Windows Server 2019 から 2022 へのインプレースアップグレード
この記事の内容
- Windows Server 2019 が稼働中の Hyper-V サーバーに対して、インプレースアップグレードで Windows Server 2022 を導入した検証結果を紹介します
- アップグレード作業は Lenovo XClarity Controller(リモート管理ボード)経由でリモート実施しました
- Hyper-V 上で仮想マシンが起動中だとアップグレードが失敗するという注意点があります
- アップグレード後も Hyper-V ロールおよびゲスト VM が問題なく動作することを確認しました
- 検証環境では特に大きなトラブルなくアップグレードに成功しました
検証環境について
今回の検証は、Lenovo ThinkSystem SE350 をメインの検証環境として使用しています。この機材はお借りしたものであり、普段から Hyper-V サーバーとして多数の仮想マシンを稼働させています。
今回の目的は、その実際に使用中のサーバーに対して、インプレースアップグレードで Windows Server 2022 を導入し、問題なく動作するかどうかを検証することです。
リモート管理ボードを使ったアップグレード作業
サーバー機器は通常の PC とは異なり、ディスプレイを直接接続することが少ない環境です。今回は Lenovo XClarity Controller(リモート管理ボード)にアクセスし、リモートコントロール機能を使って画面を開いた状態でアップグレード作業を実施しました。
これにより、BIOS 画面も含めて作業中に画面が消えることなく、安定してセットアップを進めることができます。
アップグレードの手順
1. Windows Server メディアのマウントとセットアップの起動
Windows Server 2022 のインストールメディアをサーバーにマウントし、セットアップを起動します。セットアップ開始直後に更新プログラムのダウンロードが始まりますが、これは最新の ISO を入手済みであっても追加の更新が適用されることがあるため正常な動作です。
2. 失敗事例:仮想マシンの停止を忘れずに
最初の試行では、以下のエラーが発生しセットアップが中断されました。
Hyper-V サーバーに対してインプレースアップグレードを実施する場合、Hyper-V 上で稼働中の仮想マシンをすべて電源オフにする必要があります。
仮想マシンが起動中の状態ではインプレースアップグレードを実行できないことが確認されました。
3. 仮想マシンをすべてシャットダウンして再実行
Hyper-V 上のすべての仮想マシンを電源オフにした後、再度セットアップを実行しました。その後はセットアップが進行し、数回の再起動を経て Windows Server 2022 のインストールが完了しました。
アップグレード結果の確認
アップグレード完了後、サーバーにログインするとサーバーマネージャーが起動し、外観は従来とほぼ変わらない状態でした。実際にアップグレードが成功しているかを確認するため、エクスプローラーから PC のプロパティを開いてバージョンを確認しました。
確認結果:
Windows Server 2022 Datacenter への正常なアップグレードが確認できました。
Hyper-V ロールおよび仮想マシンの動作確認
Hyper-V ロールが引き続き正常に動作しているかどうかも確認しました。アップグレード後も Hyper-V ロールはそのまま引き継がれており、仮想マシンを起動したところ問題なく実行できることが確認できました。
今回の検証環境では Hyper-V ロール以外の追加ロールはほぼ入っていない構成でしたが、それを踏まえても完成度の高いアップグレード体験であったと感じています。
企業環境での考え方
エンタープライズ環境では「そんな簡単にはできない」という声もあるかと思います。実際、アップグレード前の事前検証や手順書の準備には相応の工数がかかります。
ただ、製品として正式にサポートされているアップグレードパスである以上、基本的には動作することが前提です。万が一失敗した場合でも、Hyper-V のみを目的としたサーバーであれば迅速にリカバリできる構成にしておくことで、積極的に新しいバージョンへ移行していくことができます。
まとめ
今回の検証では、Windows Server 2019 から Windows Server 2022 へのインプレースアップグレードを、実稼働中の Hyper-V サーバーに対して実施しました。
重要なポイントは1点: インプレースアップグレード前に、Hyper-V 上のすべての仮想マシンを電源オフにすることです。これを忘れるとセットアップがエラーで中断されます。
この点さえ押さえておけば、アップグレード自体は大きなトラブルなく完了できます。Windows Server 2022 への移行を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。