Engadgetが2026年6月4日に報じたところによると、Googleの「Ask Gemini in Drive」機能がGmailを検索ソースとして追加し、対象プランのユーザーに一般提供(GA)が開始された。

Ask Gemini in Drive がGmailに対応

2026年3月に発表された「Ask Gemini in Drive」は、Google DriveのファイルやフォルダをAIが横断検索できる機能だ。今回のアップデートで、Gmailのスレッドもその検索対象に加わった。

Googleは公式のWorkspace Updates Blogで「ユーザーはメール・ファイル・フォルダを横断したビジネスコンテキスト全体を基にした回答を得られる」と説明している。たとえば「Jenkinsプロジェクトの承認を受け取ったメールを探して」のような自然言語での質問に対して、関連するメールスレッドを特定できる。マルチターンの会話形式で質問を深掘りできるのも特徴で、単発の検索クエリではなく、文脈を保持しながら情報を絞り込んでいく使い方ができる。

利用条件と使い方

本機能を利用するには、以下のいずれかのプランへの加入が必要だ。

  • Google AI Pro / Ultra(個人向け有料プラン)
  • Google Workspace Business / Enterprise(法人向けプラン)

使い方はシンプルで、Drive上の左ペインからGmailをソースとして選択し、右上の「Ask Gemini」ボタンをクリックするだけ。現在はベータ版から一般提供に移行しており、対象プランのユーザーはすぐに利用できる。

日本市場での注目点

Google AI Proは日本でも提供されている月額制の個人向けプランで、条件を満たすユーザーはすぐに試せる環境にある。Google Workspace Business / EnterpriseプランについてもJapanを含むグローバルに展開されており、国内の法人ユーザーも対象だ。

日本の企業でGoogle Workspaceを業務利用しているケースは少なくない。メール・ドキュメント・スプレッドシートを横断して過去のやり取りを自然言語で検索できるのは、情報が分散しがちな実務環境において実用的な価値がある。競合となる機能としては、MicrosoftのCopilot for Microsoft 365が挙げられる。Outlookと連携してドキュメント・メールを横断するAI検索という方向性は共通しており、GoogleとMicrosoft、両エコシステムのユーザーそれぞれに選択肢が広がりつつある。

筆者の見解

「AIで情報を横断検索する」というコンセプト自体は、正しい方向性だと思う。メール、ファイル、チャットログが別々のUIに散在している状況で、「あのやり取りどこだっけ」を探すコストは地味に大きい。それをAIが自然言語で解決してくれるなら、実務上のメリットは小さくない。

ただ、こういった機能は「機能として存在する」ことと「実際に業務で使われる」ことの間に大きな溝がある。Ask Gemini in Driveがどの程度の精度で、どの程度のコンテキスト長を扱えるのかは、実際に使い込んでみないとわからない部分が大きい。Engadgetの記事でも「hopefully(うまくいけば)」という表現が使われており、現時点では期待の表明に近い印象だ。

メール検索という用途は、誤答が仕事上の判断ミスに直結するリスクがある。「承認メールを探す」といったケースで見当違いのメールを返したり、ハルシネーションが混入したりすれば、便利どころか危険になりかねない。GAになったとはいえ、重要な意思決定への適用には慎重な運用が求められる。

一方で、メール・ファイルを横断したビジネスコンテキストのグラウンディングは、AIアシスタントが「本当に役立つ副操縦士」になれるかどうかを左右する核心的な技術だ。この分野の精度競争は今後も続くだろう。自分たちが使っているプラットフォームで、こうした機能がどこまで実用に耐えるものになるかを見極めながら活用していくことが大切だ。


出典: この記事は You can now use Ask Gemini in Drive to rummage through your Gmail の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。