PC Watchは2026年6月16日(稲津定晃記者)、バッファローがWi-Fi 7対応ルーター「WSR3600BE4Pシリーズ」について、経済産業省とIPAが運用するIoT製品向けセキュリティラベリング制度「JC-STAR」のレベル1適合を取得したと報じた。
JC-STARとは何か
JC-STARは、経済産業省の監督のもとIPA(情報処理推進機構)が運用するIoT製品のセキュリティラベリング制度だ。レベル1からレベル4まで4段階あり、レベルが上がるほど厳格なセキュリティ要件を満たしていることを示す。今回取得したレベル1は「最低限のセキュリティ要件」を満たした証明となる。
ルーターは家庭内ネットワーク全体の入口となる機器だ。IoT機器のセキュリティリスクが社会問題化している中、「少なくとも公的基準をクリアしている」ことを示すこのラベルは、購入判断における新たな物差しになりえる。
WSR3600BE4Pシリーズの特徴
WSR3600BE4Pシリーズは、最新規格Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応したデュアルバンドルーターだ。5GHz帯と2.4GHz帯の双方をサポートし、以下の機能を備える。
- Wi-Fi 7対応: 最新世代の無線LAN規格による高速通信
- MLO(Multi-Link Operation): 複数の周波数帯を同時に利用し、通信の安定性と速度を向上させるWi-Fi 7の目玉機能
- Wi-Fi EasyMesh: 業界標準規格による手軽なメッシュネットワーク構築
MLOは従来のバンドスティアリングとは異なり、複数帯域を実際に同時使用することで遅延削減とスループット向上を実現する。Wi-Fi 7の恩恵を最大限に引き出す重要な機能だ。
JC-STAR取得の業界的意義
国内IoT機器のセキュリティ問題は、大規模DDoS攻撃への悪用事例をはじめ繰り返し指摘されてきた。JC-STARはそうした課題への制度的な対応として整備されたが、まだ普及段階にある。
国内大手メーカーのバッファローが率先してレベル1を取得したことは、業界全体へのシグナルとなる。今後この認証が普及すれば、「JC-STARレベルを見て選ぶ」という基準が消費者に定着する可能性がある。
日本市場での注目点
WSR3600BE4Pシリーズはすでに発売中で、Amazon.co.jpをはじめ各ECサイトで入手可能だ。Wi-Fi 7対応ルーターとしてはNEC AtermシリーズやASUS製品などと競合するが、JC-STAR取得は現時点での差別化ポイントとなりえる。
なお、Wi-Fi 7の恩恵を最大限に受けるには接続デバイス側もWi-Fi 7に対応している必要があるため、現時点では対応デバイスの普及状況も購入判断の参考にしたい。
筆者の見解
セキュリティ認証制度の整備とメーカーの取得対応は、正しい方向性だ。ルーターのセキュリティは長年「買ったまま放置」が問題視されてきた。JC-STARのような公的ラベリング制度が購入基準に組み込まれていけば、市場全体のセキュリティレベルの底上げにつながる。
ただし、レベル1が「最低限」であることは忘れてはならない。認証ラベルを確認することは大切だが、ファームウェアの自動更新機能の有無やメーカーのサポート期間も合わせて確認するのが、実用的な選択眼だと言える。バッファローには今後レベル2以上への取得も期待したい。レベル1取得を起点として、セキュリティ品質の継続的向上に取り組む姿勢を業界に示してほしいところだ。
関連製品リンク
上記はAmazon.co.jpへのリンクです。記事執筆時点の情報であり、価格・在庫は変動する場合があります。
出典: この記事は バッファローのWi-Fi 7ルーター、セキュリティ制度「JC-STAR」レベル1適合 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。
