Microsoftは2026年5月、Windows 11のCopilotアプリに新たなサイドバー型ドッキング機能を追加するテストを開始した。画面の左右どちらにも固定でき、デスクトップ全体が自動的にリサイズされてほかのアプリと並列表示できる新UIで、Windows Latestが最初に発見し、現在段階的にロールアウト中だ。
何が変わったのか
これまでWindows 11上のCopilotは「独立したアプリウィンドウ」として動作していた。新しいUIでは、タイトルバーに追加されたドロップダウンメニューから表示形態を選択できる。
選択肢は4種類:
- 現行のアプリウィンドウモード(デフォルト)
- ピクチャーインピクチャーモード(小さいウィンドウが常時前面に表示)
- 左サイドバーへのドッキング(新機能)
- 右サイドバーへのドッキング(新機能)
サイドバーにドッキングすると、Windows 11のデスクトップが自動的にリサイズされ、Copilotが占有した分だけほかのアプリが縮む。File ExplorerをフルスクリーンまたはSnap Layouts等で展開していても、Copilotが右端を確保したうえで残りの空間にアプリが再配置される。
デジャヴ感のある「原点回帰」
実はこの設計、Windows 11にCopilotが初めて搭載された2024年当初の仕様に近い。当時もサイドバー型でアプリと並列表示されていたが、のちにMicrosoftは独立アプリへ変更し、さらにWebアプリ化するなど、約6回ものUI刷新を重ねてきた。
現在のCopilotはEdgeベースのラッパーとして実装されており、プライベートなEdgeインスタンスを同梱していることも最近確認されている。今回の新しいサイドバードッキング機能は、このEdgeベースの実装と組み合わせることで実現されている可能性が高い。
実務への影響
マルチタスク効率の変化
サイドバー型CopilotはWebブラウザの「サイドパネル」機能に近い使い勝手で、コーディング中やドキュメント作成中にAIへ質問する際の「ウィンドウ切り替えコスト」を削減できる可能性がある。特に開発者が複数ファイルを開きながらAIに相談するシーンでは、フォーカスを失わずに作業を続けられる利点がある。
ただし、現実的な注意点もある:
- 狭い画面での圧迫感:13〜14インチクラスのノートPCでは、作業スペースが大幅に削られることになる
- ロールアウト段階:現時点では全ユーザーに展開されているわけではなく、Windows Insider Programなどを通じた段階的配信だ
- 統合の深さ:EdgeベースのラッパーであるCopilotがOSの深部とどこまで連携できるかは、今後の実装次第
IT管理者向けの注意点
Copilotの表示形態が変わっても、グループポリシーやIntune経由での制御範囲に大きな変化はないと見られる。ただし、新しいスナップレイアウトオプションがエンドユーザーの操作性に影響するため、更新後の動作確認は実施しておきたい。特にVDI環境やセッションベースのデスクトップでは、ウィンドウリサイズの挙動が想定外になるケースがないか検証することを推奨する。
筆者の見解
CopilotのUI刷新は今回で約6回目。「また変わったのか」というのが率直な第一印象だ。
ただし、今回の方向性そのものは悪くない。「AIがOSの一部として常時存在する」というビジョンは理にかなっており、サイドバー型はその表現として素直な形だ。初期設計が不評だったのはAIの中身の問題であり、UIコンセプトの問題ではなかった。その意味では、原点回帰は正しい判断だと思う。
もっとも、UIをどれだけ洗練させても、Copilot自体の応答品質や他アプリとの連携の深さが伴わなければ定着しない。Microsoftにはハードウェアからクラウドまでのエコシステムという強みがある。その基盤を活かして、Copilotが「常に開いておきたいツール」になるところまで持っていけるか——UIの試行錯誤はそろそろ一区切りつけて、AIの実力を磨くことに集中してほしいと思う。応援しているからこそ、そう感じる。
出典: この記事は Microsoft’s new Copilot turns into a Windows 11 sidebar that pushes your apps aside to make room の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。