Power Automate で Excel の既存行をメールトリガーで更新する

この記事の内容

  • Power Automate を使い、メール受信をトリガーに Excel Online のテーブル行を更新する方法を解説します
  • 件名(タイトル)をキーにして、対象行を特定して更新するアプローチを紹介します
  • 差出人によって処理を分岐させるスイッチ構成を取り上げます
  • 既存セルに追記していく(アペンド)パターンも合わせて紹介します
  • replace 関数を使って返信時の「RE:」プレフィックスを除去するテクニックも解説します

全体のシナリオ

このフローでは、勉強会の参加確認メールが届いたときに、Excel Online のテーブル内の該当行を「確認済み」に更新することを目標とします。

メールの件名に「勉強会」などのキーワードが含まれている場合にフローが起動し、差出人と件名をもとに Excel の特定行を更新します。


フローの基本構成

トリガー:新しいメールが届いたとき

トリガーには「新しいメールが届いたとき」を使用します。件名フィルターに 勉強会 などのキーワードを指定しておくと、対象のメールが届いたときだけフローが起動します。

差出人が判明している場合は差出人フィルターを使ってもよいですし、Outlook の仕分けルールで特定フォルダに振り分けておき、「特定フォルダにメールが届いたとき」をトリガーにする方法も有効です。


パターン 1:差出人ごとにスイッチで分岐して行を更新する

変数で件名を整形する

返信メールの件名には RE: というプレフィックスが付きます。このまま Excel の検索キーに使うとマッチしないため、replace 関数で除去します。

replace(triggerOutputs()?['body/subject'],'RE:',

変数(文字列型)を初期化し、上記の式を使って整形した件名を格納しておきます。なお、この式の入力時に「式が無効です」と表示されることがある場合は、一度保存してから再度編集し直すと解消することがあります。

スイッチで差出人ごとに分岐する

次に、差出人(From)の値をスイッチの入力として使い、ケースごとに処理を分岐させます。

各ケースの中で以下のアクションを実行します。

  1. Excel Online: 行を更新する
    • ファイルとテーブルを指定します
    • キー列を「タイトル」(件名)に設定します
    • キーの値には、先ほど変数に格納した整形済みの件名を指定します
    • 更新したい列(例:確認済みフラグ)に値を設定します

この構成では、差出人の数だけスイッチのケースを追加する必要があります。少人数であれば問題ありませんが、対象者が多い場合は管理が煩雑になります。


パターン 2:確認者を追記していく方式

対象者が多い場合や、確認者の一覧をひとつのセルに蓄積していきたい場合は、追記方式が便利です。

フローの構成

  1. 行を取得する

    • ファイル・テーブルを指定します
    • キー列:タイトル、キーの値:整形済み件名
  2. 行を更新する

    • 確認者列の値を以下の式で設定します
concat(outputs('')?['body/'],\n',triggerOutputs()?['body/from'])

既存の確認者リストを取得した後、改行コードと差出人のメールアドレスを末尾に追記します。これにより、複数人から返信が届くたびに確認者が蓄積されていきます。

変数を使って改行を扱う

改行文字を式の中に直接入力するのが難しい場合は、文字列型の変数に改行を格納しておく方法もあります。変数の値として改行のみを設定し、更新アクションの式の中でその変数を参照します。


動作確認

フローを保存したあと、テスト用のメールを送信して動作を確認します。

  • メールが届くとフローが起動します
  • 件名に一致する Excel の行が特定されます
  • 差出人のアドレスや確認情報が対象セルに反映されます
  • 複数人から返信が届いた場合は、追記方式であれば順次追加されていきます

まとめ

Power Automate を使うと、メール受信をトリガーに Excel Online のテーブル行を自動更新するフローを比較的シンプルに構築できます。

今回紹介した主なポイントは以下のとおりです。

  • replace 関数で返信件名の RE: プレフィックスを除去し、件名をキーとして正確に行を特定できるようにする
  • スイッチ構成で差出人ごとに分岐し、対象行だけを更新する(少人数向け)
  • 行を取得 → 更新の組み合わせで既存セルに値を追記するパターンも利用できる(多人数向け)

応用範囲は広く、さまざまな業務フローに活用できます。ぜひ試してみてください。