米テクノロジーメディア「The Information」が2026年2月に報じたところによると、Metaが同社初のスマートウォッチを2026年内に発売する計画を進めているという。Engadgetのマリエラ・ムーン記者がこの報道を紹介し、世界中のガジェットウォッチャーの関心を集めている。
一度は葬られた「Malibu 2」プロジェクト
Metaのスマートウォッチ構想は実は新しい話ではない。The Informationの過去の報道によると、Metaは2021年時点でオープンソース版Androidを搭載したスマートウォッチの開発に着手しており、着脱式カメラや最大3カメラ搭載モデルの構想まで報じられていた。
しかし2022年、現実はそう甘くはなかった。Reality Labs部門の大規模なコスト削減の一環としてプロジェクトは凍結。同部門では2026年1月にも1,000人超のリストラが実施されており、マーク・ザッカーバーグCEOは決算説明会で「Reality Labsはグラスとウェアラブルに集中投資する」と方針を明言していた。
その言葉通り、今回復活した「Malibu 2」はMeta AIと健康トラッキング機能を搭載する方向で開発が進んでいるとThe Informationは伝えている。詳細なスペックや価格帯、発売地域については現時点で非公開だ。
Ray-Banスマートグラスの成功が後押し
Metaがスマートウォッチ市場に再挑戦する背景には、Ray-Banスマートグラスの想定外の好調がある。Meta Ray-Bansは米国市場でヒット商品となっており、Metaはさらに4種類のAR・MRグラスを開発中とされている。ただし次世代の複合現実ヘッドセット「Phoenix」(コードネーム)の発表は2027年初頭に延期されており、ウェアラブル戦略の中でスマートウォッチが新たな橋頭堡として位置づけられた格好だ。
現在MetaのウェアラブルラインアップはVRヘッドセットとスマートグラスで構成されており、手首デバイスは空白地帯だった。Apple WatchやGalaxy Watchが確立した「健康管理×AI連携」という市場に、Meta AIを武器に切り込む狙いとみられる。
日本市場での注目点
- 発売時期・価格: 現時点では非公開。2026年内とされるが日本市場への展開タイミングは不明
- 競合環境: Apple Watch Series 10、Samsung Galaxy Watch 7、Google Pixel Watchと直接ぶつかる価格帯・機能帯と予想される
- AI連携の現実: Meta AIは日本語対応が限定的な段階。日本市場での実用性は国内展開の深度次第
- Ray-Banスマートグラスの日本未展開: MetaのウェアラブルはそもそもRay-Banスマートグラスすら日本では正式販売されていない。スマートウォッチの日本展開も後回しになる可能性がある
筆者の見解
Metaがスマートウォッチに再参入すること自体は、ハードウェアエコシステムの多様化という観点で興味深い動きだ。ただ、正直なところ楽観的にはなれない。
最大の懸念はMeta AIの実力だ。スマートウォッチの価値は「いつでも手首でAIに話しかけられる」体験の質に直結する。その核となるAIの完成度において、MetaはApple Intelligence(Siri)やGoogleアシスタントと比べて後発であるだけでなく、日本語対応の深さでも課題を抱えている。
ハードウェアとしてのウォッチを作ること自体は難しくない。問題はエコシステムだ。Apple WatchがiPhoneと有機的に連携し、WatchOSのアプリ資産を活かせるように、Metaも独自のエコシステムを構築できるかが問われる。Ray-Banスマートグラスは「カメラ付きサングラス」という明確なニッチで勝負できたが、スマートウォッチは全方位で戦わなければならない。
それでも「挑戦しない」よりは「挑戦する」方が市場にとっては健全だ。競争が激化すれば、Apple WatchもGalaxy Watchも磨かれる。Metaがどれだけ本気のAI統合を実現できるか、2026年内の正式発表を注目して待ちたい。
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出典: この記事は Meta Reportedly Plans to Release Its First Smartwatch in 2026 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。


