米Ars Technicaが2026年7月7日、Microsoft傘下のゲームパブリッシャーBethesdaと、『Doom』シリーズで知られるid Softwareが、前日発表されたXbox部門の大規模レイオフによって深刻な打撃を受けていると報じた。一部チームでは人員の半数近くが削減されたとの証言も相次いでおり、今後さらなる削減も予告されている。

前日発表の3200人規模レイオフの余波

Microsoftは7月6日、Xbox部門全体で3200人規模のレイオフを発表した。Xbox CEOのAsha Sharma氏は、Xboxプラットフォームチームの縮小や、重複した中間管理職層の整理に主眼を置いた説明を行っていた。しかしArs Technicaによれば、実際にはid SoftwareやBethesdaといった開発スタジオにも大きな影響が及んでいるという。

id Softwareでは「コーダーの大半」が対象という証言

『Apogee』『3D Realms』の創業者で、id Softwareの初期タイトルの発売にも関わったScott Miller氏は、ソーシャルメディア上で「関係者からの情報」として、id Softwareの過半数が解雇され、「コーダーのほぼ全員が含まれる」と投稿した。

さらに、2011年の『Rage』以降id Softwareに携わってきたベテランプログラマーのMichael Maynard氏も、LinkedIn上で自身が月曜日に解雇された「約50%」のチームの一員だったと明かしている。ゲーム業界メディアGame Developerも複数の匿名情報筋を引用し、Doomスタジオで約90人規模の人員整理が行われたと報じた。奇しくも、前作『Doom: The Dark Ages』の最初のDLCパックが同日にリリースされたばかりだった。

id Software共同創業者のJohn Romero氏はソーシャルメディア上で悲しみを表明し、「Doom、Quake、Wolfensteinというブランドを背負い続けるのは、今日の業界においては簡単なことではない。ここ数作は、それらの世界がファンにとって何を意味するかへの敬意と丁寧な仕事ぶりを感じさせるものだった」とコメントした。Microsoftに対しては、現行id Softwareのコードやドキュメントを保存するよう呼びかけている。

Bethesdaも「特に大きな打撃」——ESOチームは半数減との報道も

IGNが入手したメールによれば、Bethesda PresidentのJill Braff氏は社内に向けて、影響を受けた「多くの同僚たち」への感謝を伝えている。IGNの報道では、Bethesda Studiosのスタッフは「特に大きな打撃」を受けており、残った従業員も「不透明な未来」に直面しているという。Microsoftは前日の1600人に加え、今会計年度中にさらに1600人規模の削減を計画していると説明している。

Braff氏はメールの中で、今回の戦略・人員変更を受けてBethesdaは「路線転換が必要」であり、「最も強いフランチャイズに集中する」企業へと変わっていくと説明した。これは『Starfield』のような新興フランチャイズにとって逆風となりうるほか、Kotakuの報道によれば『The Elder Scrolls Online』の開発チームも人員の半数近くを失ったとされている。

日本のゲーマー・開発者への影響

Doom、The Elder Scrolls、Starfieldといったフランチャイズは日本でも根強いファン層を持つ。特に『The Elder Scrolls Online』はサービス継続型タイトルであり、開発チームの大幅縮小は今後のアップデート頻度やイベント展開のペースに影響する可能性がある。日本語ローカライズやコミュニティ運営のリソースが今後どう配分されるかも注視すべきポイントだ。

また、こうしたレイオフはMicrosoft本体の経営判断であり、下請けやローカライズパートナーとして関わる日本国内のスタジオ・ベンダーにも間接的な影響が及ぶ可能性がある。Xbox関連のパートナー企業と取引がある場合は、契約継続や優先度の変化について早めに情報収集しておきたい。

筆者の見解

正直なところ、今回の一連の報道には複雑な思いがある。id SoftwareやBethesdaは、Doom、Quake、The Elder Scrollsといった業界の礎を築いてきたスタジオであり、その開発力・ブランド力はMicrosoftにとって数少ない「正面から勝負できる」資産のはずだ。それを短期的な組織効率化の名のもとに大きく削るのは、率直に言ってもったいない判断に見える。

Microsoftを応援する立場から言えば、こうした構造改革そのものを全否定するつもりはない。中間管理職の整理や重複組織の解消は、どの企業にも必要な経営判断だ。しかし、コーダーの半数近くが対象になったという証言が事実であれば、それは単なる効率化ではなく、開発現場の実行力そのものを削ることになりかねない。ゲームというプロダクトは、結局のところ「作る人」の技量と継続性がすべてを決める領域だ。ブランドと資本があるからこそ、Microsoftには長期的な視点で開発力を守る投資判断をしてほしいというのが正直な期待だ。

日本のユーザーとしては、今後のタイトル展開やアップデートペースへの影響を注視しつつ、こうした経営判断が最終的に良質なゲーム体験として跳ね返ってくることを願いたい。

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出典: この記事は Bethesda, id Software reportedly hit hard by Microsoft layoffs の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。