
検証環境
今回の検証に使用したPCは、ASUS製の古いノートPC「X202E」です。Windows 11の互換性チェックツールで確認したところ、以下の結果でした。
- CPU互換性: なし
- TPM搭載: なし(TPM 2.0どころかTPM自体が未搭載)
このPCはWindows 7世代の機種であり、Windows 11の動作要件を満たしていません。
USBからインストールを試みると表示されるエラー
あらかじめ作成しておいたWindows 11のインストールUSBを挿し、USBブートでインストーラーを起動します。言語を日本語に設定し「今すぐインストール」を選択すると、ライセンス認証の画面に進みます。プロダクトキーは「プロダクトキーがありません」を選択し、エディションとして「Windows 11 Pro」を選んで次へ進むと、以下のメッセージが表示されました。
「このPCではWindows 11を実行できません」
インストールUSBからのインストール時にも最小要件のチェックが行われ、要件を満たさない場合はここで停止します。
対処法①:MicrosoftがTPM・CPU要件のバイパスを案内するレジストリ設定
Microsoftの公式情報として、レジストリを編集することで互換性チェックをバイパスできる方法が公開されています。インストーラー画面で Shift + F10 を押すとコマンドプロンプトが起動します。
regedit
レジストリエディターを開き、以下のキーを作成します(存在しない場合は新規作成します)。
このキーの中に、新規DWORD値を作成します。
| 値の名前 | 値のデータ |
|---|---|
| AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU | 1 |
この設定は「TPMまたはCPUが非対応であっても更新を許可する」という意味になります。
しかし今回の検証PCはTPM自体が全く搭載されていないため、この設定だけではチェックをパスできませんでした。
対処法②:TPMが未搭載のPCに対応する追加のレジストリ設定
TPM自体が搭載されていないPCでは、さらに別のレジストリ設定が必要です。こちらは非公式の方法であり、Microsoftが推奨するものではありません。
再度インストーラーを起動し、Shift + F10 でコマンドプロンプトを起動、regedit でレジストリエディターを開きます。
以下のキーを新規作成します。
このキーの中に、新規DWORD値を作成します。
| 値の名前 | 値のデータ |
|---|---|
| BypassTPMCheck | 1 |
この設定を追加することで、TPMのチェックがバイパスされました。
インストール手順
レジストリ設定後、インストーラーを再度進めると互換性チェックが通過し、インストールが開始されます。以降は通常のWindows 11セットアップと同様の手順です。
- プロダクトキー: 「プロダクトキーがありません」を選択(既存のライセンスがある場合は入力)
- エディション選択: Windows 11 Pro
- インストールの種類: カスタム(クリーンインストール)を選択し、既存のパーティションをすべて削除してからインストール先を指定
- 初期セットアップ: 言語・キーボードレイアウトの確認(日本語・Microsoft IME)
- ネットワーク接続: Wi-Fiに接続
- デバイス名の設定: 任意の名前を入力
- Microsoftアカウントでサインイン: Microsoft Authenticatorを使ったパスワードレス認証でサインイン
- PINの作成
- プライバシー設定: 必要に応じて設定
- OneDriveバックアップ: 設定に応じて選択
これでWindows 11のインストールが完了しました。
Windows Updateの動作確認
インストール後、設定画面からWindows Updateを確認しました。
- 累積更新プログラムが検出され、ダウンロードが開始
- ダウンロード・インストールが正常に完了
- 再起動後、更新プログラムの適用が完了
Windows Updateは問題なく動作することが確認できました。
インストール後のバージョン情報は以下のとおりです。
- エディション: Windows 11 Pro
- CPU: Intel Core i3-321x(世代)
- RAM: 4GB
- OSビルド: 22000.258
注意事項と推奨される使用場面
今回の方法は自己責任での検証目的に限るものであり、以下の点に注意が必要です。
- Microsoftの動作保証の対象外となります
- Windows Updateが将来的に継続して利用できる保証はありません
- 通常の業務・個人利用には推奨しません
一方、以下のような検証・テスト用途であれば活用できる場面もあります。
- 対応PCがない状況でWindows 11の手順書を作成するとき
- 複数環境での動作検証が必要で、対応PCをすべて用意できないとき
- 廃棄予定の古いPCで新機能の動作確認をしたいとき
まとめ
TPMが未搭載・CPUも非対応という古いノートPCに対して、レジストリ編集によって正式版Windows 11のクリーンインストールおよびWindows Updateが動作することを確認しました。
手順としては、インストーラー起動中に Shift + F10 でコマンドプロンプトを開き、regedit でレジストリエディターを起動して以下の2つのキーと値を設定することがポイントです。
HKLM\SYSTEM\Setup\MoSetup→AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU = 1(Microsoftの公式案内)HKLM\SYSTEM\Setup\LabConfig→BypassTPMCheck = 1(TPM未搭載PC向けの非公式設定)
ただし、この方法はあくまでも検証・テスト目的の手段です。将来的なWindows Updateの継続性も保証されておらず、通常の運用環境での使用は推奨しません。手順書作成や限定的な動作確認の場面など、目的を明確にした上で完全に自己責任で実施してください。