台湾・台北で2026年6月3日〜5日にかけて開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2026にて、GPU性能測定の定番ツール「3DMark」の次世代フラグシップGPUベンチマークのデモ映像が初公開された。PC Watchが現地から報じている。
フルパストレーシング × AI技術の融合ベンチマーク
今回公開されたベンチマークは3DMarkの次世代フラグシップGPUベンチマークと位置付けられており、以下の機能をサポートする予定だ。
- フルパストレーシング(Full Path Tracing): 従来のリアルタイムレイトレーシングを超え、光の経路を物理的に正確にシミュレートする高負荷レンダリング
- AIアップスケーリング: NVIDIA DLSS、AMD FSR、Intel XeSSなど主要GPUベンダーが提供する超解像技術に対応
- AIフレーム生成: NVIDIA Frame Generation(DLSS 3/4)などのフレーム補間技術もテスト対象
- ネイティブ4K解像度テスト: アップスケーリングなしの真の4K性能測定が可能
現時点では正式なテスト名称やリリース時期などの詳細は明らかにされていない。
デモはプレ収録映像——実機動作は未確認
今回の発表は、第1スポンサーであるThermal GrizzlyブースにてデモCG映像が放映されるかたちで行われた。PC Watchの現地取材によれば、実機でのリアルタイム動作デモは行われておらず、事前収録の映像が公開されたとのことだ。あくまでベンチマークが目指すビジュアルクオリティと方向性を示したものであり、実際のスコアや動作環境の詳細は別途発表を待つ必要がある。
なぜこの新ベンチマークが注目されるのか
3DMarkは長年にわたってPC自作・ゲーミング市場における事実上の標準GPUベンチマークとして機能してきた。現在の上位テストである「Port Royal」(レイトレーシング専用)や「Speed Way」(DirectX 12 Ultimate対応)でも高負荷テストとして機能しているが、次世代GPUが重視するパストレーシングとAI技術の複合評価には対応していない。
RTX 5000シリーズ、RX 9000シリーズなど最新GPU世代では、AIフレーム生成とパストレーシングを組み合わせた体験が主要な差別化要素となっており、これらを総合的に評価できるベンチマークは業界全体から求められていた背景がある。
日本市場での注目点
3DMarkはSteamおよびUL Benchmarks(旧Futuremark)公式サイトで提供されており、日本でも幅広く利用されている。Advanced版は現在Steam上で2,200円程度で購入可能だ。
Thermal GrizzlyはCPU・GPUのサーマルグリスで定評のあるメーカーで、日本のAmazon.co.jpでも「Kryonaut」などの製品が入手可能。ハイエンドGPUをオーバークロック運用するような層にとって馴染みのあるブランドだ。同社が第1スポンサーとなった背景には、高負荷ベンチマークと冷却性能の相関という観点からのマーケティング的な狙いが透けて見える。
日本での正式発表・提供時期については、UL Benchmarksからの続報を待つ状況だ。
筆者の見解
フルパストレーシングとAIフレーム生成を同一ベンチマーク内で評価できるツールの登場は、GPU選定の指標として非常に意義深い。これまでは各技術を個別のツールやゲームタイトルで評価するしかなく、横断的な比較が難しかった。
ただし、今回公開されたのはあくまでデモ映像であり、実際のスコア分布や各GPU間の差異については情報がゼロに等しい。「見た目のすごさ」と「測定ツールとしての妥当性」は別物であり、正式リリース後にレビューメディアがどう評価するかが本当の試金石になるだろう。
次世代GPU購入を検討しているユーザーにとって、標準ベンチマークに統一された指標が生まれることは選定の透明性向上につながる。続報に期待したい。
関連製品リンク
Thermal Grizzly Kryonaut Extreme - 2 Grams - Super High Performance Thermal Paste
上記はAmazon.co.jpへのリンクです。記事執筆時点の情報であり、価格・在庫は変動する場合があります。
出典: この記事は パストレ対応の3DMark新ベンチ、デモ映像公開。AIフレーム生成などもサポート の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。
