米テクノロジーメディア「Tom’s Guide」は6月6日、来週開催予定のWWDC 2026に先立ち、Tom Pritchard氏によるiOS 27の注目アップグレード11選を公開した。同メディアによれば、今回のiOS 27はAppleがAI競争において大きな巻き返しを図る「節目のアップデート」になる可能性が高いという。
なぜiOS 27が注目されるのか
Appleは2024年にApple Intelligenceを発表したが、目玉であるSiriの抜本的刷新は度重なる延期を経て実現できずにいた。Tom’s Guideの報告では、この問題を解決するためにAppleがGoogleのGeminiモデルを採用したことが今回最大のトピックだ。AI競争において出遅れが指摘されてきたAppleが、外部との協業でその差を埋めようとしている。
海外メディアが伝える11の注目機能
1. Geminiパワード Siri
Tom’s Guideによると、2024年の発表以来幾度も延期されてきた新SiriがiOS 27でついに形になる見込みという。GoogleのGeminiモデルを基盤に採用し、本格的なAIチャットボットとして生まれ変わる。主な変更点は以下のとおりだ。
- 自然な会話能力と文脈理解の大幅強化
- 過去の会話を学習するオプションの履歴機能
- 専用Siriアプリ(チャット履歴・設定管理)
- 「Siriで書く」「Siriに聞く」機能(全Apple OSに対応)
- Perplexity AIによるWeb検索機能
ただし同メディアは「正式リリース時点でベータ・プレビュー扱いになる可能性がある」とも指摘している。完成度については慎重に見る必要がありそうだ。
2. Extensions——サードパーティAI連携を開放
Tom’s Guideによれば、iOS 27では「Extensions」と呼ばれる仕組みが新たに導入され、App Store経由でサードパーティのAIチャットボットをAppleのネイティブ機能と連携できるようになるという。テスト段階ではClaude(Anthropic製)やGoogle Geminiが検証されており、Microsoft Copilot・Meta AI・Grokなど他のAIも対象になりうるとのことだ。これは従来ChatGPT限定だった連携を大幅に拡充するものだ。
3. AI写真編集ツールの強化
Tom’s GuideはAIを活用した写真編集機能の拡充を3番目の大型アップグレードとして挙げている。Apple Intelligenceでの写真編集に続く次のステップとして、より高度な編集体験が提供される見通しだ。
その他8つの注目アップグレード
Tom’s Guideのレポートがまとめた残りの機能は以下のとおりだ。
- Apple Walletパスの改善 — デジタル身分証・チケット管理の強化
- 割り勘機能(Bill Splitting) — Apple Pay経由の支払い分担が簡単に
- Apple Health Plus — ヘルスケア機能の拡充
- ショートカットの強化 — 自動化ワークフローのさらなる改善
- プロ向けカメラ機能 — 上級者向けの撮影コントロール拡張
- AirPlayの代替オプション — 他プロトコルへの接続対応
- Liquid Glassカスタマイズ — UI全体のパーソナライズ強化
- iPhone Fold最適化 — 折りたたみiPhone向けUI対応
日本市場での注目点
iOS 27はWWDC 2026での発表後、2026年秋の正式リリースが見込まれる。日本でも慣例通り同時期に提供開始されるだろう。
Gemini搭載Siriは、Geminiが日本語に対応していることから、日本語での応答精度が従来のSiriから大幅に改善されることへの期待がある。一方、Web検索連携にPerplexity AIが使われる点は日本ユーザーにとって馴染みが薄く、使い勝手の評価が分かれる可能性もある。
Extensions機能は企業・エンジニア向けの注目度が高い。業務フローに合ったAIを選んでiOSのネイティブ機能と組み合わせられる点は、Appleデバイスをビジネス利用するシーンに新たな選択肢をもたらす。対応デバイスはまだ公式発表されていないが、Apple Intelligenceの対象モデル(iPhone 15 Pro/Pro Max、iPhone 16シリーズ以降)が中心になると予想される。
筆者の見解
iOS 27で最も注目すべきは、AppleがSiriの核心部分をGoogleに委ねたという判断だ。これはApple単独では「本物のAI Siri」を短期間で実現できなかったことを事実として示している。AI競争において独自路線を貫いてきたAppleが協業に踏み切ったことは、それだけ状況が切迫していたとも読める。
Extensionsによるサードパーティ連携の開放は評価できる決断だ。ユーザーが自分の目的に最適なAIを選べる仕組みは、プラットフォームの実用性を高める。一つのAIを押しつけるのではなく「iOSをAIのプラットフォームとして開く」という方向性は、長期的なエコシステム戦略としても筋がいい。
Siriがベータ扱いで始まるとすれば、完成度次第でユーザーの第一印象が大きく変わる。「ようやく本物のSiriになった」と感じさせられるかどうか——WWDC 2026での実機デモが最初の試金石になる。
出典: この記事は iOS 27: 11 biggest features coming to your iPhone の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。