米国のテックメディア大手Tom’s Guideが、Verizon Wireless(以下、Verizon)のプレミアム無制限プランに30日間切り替えた実使用レポートを公開した。特に注目を集めているのが、上位2プランのみで利用できる「5G Ultra Wideband(UWB)」の圧倒的な速度体験だ。
Verizonの料金体系:3段階の無制限プラン
Verizonは現在、AutoPay・ペーパーレス請求適用時の価格で以下3プランを提供している。
プラン 月額(1回線) 5Gネットワーク
Unlimited Welcome $55 標準5G / 4G LTE
Unlimited Plus $70 5G Ultra Wideband(C-Band + mmWave)
Unlimited Ultimate $85 5G Ultra Wideband(C-Band + mmWave)
最下位プランは混雑時に速度制限がかかる可能性があるのに対し、上位2プランは「プレミアムデータ」として速度が優先保証される。さらに、ホットスポット容量(30GB〜200GB)や動画ストリーミング品質(720p〜最大4K)にも差がある。
海外レビューのポイント:「速さの質」が別次元
Tom’s Guideのレビュアーは、過去7年間MVNOを渡り歩き、最終的にVerizon傘下の格安ブランドVisibleに落ち着いていた。そこからVerizonへの再加入を通じて浮き彫りになったのが、5G Ultra Widebandの速度体験の差だ。
良い点(Tom’s Guide評価):
- 5G UWBエリア内では「信じられないほどの速度」と表現される体験
- 基本無制限プランの価格競争力($55/月)は以前より改善
- プレミアムデータはネットワーク混雑時もスロットルなし
- C-Band+mmWaveの組み合わせで広範なカバレッジ
気になる点(Tom’s Guide評価):
- 5G UWBエリア外では性能が標準5Gレベルに落ちる
- 競合キャリア(T-MobileやAT&T)が提供するようなサブスクサービス特典がない
Ultra Widebandとは何か
5G Ultra Widebandとは、Verizonが使用するC-Band(3.7〜4.0GHz帯)およびmmWave(ミリ波、28〜39GHz帯)による高速5G接続の総称だ。帯域幅が広く、理論値では数Gbpsを超える速度が出る。ただしmmWaveは電波の直進性が強く、屋外の人口密集エリアでの利用を想定した技術で、建物内や郊外ではC-Bandが主体となる。
日本市場での注目点
日本でも同様の議論は存在する。NTTドコモ・au・SoftBankの主要3キャリアはそれぞれSub-6GHz帯(3.7GHz・4.5GHz)とミリ波(28GHz)の両方で5G免許を取得している。ただし現実にはミリ波の商用展開は極めて限定的で、新宿・渋谷など一部スポット以外では体験が難しい状況が続いている。
価格面では、日本の主要キャリアの無制限プランは月額3,000〜6,500円程度(各種割引適用後)。Verizonの$85(約13,000円)と比べると割安に見えるが、料金体系の複雑さや家族割・自社サービス連携の有無で実態は異なる。MVNOからメインキャリアへの乗り換えによる「速度の質」の差という体験は、日本でも同様に起きうる話だ。
なお、5G UWBの恩恵を最大限受けるには対応端末も必要。iPhone 15/16シリーズやGalaxy S25シリーズなど、最新のフラッグシップ機がC-Band・mmWave両対応となっている。
筆者の見解
今回のTom’s Guideレポートで改めて示されたのは、「無制限プラン」という言葉のあいまいさだ。データ容量が無制限であることと、速度の優先権が保証されていることは全く別の話である。
日本でも格安SIMの普及で「月額1,000〜2,000円で使い放題」という選択肢が増えたが、混雑時の速度低下や一部エリアでの体験品質の差は依然として実在する。「安いプランで十分か、プレミアムプランに価値があるか」という問いに答えるためには、自分の利用シーン——通勤ルート上のエリア品質、テザリング頻度、動画視聴習慣——を基準に判断するのが正しい。
ミリ波・ウルトラワイドバンドの技術自体は「近未来」ではなくすでに実用段階にある。日本のキャリアがこのエリア展開をどう加速させるかが、今後の競争軸のひとつになるだろう。
出典: この記事は I switched back to Verizon Wireless for 30 days — and now I understand why ultra wideband is such a big deal の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。