台湾・台北で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2026において、ASUSが大型ブースを展開した。PC Watchの現地レポートによると、次世代Wi-Fi 8対応ルーター「ROG GT-BN98 PRO」の展示を筆頭に、ROGブランド20周年記念コーナー、Zenbook 14の新シリーズ、さらにAIエージェントユーティリティ「Zenni Claw」など多岐にわたる新製品・新機能が公開された。

Wi-Fi 8で最大30Gbpsに到達——ROG GT-BN98 PRO

ROG GT-BN98 PROは、次世代無線LAN規格Wi-Fi 8に対応したゲーミングルーターだ。クアッドバンド構成で合算最大通信速度は約30Gbpsに達し、その内訳は2.4GHz帯が1,376Mbps、5GHz帯が5,764Mbps、6GHz帯が11,529Mbps×2となっている。

有線ポートの充実ぶりも見逃せない。10GbE×2(うち1基はWAN/LAN両対応)、2.5GbE×2(同)、GbE×5という構成で、高速有線接続を必要とするNASや高性能PCとの組み合わせにも十分対応できる。機能面では、ゲームトラフィックを専用SSIDで最適化する「Gaming Network」や、広告・トラッカー・悪意あるサイトをブロックする「GT Booster AiProtection」も搭載する。

Intel・AMD・Qualcommの三刀流——Zenbook 14

14型モバイルノート「Zenbook 14」は、Core Ultraシリーズ3・Ryzen AI 300シリーズ・Snapdragon Xシリーズという3つのプラットフォームをラインナップに揃える異色の構成だ。天板には独自素材「セラルミナム」を採用しつつ、重量は1.1〜1.2kgに抑えており、有機ELディスプレイも搭載する。プラットフォームを問わず同一筐体で展開するという姿勢は、調達・在庫管理の観点からも興味深い。

メインストリーム向けのVivobook S14/S16はSnapdragon Xシリーズを搭載し、50Whバッテリによる長時間駆動を訴求。ディスプレイは有機ELまたはIPS NanoEdge、フルメタル筐体で耐久性も確保している。

AIエージェントを手軽に——Zenni Claw

Zenni Clawは、ASUS製PCでAIエージェントを利用するためのユーティリティだ。「ASUS Skills」として一般的なワークフローをあらかじめ組み込んでおり、セットアップ後すぐに使い始められる設計となっている。特筆すべきは、タスクに応じてローカルとクラウドを柔軟に切り替える機能で、速度・性能・APIコストのバランスを自動調整するとしている。スライド作成や旅行のしおり作成、クリエイティブ用途での動作可視化なども展示されていた。

ROG 20周年——歴代フラッグシップを一堂に

ROGエリアでは、2006年発売の初代「ROG CROSSHAIR」から現行の「ROG ALLY」「ROG NUC」に至る主要製品の実機展示が行われた。18型フラグシップ「ROG Strix SCAR 18」や、eスポーツ向け有機ELモニター「ROG Strix OLED XG259QWPG ACE」(世界初を標榜)も登場。ROG Xbox Allyのサイバーパンク2077仕様デザインカバープロトタイプやT1コラボモデルも展示された。

日本市場での注目点

ROG GT-BN98 PROをはじめとするWi-Fi 8製品は、現時点では日本での発売時期・価格は未発表だ。ただしWi-Fi 7製品が2024〜2025年にかけて国内でも順次投入されていた経緯を踏まえると、Wi-Fi 8製品の国内展開も1〜2年以内に始まる可能性が高い。競合としてはNECプラットフォームズ(Aterm)やバッファロー製品があるが、10GbEポートを複数搭載するハイエンドゲーミングルーターのカテゴリでは、ASUSやTP-Linkが国内でも存在感を高めている。

Zenbook 14のマルチプラットフォーム展開は、法人調達における選択肢の多様化という点で日本市場でも歓迎されるだろう。Snapdragon X搭載モデルはバッテリ駆動時間の優位性があり、外出頻度の高いビジネスパーソン向けに訴求できる。

筆者の見解

Wi-Fi 8による30Gbpsというスペックは、現在の一般的な家庭・オフィス環境では明らかにオーバースペックに見える。しかし、10GbEポートを複数備えたNASやワークステーションを常用する環境では、無線のボトルネックを排除するという意味で真価を発揮する構成だ。「まだ誰もそこまで必要ない」から「気づいたら足りなかった」に変わるタイミングは、帯域を食うローカルAI推論ワークロードの普及とともに案外早く来るかもしれない。

Zenni Clawのローカル/クラウド切り替えアーキテクチャは、AIエージェント実装の観点から注目に値する。コスト・速度・能力のトレードオフをユーザーが意識しなくてよい形で解決しようとするアプローチは方向性として筋がよい。ただし「すぐ使い始められる」を謳うビルトインワークフローが実際にどこまで実用的かは、実機で確認するまで判断は保留したい。汎用的に見えるショーケースデモと実際の業務での使い勝手は、往々にして乖離がある。

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出典: この記事は 最大30GbpsのWi-Fi 8ルーターがASUSから登場。ROG 20周年を振り返る展示も の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。