PC Watchが2026年5月28日に報じたところによると、中国ミニPCメーカーのBeelinkが、Intelの最新プロセッサ「Core 3 304」(開発コード名:Wildcat Lake)を搭載したミニPC 3機種「EQ mini」「EQi」「ME Pro-2」を5月27日に発表した。
Core 3 304(Wildcat Lake)とは何者か
Core 3 304は、Intelの最新製造プロセス「Intel 18A」で製造されたエントリー〜ミドルクラス向けプロセッサだ。CougarCoveアーキテクチャのPコアとDarkmontアーキテクチャのEコアを組み合わせた5コア/5スレッド構成で、最大4.3GHzで動作する。
PC Watchが掲載した性能比較データによれば、前世代の「Core i3-N305」との比較でシングルコア性能が約120%、マルチコア性能が約60%向上している。特にシングルコア性能の伸びは目覚ましく、日常的な作業の体感速度に直結する部分での進化と言える。
グラフィックス面ではXe3-LPGのGPUコアを内蔵し、新たにNPUも搭載。GPUと合算で24TOPSのAI処理性能を実現している。
3機種の位置付けと特徴
EQ mini:コンパクトさを優先したミニマリスト向けモデル。45Wの電源内蔵で消費電力を抑えた設計。軽い生産性アプリケーションの実行を主用途としている。
EQi:2.5GbEと10GbEのデュアルネットワーク対応に加え、85Wの電源を内蔵。ソフトルーターやエッジネットワーキング用途を明示しており、ホームラボや小規模ネットワーク環境での活用を想定したモデルだ。
ME Pro-2:PCとNASの機能を1台に統合した意欲的なモデル。デュアルネットワーク(2.5GbE+10GbE)に加え、3.5インチベイを2基装備する。ストレージ・生産性・AIコンピューティングを「オールインワンデスクトップハブ」として一台でまかなうコンセプトだ。
全機種共通:インターフェースが大幅強化
3機種すべてでUSB4ポートを2基搭載し、10Gigabit Ethernet(10GbE)有線LANを標準装備している点が特筆に値する。ミニPCカテゴリで10GbEを標準搭載してくる例は珍しく、NASや高速ストレージサーバーとの連携、ネットワークのボトルネックを意識した設計姿勢が見て取れる。
日本市場での注目点
本記事執筆時点では、国内での正式発売日および価格は発表されていない。Beelinkの既存製品はAmazon.co.jpや楽天市場を通じて購入できることが多く、今回の3機種も同様のルートで入手できる可能性が高い。
競合としては、IntelのN100/N305系を搭載した既存ミニPCのほか、AMDのRyzen 7000シリーズ搭載機が挙げられる。Core 3 304のシングルコア120%向上という数字は、同価格帯での競争力を大きく引き上げると予想される。
筆者の見解
今回最も注目すべきは、ME Pro-2の「PC+NAS統合」というコンセプトだろう。自宅サーバーやホームラボを構築したいエンジニアにとって、10GbEを標準搭載した上でストレージベイまで内蔵した構成は、複数台のデバイスを一台に集約できる実用性を持つ。複数機器が乱立するより一台で全体最適を図るという発想と合致しており、理にかなった製品設計だ。
一方で、AI性能の「24 TOPS」という数字は慎重に見る必要がある。GPU+NPUの合算値であり、Microsoft Copilot+PCの要件(40 TOPS)には届かない。Windows上でのローカルAI推論を本格的に試したい場合は、より上位のプロセッサを搭載した製品を選ぶべきだろう。日常用途のAIアシスト機能程度であれば十分だが、過度な期待は禁物だ。
Intel 18Aプロセスでの製造と旧世代からの性能向上幅は、エントリーミニPCが一段階進化したことを示している。特にEQiのエッジネットワーキング用途は、自宅インフラを真剣に考えるユーザーにとって有力な選択肢となりそうだ。
関連製品リンク
上記はAmazon.co.jpへのリンクです。記事執筆時点の情報であり、価格・在庫は変動する場合があります。
出典: この記事は 「Wildcat Lake」搭載ミニPC、Beelinkが発表。旧世代を圧倒する性能 の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。
