LGエレクトロニクス・ジャパンは2026年6月11日、マイクロレンズアレイ(MLA)採用の有機ELパネルにAI画質最適化機能とスマートOS「webOS」を組み合わせた「スマートゲーミングモニター」シリーズ3機種を7月中旬より順次発売すると発表した。PC Watchの宇都宮充氏が詳細を報じている。
なぜこの製品が注目か——MLA有機ELとスマートOSの組み合わせ
MLAとは有機ELパネル前面に微小なレンズアレイを配置し、光の取り出し効率を高める技術だ。これにより従来の有機ELが苦手としていた「明るい部屋での視認性」と「ピーク輝度」を大幅に改善できる。本シリーズはピーク輝度1,300 cd/m²を実現しており、数値上は従来の有機ELゲーミングモニターの限界をひとつ超えたラインに達している。
さらに注目すべきはwebOSの搭載だ。PC・ゲーム機を接続しない状態でも、モニター単体でYouTubeやNetflixなどの動画配信サービスを視聴したり、Webブラウジングが行える。単なる「表示装置」を超え、スマートディスプレイとしての独立動作が可能な構成になっている。
共通スペック——3機種で揃えた高水準
3機種(44.5型:45GX90SB-B、39型:39GX90SB-W、34型:34GX90SB-W)は共通の基本スペックを持つ。
項目 スペック
解像度 3,440×1,440(UWQHD)
リフレッシュレート 240Hz
応答速度 0.03ms(中間色)
ピーク輝度 1,300 cd/m²
コントラスト比 150万:1
色域 DCI-P3 98.5%
曲率 800R
HDR認証 DisplayHDR True Black 400
インターフェースはHDMI×2、DisplayPort 1.4、USB Type-C(65W給電+映像+データ)、有線LAN(Ethernet)、Wi-Fi 5、USB 2.0×2、ヘッドフォン出力を装備。USB-C 1本でノートPCの映像出力・給電・データ転送を完結できる構成は、デスク環境をシンプルにしたいユーザーには実用的な選択肢になる。
AI機能——映像と音声をソフトウェアで最適化
AI機能として「AI Picture Pro」と「AI Sound Pro」の2つを搭載する。AI Picture Proは超解像・ノイズ低減・映像ジャンル自動判別による最適化を行う機能で、AI Sound Proはステレオ音声を11.1.2chバーチャルサラウンドに変換する。スピーカーは45GX90SB-Bが7W×2、残り2機種が5W×2の内蔵スピーカーを備える。
ゲーミング機能
可変リフレッシュレートはG-SYNC Compatible、FreeSync Premium Pro、AdaptiveSyncの3規格に対応。0.03msの応答速度と組み合わさり、テアリングやスタッタリングを抑えた映像表示が期待できる構成だ。
日本市場での注目点
7月中旬から順次発売で、価格はオープンプライス。PC Watchが報じた実売予想価格は以下の通り。
- 34GX90SB-W(34型):18万7,000円前後
- 39GX90SB-W(39型):24万2,000円前後
- 45GX90SB-B(44.5型):27万5,000円前後
MLA有機ELゲーミングモニターとしてはこの価格帯は市場標準的な水準といえる。競合製品としてはサムスンのOdyssey OLEDシリーズが挙げられるが、webOSによるスマート機能統合はLGの明確な差別化軸になっている。ゲーム専用ではなく会議・映像鑑賞・ゲームを1台で兼用したいユーザーには選択肢として検討しやすい構成だ。
筆者の見解
「ゲーミングモニター」という名称がついているが、このシリーズはすでに「スマートディスプレイ」と呼ぶべき製品に進化している。webOSを搭載しPC不要で動画配信を楽しめる設計は、HDMI切り替えひとつでゲーム機・PC・スマートTV機能を1台に集約できるという点で、デスク環境の全体最適につながるアプローチだ。部分最適を積み重ねるより、1台に機能を集約した方が結果として使い勝手も管理コストも低くなる。
AI Picture ProやAI Sound Proのような機能は今後のモニター市場での標準装備になっていくとみているが、「AI」冠の機能は実際の効果差が数値だけではわかりにくいのも事実だ。MLA有機ELのピーク1,300 cd/m²という輝度性能は数値として優秀で、日中の明るい環境での運用耐性が改善されている点は実用上の価値が高い。7月の発売後に詳細レビューが出揃えば、競合との実際の画質差についてより具体的な判断ができるはずだ。
関連製品リンク
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出典: この記事は LG、有機EL搭載“スマート”ゲーミングモニター。44.5型/39型/34型の3機種 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。