海外の大手テックメディア Tom’s Guide が、ゼンハイザーの新フラッグシップワイヤレスヘッドホン「Momentum 5 Wireless」の詳細レビューを公開した。前モデルMomentum 4(2022年発売)から4年ぶりとなるモデルチェンジで、2026年6月16日に$399/£329で発売される。

なぜMomentum 5は注目されているのか

プレミアムワイヤレスヘッドホン市場は今、AirPods Max第2世代($549)、Sony WH-1000XM6($459)、Bose QuietComfort Ultra 2($449)が激しく競い合う状況だ。そこに$399で殴り込んだMomentum 5の最大の差別化ポイントが「ユーザー自身がバッテリーを交換できる」という設計だ。

スマートフォンやワイヤレスヘッドホンは内蔵バッテリーの劣化とともに製品寿命が尽きる——これは多くのユーザーにとって「2〜3年で買い替え」という暗黙の前提になっている。ゼンハイザーはここに一石を投じた。ドライバーさえあれば自分でバッテリーを交換できる設計により、製品寿命を大幅に延ばせるという主張は、修理可能性(Right to Repair)の観点からも評価に値する。

Tom’s Guideのレビューが伝えるポイント

Tom’s Guideのレビュアーは冒頭から「交換可能なバッテリー、これだけでも買う理由になりうる」と述べており、全体的に高評価だ。

評価されている点

バッテリー性能:ANCオン状態で57時間という驚異的なスタミナを実現。AirPods Max 2の20時間、Sony XM6の30時間と比較すると、その差は圧倒的だ。さらに交換可能という設計により「電池が切れたら買い替え」というサイクルから解放される。

サウンドクオリティ:Tom’s Guideのレビューによると、特に電子音楽との相性が抜群で、クリーンな低音域とバランスの取れた中音域を実現しているとのこと。Dolby Atmos対応により映像コンテンツとの組み合わせでも高評価を得ている。

装着感と価格:長時間使用でも快適な装着感が確保されており、競合製品比で最大$400安いというコストパフォーマンスをレビュアーは強調している。

気になる点

ANCの性能:Tom’s Guideは「ノイズキャンセリングについては特筆すべき点がない」と率直に指摘している。騒がしい環境での使用を主目的とするならソニーやボーズのほうが優位だ。

高音域のクセ:特定のジャンル(ヘビーメタルやポップス等)で高音域に歪みが生じる場合があるとレビューは伝えている。

タッチコントロールの操作性:直感的でなく、慣れが必要という評価が出ている。

主なスペック

項目 仕様

価格 $399 / £329

発売日 2026年6月16日

周波数特性 20〜40,000Hz

Bluetooth 5.4(将来FWで6.0へ更新予定)

バッテリー 57時間(ANC ON)・交換可能

重量 約289g(10.2オンス)

カラー ブラック・ベージュ・ブルー

日本市場での注目点

執筆時点(2026年5月)では国内公式発売情報は未確認だが、前モデルMomentum 4は日本でも正規販売された実績がある。6月16日の海外発売後、国内正規品が登場する可能性は高い。

$399という価格は現在のレートで概ね60,000〜65,000円前後になる見込みで、Sony WH-1000XM6の国内想定価格とほぼ同等の価格帯に入ってくる。AirPods Max 2(国内99,800円前後)と比較すると大幅に安く、コスト面での選択肢は広がる。

バッテリー交換という観点では、日本の「長く使えるものを大切に」という消費文化とも相性がいい。国内正規品であればメーカーサポートも受けやすく、正規流通を待って入手するのが無難だ。

筆者の見解

Tom’s GuideのレビューがMomentum 5で最も評価しているのが「交換可能なバッテリー」というのは、実に示唆的だ。これは純粋なスペック競争ではなく、設計思想の問題だ。

AirPodsもソニーも、バッテリーを内蔵封止する設計を選んでいる。軽量化・防水性・製造コストの観点で合理的な判断ではあるが、結果として製品の寿命を人工的に短くしている側面も否定できない。ゼンハイザーが「ドライバー1本で交換できる」設計を貫いたのは、エンジニアリングとしての一つの誠実さだと思う。

ANCの性能が弱点であることは明確で、騒音環境での使用を最優先とするユーザーには正直ソニーやボーズのほうが適している。ただし「10年使えるヘッドホン」を求めるユーザーには、競合が提供しえない独自の訴求力がある。

$399でこれだけの機能セットを揃えてきたのは率直に言って好判断だ。「最強」ではないが、「自分に合ったものを長く使い続けたい」というユーザーにとっては、他の選択肢では得られない価値がある一台だ。

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出典: この記事は I tested the long-awaited Sennheiser Momentum 5 — and they do one thing Apple, Sony, and Bose headphones could never の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。