Microsoftは2026年5月、Windows 11の最新プレビュービルド(Build 26300.8346)で、Windows 10に存在した「小さいタスクバー」機能のテストを開始した。2021年のWindows 11リリース時に削除されたこの機能が、約5年越しに正式復活へ向けて動き出している。
Windows 10にあった「あの機能」がやっと戻ってくる
Windows 10では、タスクバーの高さを自由にリサイズできる機能が標準で用意されていた。ところが2021年にWindows 11がリリースされた際、Microsoftはこの機能を削除。初期ビルドではドラッグ&ドロップ機能まで廃止されたため大きな反発を招き、後者はユーザーの声を受けて復活したものの、タスクバーのリサイズ機能は今日まで戻ってこなかった。
最新プレビュービルドでは、タスクバーを縮小した際に表示されるウィジェットボタンの新しい小型デザインなど、実装の痕跡がすでに確認されている。また、タスクバーを画面端に移動できる「ムーバブルタスクバー」も並行して開発が進んでおり、Windows 10に存在したタスクバー関連の機能が一気に復活しつつある。
現在の「小さいタスクバーボタン」との違い
Windows 11には現在、[設定]→[個人用設定]→[タスクバー]→[タスクバーの動作] に「タスクバーボタンを小さくする」トグルが存在する。ただしこれはボタンのアイコンを縮小するだけであり、タスクバー自体の高さは変わらない。
今回テストされているのは、タスクバー全体をリサイズできる機能だ。タスクバーの端にカーソルを合わせてドラッグすることで、Windows 10のように高さを調整できるようになる見込み。ドキュメントには専用の設定項目への参照も確認されており、完成度の高い実装が期待できる。
18項目に及ぶ大規模アップデートの一環
このタスクバー機能の復活は単独の話ではなく、Microsoftが進めるWindows 11の大規模テストの一部だ。同社は2026年3月に「Windows 11が方向を見失っていた」と公式に認め、最大18項目にわたる大幅な改善計画を発表した。
具体的にはパフォーマンス向上、広告の削減、ファイルエクスプローラーの高速化などが含まれており、2026年4月のオプションアップデート(Build 26200.8328)ですでに一部の改善が展開されている。「約束だけして終わる」ではなく、実際にプレビュービルドで変化が確認できるのは注目に値する。
実務への影響
企業のIT管理者にとって、この変更は基本的に対応不要だ。タスクバーのリサイズは個人設定の問題であり、セキュリティや業務アプリの動作に影響しない。
ただし、GPO(グループポリシー)でタスクバー表示をカスタマイズしている環境では、新しい設定オプションが追加されるタイミングで既存ポリシーとの整合性を確認しておくと安心だ。プレビュー段階から動作を把握しておくことで、本番展開時の混乱を防げる。
エンドユーザー視点では、特にマルチモニター環境や小型ディスプレイを使う開発者に恩恵が大きい。タスクバーを縮小することで垂直方向の表示領域が増え、コーディングや資料作成の作業効率向上が見込める。
筆者の見解
正直に言えば、「2021年に削除して5年後に戻す」というのはMicrosoftが実に得意なパターンだ。ドラッグ&ドロップ機能もそうだったし、今回のタスクバーリサイズもそう。最初から残しておけばこんなに時間がかからなかった、と思うのは自分だけではないはずだ。
ただ、今回は少し違う点がある。Microsoftが公式に「方向を見失っていた」と認めたこと、そして言葉だけでなく実際にプレビュービルドで変化が確認できること。この2点は過去の「約束して終わり」とは異なる動きに見える。
Windowsというプラットフォームには、まだ膨大なユーザーベースと企業の信頼がある。ユーザーの声に真摯に向き合い、「使いやすいOS」という原点に立ち戻ろうとしているなら、それは素直に歓迎したい。「タスクバーを小さくしたい」という要望は些細に見えて、毎日作業するエンジニアにとっては積み重ねの話だ。5年かかったとはいえ、その声が届いたということは評価できる。今がWindows 11にとっての本当の分岐点かもしれない。
出典: この記事は Microsoft finally begins testing Windows 10-like smaller taskbar for Windows 11 after removing it in 2021 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。