【パスワード使いまわし厳禁】KeePassで始めるパスワード管理入門
この記事の内容
- パスワードの使いまわしや紙への書き留めがなぜ危険なのかを解説します
- 無料のパスワード管理ソフト「KeePass」のダウンロードと初期設定手順を紹介します
- マスターパスワードの重要性と、強いパスワードの作り方のコツをお伝えします
- パスワードのコピー&ペーストや「オートタイプ」機能による自動入力の使い方を説明します
- OneDriveを使ったデータベースのバックアップ・マルチデバイス運用の方法を紹介します
パスワード管理の問題点
パスワードを紙に書いて保管していたり、複数のサービスで同じパスワードを使いまわしたりしていませんか?これらは絶対に避けなければならない行為です。
1つのサービスでパスワードが漏洩した場合、同じパスワードを使っている他の全サービスにも不正アクセスされる危険があります。かといって、100個・200個ものサービスアカウントのパスワードをすべて頭の中で覚えておくのは現実的に不可能です。
こうした課題を解決するのが「パスワード管理ソフト」です。
KeePassとは
KeePassは無料で使えるパスワード管理ソフトです。世の中にはさまざまなパスワード管理ソフトがありますが、この記事ではKeePassを取り上げて紹介します。
KeePassのダウンロードと展開
KeePassの公式サイトから最新版を入手します。ダウンロードできるファイルは2種類あります。
- インストーラー版 ― PCにインストールして使うタイプ
- ポータブル版 ― インストール不要で、ZIPを展開してすぐ使えるタイプ
ここではポータブル版を使う手順を説明します。
- ZIPファイルをダウンロードします
- ダウンロードしたZIPファイルを右クリックして「プロパティ」を開き、「セキュリティ」セクションにある「ブロックの解除」を行います
- 右クリックから「すべて展開」を選択し、好きな場所に展開します
- 展開されたフォルダをそのまま保管し、中の実行ファイルからKeePassを起動します
データベースの作成
KeePassを起動したら、まず「パスワードデータベース」を作成します。これはすべてのパスワードをまとめて保存するマスターファイルのようなものです。
重要: このデータベースファイルが失われると、保存していたパスワードがすべて失われます。保存場所とバックアップには十分注意してください。
保存場所としては、OneDriveなどのクラウドストレージがおすすめです。クラウド上に置くことでバックアップが自動的に行われ、複数の端末からアクセスできるようになります。
「クラウドにパスワードファイルを置くのは危険では?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、OneDrive自体にアクセスされるような状況では、すでに多要素認証も突破されていることになるため、割り切って運用することも一つの考え方です。
マスターパスワードの設定
データベースを作成する際に「マスターパスワード」を設定します。このパスワードは非常に重要です。
- 絶対に簡単なパスワードや推測しやすいパスワードにしてはいけません
- 十分に長いパスワードを設定してください
強いマスターパスワードを作るコツとして、長い文章を思い浮かべて、その文章から文字を抜き出すような方法が有効です。KeePassはパスワードを入力すると強度をグラフで表示してくれるので、グラフが右側(強い)になるように設定しましょう。
エントリー(パスワードの登録)
データベースが作成できたら、各サービスのアカウント情報を登録していきます。登録する項目の単位を「エントリー」と呼びます。
新しいサービスに登録するときの手順は以下のとおりです。
- KeePass上で「新しいエントリー」を作成します
- サービス名、ユーザー名(メールアドレスなど)を入力します
- パスワード欄には、KeePassのパスワード自動生成機能を使います。自動生成されたパスワードは強度が高く、覚える必要もありません
- 必要に応じてURLやメモも記録しておきます
パスワードは自動生成して使い、KeePassに覚えさせておくことで、各サービスごとに強力かつ個別のパスワードを運用できます。
パスワードの使い方
コピー&ペーストで使う
サービスにログインするときは、KeePassのエントリーを右クリックして操作します。
- ユーザー名のコピー: 右クリック →「ユーザー名のコピー」(またはショートカット
Ctrl+B) - パスワードのコピー: 右クリック → 「パスワードのコピー」(またはショートカット
Ctrl+C)
コピーしたら、ブラウザのログイン画面に貼り付けるだけです。パスワードを目で見ることなく入力できます。
オートタイプ機能で自動入力する
KeePassには「オートタイプ」という便利な機能があります。ログイン画面のユーザー名入力欄にカーソルを置いた状態でオートタイプを実行すると、以下の操作を自動で行ってくれます。
- ユーザー名を入力
- Tabキーを押してパスワード欄に移動
- パスワードを入力
- Enterキーを押してログイン
オートタイプのショートカットは Ctrl+V です。
さらに、エントリーに「ターゲットウィンドウ」を設定しておくと、より高度な運用が可能になります。グローバルオートタイプのショートカット(デフォルトは Ctrl+Alt+A)を押すだけで、現在開いているウィンドウのタイトルからエントリーを自動で判定し、IDとパスワードを入力してくれます。
マルチデバイス運用
KeePassのデータベースファイル形式に対応したAndroid用・iOS用のアプリも存在します。OneDriveなどのクラウドストレージにデータベースを保存しておけば、PCでもスマートフォンでも同じパスワード情報にアクセスできます。
まとめ
パスワードの使いまわしや紙への書き留めは、セキュリティ上非常に危険な行為です。KeePassのようなパスワード管理ソフトを活用することで、以下のことが実現できます。
- すべてのサービスに対して、強力で個別のパスワードを設定できる
- 覚えておくべきパスワードはマスターパスワード1つだけになる
- オートタイプ機能により、ログイン操作を大幅に効率化できる
- クラウドストレージと組み合わせることで、バックアップとマルチデバイス運用が可能になる
なお、会社から付与されているIDや多要素認証を使っているサービスなど、すべてのケースに対応できるわけではありませんが、個人で利用する多数のWebサービスのパスワード管理にはとても有効です。ぜひKeePassを導入して、安全なパスワード管理を始めてみてください。