XboxのゲームスタジオであるNinja Theory、Double Fine、Compulsion Gamesが閉鎖または売却される見通しだと、Engadgetが2026年6月15日(現地時間)にThe VergeおよびBloombergの報道を引用して伝えた。

なぜこの報道が衝撃的なのか

3スタジオはいずれも、Microsoftが2018年以降に積極展開したゲームスタジオ買収攻勢の中で傘下に収めた看板的な存在だ。

  • Ninja Theory:『Hellblade: Senua’s Sacrifice』『Senua’s Saga: Hellblade II』で知られる英国スタジオ。精神疾患をテーマにした心理ホラーで世界的評価を確立した。先日のXbox Summer Game Festでは2027年発売の新作も発表されたばかりだった。
  • Double Fine:Tim Schafer氏が2000年に創業した伝説的スタジオ。『Psychonauts』シリーズや『Brütal Legend』『Broken Age』など、クリエイティビティあふれる作品を送り出し続けてきた。
  • Compulsion Games:カナダ・モントリオールのスタジオ。ディストピア世界観の『We Happy Few』や、2025年4月リリースの『South of Midnight』で注目を集めた。

海外レビューのポイント——各スタジオの現状

The Vergeの報道によれば、Ninja Theoryの従業員はすでに6月15日(月)に閉鎖を通知されたという。ただし買収交渉中のバイヤーが見つかれば存続の可能性があるとされる。

BloombergはDouble FineとCompulsion Gamesについて、スタジオリーダー陣がXboxから自社を買い戻す交渉を進めていると報じた。閉鎖ではなく、独立またはサードパーティとしての存続を模索している段階だ。また複数の他スタジオも同様に先行きが不透明な状況にあるとBloombergは伝えている。

Microsoftのゲーム事業——背景にある戦略転換

2018年に始まったスタジオ買収ラッシュは2020〜2021年のZeniMax(Arkane・Bethesda・id Software等)獲得で加速し、2023年末には史上最大規模の690億ドル(約10兆円)を投じたActivision Blizzard買収で頂点を迎えた。しかし、その後は複数回にわたる大規模レイオフが続き、The Initiativeをはじめとする有名スタジオの閉鎖も相次いだ。

2026年に入ってフィル・スペンサー氏がXbox部門トップを退任(後任:Asha Sharma氏)。報道と同じ6月15日にはXbox Game Studios統括のCraig Duncan氏(2024年10月就任)も退社。Sharma氏が6月中旬に発したとされる「不穏な社内メモ」も相まって、従業員の間では追加レイオフへの不安が高まっている。

日本市場での注目点

今回名前が挙がったスタジオの作品は、日本でも確固たるファン層を持つ。

  • HellbladeシリーズはXbox Game Passで配信されており、精神世界の描写が日本ゲーマーにも高く評価されてきた
  • Psychonauts 2はGame Pass対応で日本でもプレイ可能
  • South of Midnight(2025年4月リリース)はGame Passの注目タイトルとして紹介されたばかり

クラウドゲームやGame Pass経由でこれらの作品を楽しむ日本ユーザーにとって、スタジオの存続は続編・DLCの供給にも直結する。買収交渉が不調に終われば、IPそのものが宙に浮くリスクがある。

筆者の見解

690億ドルを投じたActivision Blizzard買収からわずか数年で、高い評価を誇るクリエイティブスタジオが次々と整理されていく——この流れを見ていると「もったいない」という言葉が真っ先に浮かぶ。

Microsoftはゲーム事業において、規模とブランドの面で明らかに類まれな力を持っている。ZeniMax・Activision Blizzardという超大型資産を抱える今こそ、ポートフォリオ内で「クリエイティブな尖り」を担ってきた小規模スタジオを活かし続ける理由があったはずだ。Double FineやNinja Theoryのような個性的なIPこそがGame Passの差別化コンテンツになりうるのに、その価値が経営判断に十分反映されていない印象は否めない。

とはいえ、スタジオが自社買い戻しによって独立するシナリオは現実的に存在する。Xboxとのパートナーシップを維持しながら独立運営に移行できれば、「大資本傘下での閉鎖より、独立した中規模スタジオとして生き残る」という新しい道筋が示せるかもしれない。Microsoftには、そういう形での「再生のしくみ」を模索する余地があるはずだ。その展開を注視したい。

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出典: この記事は Xbox is reportedly closing Ninja Theory, Double Fine and Compulsion Games の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。