PC Watchが2026年5月26日に発表したアンケート結果によると、日本ユーザーが最もよく使うオンラインLLMはGoogleの「Gemini」であることが明らかになった。2026年4月10日〜17日に実施された同調査には834人が回答している。

Geminiが首位、票数でChatGPTの倍近くを獲得

PC Watchのアンケート結果によれば、利用LLMの内訳は以下の通りだった。

サービス 票数 割合

Gemini(Google) 364 43.6%

ChatGPT(OpenAI) 199 23.9%

Copilot(Microsoft) 103 12.3%

Claude(Anthropic) 92 11.0%

Grok(xAI) 20 2.4%

その他・未使用 56 6.7%

Geminiが断トツの首位となった背景には、AndroidスマートフォンやGoogle Workspaceとの統合、教育機関向けの優待プログラムが大きく寄与していると見られる。コメント欄には「大学生15か月無料でGeminiを使用し、NotebookLMで資料解説やCanvas上でのプログラミングに活用している」という声も届いており、学生層への浸透が際立つ。

利用目的は「情報収集」が首位、コーディング用途も4位に

複数回答形式で調べたLLMの使用目的では、「情報収集・調査」が588票で最多となり、LLMが検索エンジンの代替・補完として定着しつつあることを示した。

用途 票数

情報収集・調査 588

テキスト処理全般(作成・編集・翻訳・要約) 421

アイデア出し・ブレインストーミング 394

プログラミング・コーディング 378

データ整理・加工 240

悩み相談・雑談 256

「プログラミング・コーディング」が4位(378票)に入ったことは注目に値する。エンジニア層がLLMを実務ツールとして組み込んでいる実態が数字に現れた形だ。

有料課金率44%、コメントに垣間見える多様な使い方

有料プランの契約状況は「契約している」44.0%(367人)、「契約していない」52.5%(438人)、「以前は契約していたが現在はしていない」3.5%(29人)という内訳だった。

コメント欄には幅広い声が寄せられた。「Claude Maxプラン(月額$100)を仕事用に、Kiro(Amazon Q Developer Pro)を個人用に」という重課金ユーザーがいる一方、「業務での活用をデータ契約上の制限で阻まれているため無料で十分」という声や、「よくAIと喧嘩するので頭にきて有料プラン解約した」という率直なコメントも。Perplexity Proをキャリア特典で実質無料利用するケースなど、エコシステムをまたいだコスト最適化も進んでいる。

日本市場での注目点

今回の結果が示す日本市場の特徴をいくつか整理しておきたい。

  • Geminiの一般ユーザー優位: Google検索・Androidとの親和性、教育向け無料プランが一般層へのリーチを広げている。NotebookLMのようなGeminiエコシステムの周辺ツールが使われ始めている点も見逃せない
  • コーディング需要の台頭: 4位に「プログラミング・コーディング」が入ったことで、エンジニア以外の職種でもコード生成需要が広がっている実態が見えてくる
  • 課金格差の拡大: 月数千円から月額$100超まで、ユーザーのコミットメント差が開いている。今後は「何を使うか」よりも「どこまで深く使いこなすか」が成果の差になってくるだろう

筆者の見解

PC Watchのアンケートで最も気になったのは、Copilotが3位(12.3%)にとどまった点だ。MicrosoftはM365という圧倒的な法人向け統合基盤を持ち、Teams・Word・Excelの上でCopilotを展開できるアドバンテージがある。エンタープライズのセキュリティ要件を満たしながらAIを使える環境として、本来これほど強い土台はない。

その「場」が整っているにもかかわらず、一般ユーザーの選択においてGeminiに大差をつけられているのは率直にもったいない。Copilotには正面から勝負できる実力と資産があるはずで、体験の質と信頼感をどこまで引き上げられるかが問われている局面だと感じる。Copilotがいつか最前線に並ぶ日を、Microsoft支持者として期待している。

もう一つ注目したいのが、コーディング目的の利用が4位に入ったという事実だ。「AIを使う・使わない」の議論はほぼ終わった。今は「どう実務に組み込むか」「どれだけ深く使いこなすか」に焦点が移っている。有料課金率44%は日本ユーザーの本気度を示す数字だが、大事なのは課金額に見合う実業務の成果を出せているかどうかだ。そのためには、ツールを「触る」段階から、自分のワークフローに組み込む設計へと発想を転換することが不可欠になってくる。


出典: この記事は 【トピック】【結果発表】どのオンラインLLMを使ってますか? の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。