Microsoftは2026年7月14日、SharePoint Designer 2013およびInfoPath 2013クライアント、InfoPath Forms Servicesのサポートを正式に終了した。以降はセキュリティ更新を含む一切の修正が提供されず、延長オプションも用意されていない。この2製品でワークフローやフォームを作り込んできた組織は、Power Automateなど後継サービスへの移行を迫られることになる。

何が終わるのか

Microsoft Fixed Lifecycle Policyに基づき、対象となるのはSharePoint Designer 2013とInfoPathの2製品。サポート終了の適用は2026年7月中旬から下旬にかけて、Worldwide・GCC・GCC High・DoDの全Microsoft 365環境に順次及ぶ。すでに5月18日以降、InfoPathフォームの新規公開・更新はブロックされており、実質的な機能停止はサポート終了日を待たずに始まっていた。

移行の受け皿

Microsoftが示す移行先は明確だ。SharePoint Designer 2013のクラシックワークフローはPower Automateへ、InfoPathフォームはPower AppsまたはMicrosoft Formsへ置き換える。移行を支援するツールとして「SharePoint Migration Tool(SPMT)4.1」が提供されており、対応するワークフローアクションを自動でPower Automateフローへ変換できる。ただしSPMTがすべてのカスタムアクションをカバーするわけではなく、複雑な条件分岐やカスタムコードを含むワークフローは手動での再設計が必要になるケースが多い。

実務への影響

日本国内ではまだあまり大きく報じられていないが、影響範囲は小さくない。SharePoint Designer 2013はSharePoint 2013時代に作り込まれたワークフローが今も現役で動いている組織が少なくなく、担当者が異動・退職していて「誰が作ったか分からないワークフロー」が野良稼働しているケースも珍しくない。

IT管理者がまず着手すべきは棚卸しだ。テナント内でSharePoint Designerワークフローがどこで使われているか、InfoPathフォームがどの業務プロセスに組み込まれているかを洗い出し、SPMTで自動移行できる範囲と手動対応が必要な範囲を切り分ける。放置すれば7月14日以降、セキュリティ更新が止まった状態のワークフローエンジンが動き続けることになり、脆弱性が見つかっても修正されないリスクを抱え込む。

筆者の見解

今回のような地味な期限切れ告知こそ、実は現場でいちばん痛い。派手な新機能発表と違って注目されにくいが、対応を怠ると業務が静かに止まる。SharePoint DesignerやInfoPathのように「昔作って動いているから触っていない」システムは、日本の大企業ほど積み上がっている印象がある。

Microsoftのこの手のライフサイクル管理は、筋が通っていると思う。単に禁止して終わりにするのではなく、SPMTという移行の受け皿をきちんと用意した上で期限を切っているからだ。ユーザーが困らない移行パスを先に整えてから旧機能を止める、という順序は評価していい。Power Automateへの一本化はMicrosoft 365を統合プラットフォームとして使う上でも理にかなっており、個別最適のツールを塩漬けにし続けるより、長期的には管理コストを下げられるはずだ。

とはいえ、現場のIT管理者からすれば「また移行作業か」という徒労感もあるだろう。願わくば、この移行が単なる延命作業ではなく、業務プロセスそのものを見直すきっかけになってほしい。


出典: この記事は SharePoint Designer 2013 reaches end of support on July 14, 2026 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。