Windows 11 互換性チェック その2 ─ 互換性が無かった人向けの対処法

この記事の内容

  • Windows 11 の詳細なシステム要件(プロセッサー・UEFI・TPM・DirectX)について解説します
  • msinfo32(システム情報)を使って自分の PC の対応状況を確認する方法を紹介します
  • 公式互換性チェックアプリよりも詳細な結果を出せるオープンソースツール「WhyNotWin11」を紹介します
  • TPM 2.0 やセキュアブートが無効になっている場合の対処方針を説明します
  • 互換性チェックで引っかかった場合の考え方・次のステップをまとめます

Windows 11 のシステム要件を改めて確認する

Microsoft の Windows 11 公式ページには、互換性に関するシステム要件が掲載されています。前回の動画ではシステム情報から確認する方法を紹介しましたが、今回はシステム要件のページ自体をより詳しく見ていきます。

特に注目すべき要件は以下の4点です。

  • プロセッサー:対応している 64 ビットプロセッサーであること(AMD / Intel / Qualcomm)
  • システムファームウェア:UEFI、かつセキュアブートに対応していること
  • TPM:TPM(トラステッド プラットフォーム モジュール)バージョン 2.0 が必要
  • グラフィックスカード:DirectX 12 / WDDM 2.0 以降に対応していること

この中で、互換性チェックに引っかかる方が多いのは主に TPMセキュアブート の部分です。


対応プロセッサーを確認する

Windows 11 がサポートするプロセッサーは、公式ページにリストとして掲載されています。AMD・Intel・Qualcomm それぞれのサポート対象 CPU 一覧があるので、自分の CPU がその一覧に載っているかどうかを確認します。

自分の PC のプロセッサー情報は、以下の手順で確認できます。

Win+Rmsinfo32Enter

「システム情報」が起動したら、「プロセッサ」の項目に使用中の CPU 名が表示されます。


UEFI・セキュアブートの状態を確認する

同じく「システム情報」(msinfo32)から、BIOS モードとセキュアブートの状態も確認できます。

  • BIOS モードUEFI と表示されている必要があります
  • セキュアブートの状態有効 になっている必要があります
WinBI+OSRmsinfo32Enter

これらが条件を満たしていない場合は、PC 起動時に UEFI 設定画面に入って変更することができます。


TPM 2.0 の状態を確認する

TPM 2.0 の確認は、以下のコマンドで行います。

Win+Rtpm.mscEnter

「TPM 製造元情報」の画面が開き、「仕様バージョン」が 2.0 であれば対応しています。

TPM が有効になっていない場合

2016年4月28日以降に出荷された PC は、TPM 2.0 の搭載が事実上必須となっています。そのため、5年以内に購入した PC であればハードウェアとしては対応しているはずです。

ただし、搭載されているにもかかわらず有効になっていない ケースが多く報告されています。この場合は UEFI の設定画面から TPM を有効化することで対応できる可能性があります。


DirectX・ディスプレイドライバーのバージョンを確認する

グラフィックス関連の要件は、以下のコマンドで確認できます。

Win+RdxdiagEnter

確認ポイントは以下の通りです。

  • DirectX のバージョン:12 以上であること
  • ディスプレイドライバーモデル(WDDM):2.0 以上であること

なお、USB 接続のサブディスプレイなど特殊な接続方法のデバイスでは、ドライバーモデルが古い場合があります。その場合はメーカーから Windows 11 対応ドライバーが提供されるまで使用できない可能性があります。


公式チェックツールで引っかかった場合:WhyNotWin11 を使う

Microsoft が提供している公式の互換性チェックアプリ(PC 正常性チェック)は、互換性がない場合に 具体的にどの項目が問題なのかを表示しない という問題があります。

そこで役立つのが、オープンソースの WhyNotWin11 というツールです。以下の項目を個別にチェックし、どこが問題なのかを明示してくれます。

  • アーキテクチャ(64 ビット対応か)
  • ブートメソッド(UEFI か)
  • CPU 互換性
  • CPU コア数・動作周波数
  • DirectX のバージョン
  • WDDM のバージョン
  • ディスクのパーティション形式
  • RAM の容量
  • セキュアブートの状態
  • ストレージの空き容量
  • TPM のバージョン

ダウンロード時にセキュリティの警告が表示される場合がありますが、オープンソースとして公開されているツールです。どの項目に問題があるのかを特定するために活用できます。


引っかかった場合の対処方針

互換性チェックで問題が見つかった場合、多くのケースは UEFI の設定変更 で解決できる可能性があります。

UEFI 設定画面の入り方

PC 起動時に特定のキー(機種によって異なる)を押すことで UEFI 設定画面に入れます。どのキーを押せばよいかは、起動画面に表示される場合や、PC 本体に記載されている場合があります。

UEFI 設定画面の中で確認・変更すべき項目は以下の通りです。

  • セキュアブート:有効(Enabled)になっているか
  • TPM 設定:TPM や PTT(Intel の場合)が有効になっているか、バージョンが 2.0 になっているか

設定画面は機種によって異なり、英語表記の場合もあります。項目の意味を把握した上で操作するとよいでしょう。


まとめ

Windows 11 の互換性チェックで引っかかった場合、問題の多くは TPM 2.0 やセキュアブートの設定に関するものです。これらはハードウェアの買い替えが必要なケースは少なく、UEFI 設定の変更で対応できる可能性が高いです。

対処の流れをまとめると以下のようになります。

  1. msinfo32 でプロセッサー・UEFI・セキュアブートの状態を確認する
  2. tpm.msc で TPM バージョンを確認する
  3. dxdiag で DirectX・WDDM バージョンを確認する
  4. 詳細な原因が知りたい場合は WhyNotWin11 を活用する
  5. 問題があれば PC 起動時に UEFI 設定画面へ入り、該当項目を有効化する

Windows 11 はまだ正式リリースに向けて情報が変わる可能性もあります。互換性チェックをきっかけに PC の設定や仕組みを深く知るよい機会として活用してみてください。