【WVD 環境作成 Part4】Windows 10を日本語化してテンプレートイメージを作成する

この記事の内容

  • Windows 10 マルチセッション(Microsoft 365 Apps付き)の仮想マシンを Azure でデプロイします
  • OS・Office・ウェルカム画面・新規ユーザーアカウントすべてを日本語化します
  • Unicode非対応プログラム向けの言語設定(Excel マクロの文字化け対策)も解説します
  • FSLogix のインストール手順を紹介します
  • Sysprep → VM停止 → キャプチャーによるテンプレートイメージの作成手順を解説します

はじめに

前回までのパート1〜3では、認証基盤の整備・展開・接続確認まで実施しました。今回のパート4では、以下の2点を中心に対応します。

  • Windows 10 の日本語化
  • FSLogix のインストール

FSLogix を使ったプロファイル管理については次回の動画で詳しく扱う予定です。今回は日本語化と FSLogix のインストールまでを行い、テンプレートとなる VM イメージを作成します。


1. Azure ポータルで仮想マシンを作成する

Azure ポータルで「Windows 10」と検索し、一覧から 「Windows 10 マルチセッション + Microsoft 365 Apps」 を選択します。WVD 環境では、このイメージを使うことでマルチセッション接続と Microsoft 365 Apps の利用を両立できます。

主な設定項目は以下のとおりです。

項目設定値
リソースグループ任意の名前(例: template-rg
リージョン東日本(Japan East)
イメージバージョン最新
インスタンスの種類スポットインスタンス(コスト削減のため)
ディスクStandard SSD
RDP アクセス有効化
自動シャットダウン有効化(事故防止)

設定後、「確認および作成」から VM を作成します。


2. VM に接続する

デプロイ完了後、Azure ポータルからリソースへ移動し、RDP ファイルをダウンロードして接続します。接続時にネットワーク確認のダイアログが表示された場合は「はい」を選択します(インターネット接続のため)。


3. OS の日本語化

3-1. タイムゾーンと表示言語の設定

「設定」を開き、「Time & Language」 に移動します。

  1. タイムゾーンを「(UTC+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo」に変更します
  2. 「Language」 セクションで「Add a language」から 「日本語 (Japanese)」 を追加します
    • 「Language pack」「Text to speech」「Speech」「Handwriting」をインストール対象に含めます
    • 「Set as my Windows display language」 にチェックを入れてインストールします
  3. インストール完了後、サインアウト→再接続すると Windows が日本語表示になります

3-2. ウェルカム画面・新規ユーザーアカウントへの適用

上記の設定は現在のユーザーにしか適用されません。全ユーザーに日本語化を適用するには、コントロールパネルから追加設定が必要です。

「コントロールパネル」→「時計と地域」→「日付、時刻、数値形式の変更」→「管理」タブの順に開き、「ようこそ画面とシステムアカウント」 および 「新しいユーザーアカウント」 にも設定をコピーします。

ダイアログが表示されたら両方にチェックを入れて適用します。再起動を求められたら再起動して、再度 RDP で接続します。

3-3. Unicode 非対応プログラムの言語設定(重要)

同じコントロールパネルの「管理」タブにある 「Unicode 対応ではないプログラムの言語」 の設定も日本語に変更することをお勧めします。

この設定が英語のままだと、Excel マクロなどで日本語を使用している場合に文字化けが発生することが確認されています。「UTF-8」を使用するオプションについては動作実績が不明なため、現時点では言語を日本語に変更するのみの対応を推奨します。

変更後、再起動を実施します。


4. Office の日本語化

インストール済みの Microsoft 365 Apps は、この時点ではまだ英語表示です。Office を起動する前に日本語化を行います(先に起動してしまうと問題が発生する場合があります)。

Microsoft の公式サイトから Office 言語アクセサリー パック(日本語・64bit) をダウンロードしてインストールします。インストール完了後、Office が日本語で表示されるようになります。


5. FSLogix のインストール

Microsoft の公式サイトから FSLogix のインストーラー(ZIP ファイル)をダウンロードします。

展開前に ZIP ファイルを右クリック →「プロパティ」→「ブロックの解除」にチェックを入れて許可しておくことをお勧めします。

X64\Release\FSLogixAppsSetup.exe

ZIP を展開し、上記のパスにある FSLogixAppsSetup.exe を実行します。ライセンス条項に同意してインストールを完了させます。

展開された ZIP の中にはグループポリシー設定用のファイルも含まれています。後でグループポリシーを設定する際に使用するため、場所を覚えておいてください。


6. Sysprep を実行する

OS の日本語化・Office の日本語化・FSLogix のインストールが完了したら、このマシンをテンプレートとして汎用化するために Sysprep を実行します。

コマンドプロンプトまたは PowerShell で以下を実行します。

C:\Windows\System32\Sysprep\sysprep.exe /oobe /generalize /shutdown

Sysprep が完了すると、VM は自動的にシャットダウンされます。


7. VM を停止してキャプチャーする

VM がシャットダウン(「停止済み」状態)になったことを Azure ポータルで確認してから、「停止」ボタンで割り当てを解除します(「停止済み(割り当て解除)」状態にします)。

その後、「キャプチャー」 ボタンをクリックしてイメージを作成します。

主な設定項目は以下のとおりです。

項目設定値の例
イメージギャラリー任意(例: wvd-gallery
オペレーティングシステムの状態汎用化
イメージ定義名わかりやすい名前(例: Win10-20H2
バージョン番号例: 0.0.1
レプリケーション先リージョン展開先リージョン(例: 東日本)
VM の削除チェックあり(使用しないため)

「作成」をクリックするとイメージのキャプチャーが完了します。


8. 作成したイメージの確認

キャプチャー完了後、Azure ポータルで新規リソース作成時に「共有イメージ」として作成したイメージが選択できるようになります。次回の WVD ホストプール展開では、このカスタムイメージを使用します。


まとめ

今回は Windows Virtual Desktop 環境構築のパート4として、以下の手順を実施しました。

  • Windows 10 マルチセッション + Microsoft 365 Apps の VM を Azure で作成
  • OS の日本語化(言語パック追加・タイムゾーン設定・全ユーザーへの適用・Unicode 非対応プログラムの言語設定)
  • Office 言語アクセサリーパックのインストールによる Office の日本語化
  • FSLogix のインストール
  • Sysprep → 停止 → キャプチャー によるテンプレートイメージの作成

次回はこのイメージを使って WVD のホストプールを展開する手順を紹介します。