ゼンハイザーは2026年5月25日、ワイヤレスヘッドホン「Momentum 5 Wireless」を発表した。米テクノロジーメディアThe Vergeのシニアレポーター、Andrew Liszewski氏が詳細を伝えている。Momentum 4から約4年ぶりのモデルチェンジとなり、6月30日に399.99ドルで発売予定だ。
Momentum 4からの主な進化点
外観はMomentum 4をほぼ踏襲しつつ、内部に複数の重要なアップグレードが施されている。
マイク数を倍増させた強化ANC
最大の変化がアクティブノイズキャンセリング(ANC)の強化だ。従来モデルから1つの耳あたりのマイク数を2倍にし、左右各4基、計8基のマイクを搭載。ゼンハイザーは「声のざわめきや飛行機内のエンジン音の低減性能が最大3倍に向上した」と主張している。マイク増強は通話品質の改善にも寄与し、自分の声の収音精度と相手の声の聴き取りやすさの両方が向上したとのことだ。
シリーズ初のユーザー交換可能バッテリー
Momentumシリーズ初の試みとして、ユーザー自身が交換できる着脱式バッテリーを採用した。本体のロングライフ化を意識した設計変更で、サステナビリティを重視するユーザーへの訴求点となっている。連続再生時間は最大57時間。Momentum 4の60時間からわずかに後退しているが、それでもSony WH-1000XM6(ANCオン時最大30時間)の約2倍に相当する水準だ。
AptX Losslessと空間オーディオ対応
Bluetoothコーデックの対応範囲が拡大し、新たにAptX Lossless(16bit/44.1kHz・CD品質)に対応。Hi-Resオーディオ認証も取得している。また、Dolby Atmosと頭部追跡対応の空間オーディオもサポートする。Bluetoothはバージョン5.4を搭載し、将来のファームウェアアップデートで6.0へのアップグレードが予定されているが、具体的なスケジュールはまだ公開されていない。カラーバリエーションはブラック・ホワイト・デニム(ブルー)の3色。
海外レビューのポイント
The VergeのAndrew Liszewski氏は、デザインについて「Momentum 4と非常に似た外観で、競合との差別化という点では目立たない」と指摘している。一方で、ユーザー交換可能バッテリーは「歓迎すべきアップグレード」と評価。ANC性能の向上についても、マイク数倍増による実質的な改善として肯定的に捉えている。新しいキャリングケースが従来比20%小型化された点も便利なアップデートとして挙げられている。
ただし、AptX Losslessについては重要な注記がある。この機能を活用するにはQualcomm Snapdragon Soundプラットフォーム対応のデバイスが必要で、SonyやMotorolaのスマートフォンは対応するが、Samsung・Google・Appleのデバイスは非対応だ。これは多くのユーザーにとって影響が大きいポイントとなる。
日本市場での注目点
日本での発売は現時点で未発表だが、参考価格は399.99ドル(約6.2万円)。Momentum 4が日本では7万円台で展開されていたことを考えると、同等か若干上の価格帯が予想される。
日本市場で特に気になるのはAptX Losslessの互換性問題だ。国内スマートフォン市場ではiPhoneとSamsungが大きなシェアを持っており、これらのデバイスではAptX Losslessの恩恵を受けられない。ロスレス音質を期待して購入する場合は事前確認が必要だ。
競合製品としては、同価格帯でSony WH-1000XM6が強力なライバルとなる。バッテリー持続時間ではMomentum 5が圧倒的な優位を持つが、実際のANC性能差や音質については日本での詳細レビューを待ちたいところだ。
筆者の見解
ゼンハイザーがユーザー交換可能バッテリーを採用したことは、素直に評価したい判断だ。プレミアムヘッドホンは決して安い買い物ではなく、バッテリー劣化による「事実上の使い捨て」は長年の不満点だった。修理・交換できる設計を選んだメーカーの姿勢は、サステナビリティの観点でも歓迎できる。
一方、AptX Losslessの対応状況については日本ユーザーがとくに注意すべきだ。「ハイレゾ対応」を前面に押し出しながら、iPhoneやGalaxyで恩恵を受けられないとなると、その訴求は限られた層にしか届かない。この点は購入前に自分のデバイス環境と照らし合わせておくことを強く勧めたい。
バッテリー57時間という数値は依然として業界トップクラスであり、長時間使用を重視するユーザーには引き続き有力な選択肢だ。ただ、399.99ドルという価格帯での購入判断は、6月30日の発売後に出そろうであろう詳細な比較レビューを確認してからでも遅くない。
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Sennheiser MOMENTUM 4 Wireless Bluetooth Headphones
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出典: この記事は Sennheiser’s new Momentum 5 headphones have upgraded ANC and a replaceable battery の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。

