PC Watchの平澤 寿康氏が、Windows InsiderプログラムのExperimentalチャネル(Preview Build 26300.8493以降)で展開が始まったWindows 11のタスクバー位置変更機能を実機検証した記事を公開した。Windows 10以前では当然の機能として提供されていたタスクバーの上下左右への移動が、Windows 11でついに復活する。

なぜこの機能が注目されるのか

タスクバーの位置変更は、Windows 10まで長年ユーザーに提供されてきた基本的なカスタマイズ機能だった。それがWindows 11の初期リリースで突如削除され、「退行」として根強い批判を受け続けてきた経緯がある。

今回の実装は、Microsoftが2026年3月に発表した「Windows 11品質改善の取り組み」の一環として予告されたものだ。まず実験的機能の先行展開の場であるExperimentalチャネルに対して展開を開始した。

PC Watchのレビューで判明した実装の詳細

位置変更の方法はWindows 10と異なる

PC Watchの平澤氏の検証によると、位置変更は「タスクバーを右クリック → タスクバーの設定 → 個人用設定 → タスクバーの動作 → タスクバーの位置」と設定メニューを辿る方式に変わった。Windows 10のように「タスクバーを固定する」のチェックを外してドラッグ&ドロップで直接移動する操作感は廃止されている。

平澤氏はこの変更について「誤操作によるタスクバー移動の心配がなくなる利点はある」としつつも、「いちいち設定メニューを開かなければならない点はやや面倒という印象」と評価している。

タスクバー幅の自由変更は非対応

Windows 10ではタスクバーの幅をドラッグで自由に広げることができたが、現行の実装では幅の変更はできない。ただし左右配置時のみ、ボタンのラベル表示の有無に応じてタスクバー幅が自動的に切り替わる仕様となっている。

ラベル表示の挙動も一部変更あり

左右配置時のラベル表示もWindows 10とは異なる。PC Watchの検証によると、Windows 11では左右配置かつボタン非統合時に、起動していないピン留めアプリやスタートボタン・検索ボタンにもラベルが表示される。上下配置の場合は起動中のアプリのみラベルが表示されるWindows 10と同じ挙動だ。

タスクバー横置きが特に有効なシーン

PC Watchの記事では実用的なメリットも解説されている。

  • 縦長コンテンツを多用するユーザー: WebブラウザやOfficeアプリは縦長ウィンドウでの利用が多く、横置きタスクバーは縦方向の表示領域を圧迫する。タスクバーを左右に移動することで縦解像度をフル活用できる
  • ウルトラワイドディスプレイユーザー: 21:9・32:9といった横長環境では左右に空間が生まれやすく、タスクバーをサイドに置くと表示効率が向上する

日本市場での注目点

現時点でこの機能を試すにはWindows Insider ProgramのExperimentalチャネルへの参加が必要だ。参加自体は無料だが、実験段階の機能であるため動作の安定性には注意が必要。一般向けのWindows 11への正式展開のタイムラインはまだ明示されておらず、今後のInsiderフィードバックの蓄積によって変わる可能性がある。

日本市場でも近年ウルトラワイドモニターの採用は増えており、開発者やクリエイターを中心に縦方向の表示領域確保は切実な課題だ。この機能が正式リリースされれば、実用面での恩恵を受けるユーザーは相当数にのぼるはずだ。

筆者の見解

タスクバーの位置変更は、かつて誰も「新機能」とは呼ばなかった、ただ当然そこにあったものだ。それがWindows 11で突然消え、数年越しでようやく戻ってくる。この経緯そのものが、Windows 11設計初期の「ユーザーの選択肢を絞る」思想の象徴だったと振り返られるだろう。

実装面では、ドラッグ移動の廃止やタスクバー幅の固定など、Windows 10の自由度には届いていない部分が残る。Microsoftにはここでもう一踏ん張りしてほしい。こうした基礎的なカスタマイズ性はユーザーの日常的な生産性に直結するのだから、中途半端にする必要はないはずだ。

とはいえ、「品質改善の取り組み」として公言し、Insiderフィードバックを受けながら段階的に磨いていく進め方は正しい。Microsoftには、こうした地道な改善を一般版リリースまで丁寧に積み重ねていく力がある。残る制限の解消を期待したい。


出典: この記事は ついに不満解消?Windows 11プレビュー版でタスクバーの配置変更を徹底検証 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。