Windows 10の初期セットアップで「個人用に設定」「組織用に設定」のどちらを選べばいい?
この記事の内容
- Windows 10の初期セットアップで最も混乱を招く「個人用に設定」「組織用に設定」の選択肢を解説します
- 「個人用」=個人のPC、「組織用」=会社のPCという意味ではありません
- それぞれの選択肢が実際に何を意味するのかを明確に説明します
- Office 365を使い始めたばかりの方向けの推奨セットアップ手順も紹介します
- ローカルアカウントで設定する方法についても触れます
なぜこの選択肢がわかりづらいのか
Windows 10の初期セットアップを進めると、途中で「このデバイスをどのように設定しますか?」という画面が表示され、「個人用に設定する」または「組織用に設定する」という2つの選択肢が出てきます。
この表現が非常に誤解を生みやすく、多くの方から「どちらを選べばいいですか?」という質問が寄せられています。直感的には「個人で持っているPCならば上、会社のPCならば下」と読めてしまいますが、実際の意味はまったく異なります。
「個人用に設定する」の本当の意味
「個人用に設定する」を選ぶと、Microsoftアカウントを使ってWindowsにサインインする設定になります。
Microsoftアカウントとは、以下のような特徴を持つアカウントです。
@outlook.jp、@outlook.com、@hotmail.comなどのドメインで誰でも無料で作成できる- 既存のメールアドレス(プロバイダーのアドレスやGmailなど)を使って作成することも可能
- OneDriveのクラウドストレージが使える
- 個人が自分自身で作成・管理するもので、組織に管理されるものではない
「個人用に設定する」を選ぶべきケース:
- 自分で購入したPCを個人のMicrosoftアカウントでセットアップしたい場合
- 会社から支給されたPCであっても、会社のルールとしてMicrosoftアカウントでのセットアップが定められている場合
「組織用に設定する」の本当の意味
「組織用に設定する」を選ぶと、Azure Active Directory(Azure AD)のアカウントを使ってWindowsにサインインする設定になります。
Azure ADのアカウントとは、Office 365にサインインするときのIDと完全に同じものです。
「組織用に設定する」を選ぶべきケース:
- Office 365を契約していて、そのIDでWindowsにサインインしたい場合
- 自分でAzure ADを作成して管理し、そのアカウントでWindowsを使いたい場合
なお、会社の標準化された手順でPCをセットアップする場合は、そもそもこの選択画面で迷うことはほぼありません。IT部門から手順書が用意されていたり、キッティング専門のチームが対応したりするためです。この画面で迷っている時点では、下の「組織用に設定する」を選ぶケースはかなりレアだと言えます。
Microsoftが推奨するセットアップ方針
現在のMicrosoftの方針は、オンラインのIDを使ってWindowsにサインインすることを強く推奨しています。
- 個人ユーザー → Microsoftアカウント(個人用)
- Office 365ユーザー → Azure ADアカウント(組織用)
以前のWindows 7の時代のように、ローカルにユーザーを作成してからオンプレミスのActive Directoryにドメイン参加させるという構成は、現在では非推奨となっています。そのため、ローカルアカウントで設定するオプションは、セットアップ画面の目立たない場所に配置されるようになっています。
ローカルアカウントで設定したい場合
インターネット上のIDを使わず、ローカルのユーザーアカウントでセットアップしたい場合は、「組織用に設定する」を選択した後に表示される「ドメインに参加する」というオプションを使います。
この方法を選ぶと、オンラインのIDを入力せずにローカルユーザーを作成できます。以前のWindowsと同様のセットアップ方式に近い動作をします。ただし、前述のとおりMicrosoftとしては推奨していない構成です。
Office 365を使い始めたばかりの方へ
小規模な組織でOffice 365を契約したばかりで、まだIDの設定が完了していない状態でWindows 10のセットアップを行う必要がある場合は、特に迷いやすい状況です。
理想的な手順は以下のとおりです。
- まず別のPCでOffice 365にサインインして、IDを把握しておく
- その後、新しいPCのセットアップ画面でそのIDを入力する
しかし、まだOffice 365のIDが準備できていない場合は、次のように対処するのがよいでしょう。
- 一度「個人用に設定する」を選んでMicrosoftアカウントでセットアップする
- 後でOffice 365のIDが準備できたら、PCを初期化して改めてセットアップし直す
PCを一時的にMicrosoftアカウントでセットアップしておくことは、決して間違いではありません。IDの準備が整ってからやり直せば問題ありません。
迷ったときの判断フローまとめ
| 使いたいID | 選ぶべき項目 |
|---|---|
| Microsoftアカウント(個人) | 「個人用に設定する」 |
| Office 365 / Azure ADのID | 「組織用に設定する」 |
| ローカルアカウント(非推奨) | 「組織用に設定する」→「ドメインに参加する」 |
まとめ
Windows 10の初期セットアップで表示される「個人用に設定する」「組織用に設定する」という選択肢は、PCの所有者(個人か会社か)を選ぶものではありません。使用するIDの種類(MicrosoftアカウントかAzure ADアカウントか)を選ぶものです。
- 個人用 → Microsoftアカウントを使う
- 組織用 → Azure ADアカウント(=Office 365のID)を使う
この表現はわかりづらいという声も多く、技術的な視点からは「MicrosoftアカウントかAzure Active DirectoryのIDかローカルアカウントか」という3択で明確に表示してほしいところです。
IDがまだ準備できていない場合や、何を選べばよいかわからない場合は、まず「個人用に設定する」でMicrosoftアカウントを作成してセットアップを進め、準備が整ったタイミングで改めてセットアップし直すという方法が現実的な選択肢です。