NvidiaとOpenAIが、オハイオ州に建設予定の巨大データセンターの資金調達をめぐり、最大2500億ドル(約37兆円)規模の信用保証について協議していることが、CNBCの報道で明らかになった。関係者によれば、この保証はOpenAIがNvidiaの信用力を裏付けに社債などの形で資金を調達できるようにするもので、対象はデータセンターのリース料および建設債務。GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)本体の調達費用は別途協議されている。
保証の中身と対象サイト
協議されているのは、オハイオ州パイク郡に建設予定の10ギガワット級データセンター・キャンパスの資金調達だ。10ギガワットは米国の一般家庭約800万世帯分の年間消費電力に相当する規模で、GPU費用を除く総事業費は5000億ドル(約75兆円)を超える可能性があるという。同サイトはかつてウラン濃縮施設として使われていた土地で、SoftBank傘下のSB Energyが米エネルギー省と提携して開発を進めている。協議は依然進行中で、内容は変更されうるとされる。
OpenAIの自前インフラ確保という文脈
今回の交渉は、OpenAIがMicrosoftやAmazonなど大手クラウド事業者への計算資源依存から脱却し、自前のインフラを持つ第一歩と位置付けられている。NvidiaとOpenAIの関係を振り返ると、2026年9月にNvidiaが最大1000億ドルをOpenAIに投資すると発表したが、この投資自体は実現しなかった経緯がある。ただしNvidiaは今年3月にOpenAIが実施した大型資金調達ラウンドに30億ドルを拠出済みだ。NvidiaのジェンスンフアンCEOは、OpenAIが新規株式公開(IPO)する前として「最後の投資になるかもしれない」と述べている。OpenAIは6月にSECへIPOを非公開で申請しており、評価額は民間投資家の間で1兆ドル近くに達しているとされる。一方で、中国勢を中心とするオープンウェイトモデルの台頭が、OpenAIの価格決定力を脅かしつつある。
日本のIT現場への影響
この規模の信用保証が実現すれば、AIインフラ投資の資金調達手法として「ベンダーの信用力を担保にした保証」というモデルが一段と広がる可能性がある。日本企業にとって直接の影響は小さいが、押さえておきたい点は2つある。まず、OpenAIが計算資源の自前確保を進めることは、Azure OpenAI Service経由でOpenAIモデルを利用している国内企業にとって、中長期的な提供形態やモデル提供元の変化を注視する材料になる。もう一つは、10ギガワット級という電力規模が示す通り、AIインフラの拡大は電力調達コストの上昇圧力につながりやすく、クラウドAIサービスの価格動向を予算計画に織り込む際の判断材料として意識しておく価値がある。
出典: この記事は Nvidia and OpenAI in talks for up to $250 billion backstop to fund AI infrastructure plans の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。