米テクノロジーメディア・Tom’s GuideのKate Kozuch記者が、ソニーの新フラッグシップTV「Bravia 9 II」の実機インプレッション記事を2026年5月27日に公開した。True RGB技術を採用したMini-LED TVとして、業界関係者のあいだでも注目を集めている製品だ。

なぜ今、「True RGB」なのか

テレビの映像技術は長年、青色LEDをベースにした白色バックライト+カラーフィルターという組み合わせが主流だった。近年のMini-LED化で輝度や局所制御の精度は上がったが、バックライトそのものの仕組みは変わっていなかった。

ここに切り込んだのがRGBバックライトという発想だ。青色LEDの代わりに赤・緑・青の個別RGBチップをバックライトとして使うことで、色を光源レベルから作り出せる。ソニーはこれを「RGB Backlight Master Drive Pro」と名付け、Bravia 9から搭載してきた22ビットMini-LEDドライバーと組み合わせた。Bravia 9 IIはその完成形として位置づけられている。

Tom’s Guideレビューのポイント

輝度とブルーミング:ほぼ解決済み

Kate Kozuch記者によると、実機を見て最も驚かされたのは約4000ニットという輝度に対してブルーミングがほぼ皆無だった点だという。明暗差の激しいシーンでも光の滲みが確認できなかったとしており、グラデーションの滑らかさも高く評価している。Mini-LEDの持病とも言えるブルーミング問題にひとつの答えを出した、というのがTom’s Guideの評価だ。

斜め視野角:OLEDに迫る

従来のMini-LEDが斜め方向で色飽和を失いやすいのに対し、Bravia 9 IIはTrue RGBバックライトとフィルターの両方から色情報が供給される構造上、視野角特性が大幅に改善されているとレビューは伝えている。「OLEDが圧倒的に有利だった斜め視野角の議論が変わるかもしれない」とKate Kozuch記者は述べている。

アンチグレア:特許申請中のナノ構造レイヤー

ソニーが「Immersive Black Screen Pro」と呼ぶ反射防止技術も実機で確認されている。特許申請中のナノ構造レイヤーを採用しており、Samsung S95シリーズが普及させた既存のアンチグレアソリューションを上回ると主張している。実際の効果については記事中でも言及されており、Tom’s Guideは肯定的に評価している。

価格帯

米国での価格は以下の通り(Sony Bravia 7 IIも比較として掲載)。

サイズ Bravia 9 II Bravia 7 II

50型 — $1,599.99

55型 — $2,099.99

65型 $3,599.99 $2,599.99

75型 $4,599.99 $3,099.99

85型 $6,499.99 $3,999.99

98型 — $8,999.99

115型 $30,999.99 —

Kate Kozuch記者は「Sonyのフラッグシップとしては予想より抑えられた価格設定」とコメントしており、アーリーアダプター以外にも届く可能性があると評価している。

日本市場での注目点

米国では2026年6月の発売が予定されている。日本市場での正式アナウンスはまだないが、ソニーのハイエンドラインは通常、北米と近い時期に国内展開されることが多い。

円換算では、65型が約56万円前後(1ドル=156円換算)になる。国内ではBravia 9 IIと競合するRGB対応Mini-LED製品として、Samsung QLED/Mini-LED上位機やLG QLEDシリーズが挙げられる。OLEDとの比較では、有機ELが苦手とする屋外照明下での視認性や長時間表示での残像リスクを避けたいユーザーにとっては有力な選択肢となる。

また、Bravia 7 IIはLuminous Booster ProとBlack Screen Proを省いた普及版として位置づけられており、55型が$2,099.99と比較的手が届きやすい価格帯にある。映像品質への要求が高いがBravia 9 IIまでは不要、という層を狙った明確なラインナップ構成だ。

筆者の見解

True RGB Mini-LEDは「バックライトの色を根本から変える」という、映像技術としては久々の本質的な進化だと感じる。OLEDとMini-LEDが互いの弱点を補い合いながら市場を分かち合ってきた構図に、新たな変数が加わったことは間違いない。

Tom’s Guideのレビューが指摘するブルーミングの解消と視野角改善は、MIni-LEDの「弱点リスト」を一気に縮小させる可能性がある。ソニーがBravia 9の22ビットドライバー資産をそのまま流用しつつRGB化を果たした設計判断は手堅く、「新技術を出してみたが実力不足」という典型的な初期製品の落とし穴を避けているように見える。

一方で、実際の映像体験はリビングの照明環境やコンテンツソースによって大きく左右される。4000ニットの輝度を活かすにはHDR対応の高品質コンテンツが前提であり、通常のSDR放送環境では過剰スペックになり得る点も念頭に置いておきたい。

国内発売と正式価格の発表を待ちながら、国内展示機の登場に注目したい製品だ。

関連製品リンク

Amazon.co.jp: Sony BRAVIA 9

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出典: この記事は I saw Sony’s Bravia 9 II up close and it completely shattered my expectations — here’s why it’s the king of RGB TVs の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。