Valveが約10年ぶりに「Steam Controller」第2世代を2026年5月4日に$99(日本円換算で約1万4,000〜1万5,000円)で発売した。初回在庫は発売から30分で完売という熱狂的な滑り出しを見せており、Windows CentralのBen Wilson氏が約1週間の実使用を経た詳細レビューを公開している。

なぜ今回の「Steam Controller」が注目されるのか

初代Steam Controller(2015年)は革新的なアイデアを掲げながら市場に受け入れられず製造終了に追い込まれた、Valveにとっての苦い記憶だ。今回のリニューアルはその反省を踏まえた本命の一手として業界の注目を集めている。

技術的な見どころは主に2点だ。まずTMR(Tunneling Magnetoresistance)技術を採用したアナログスティック。従来のホールセンサー方式よりも高精度で、ゲーマー共通の悩みである「ジョイスティックドリフト」(経年劣化によるスティックの誤検知)が構造的に発生しない設計になっている。次にデュアルハプティックパッド。単なるタッチパッドではなく触覚フィードバックを備えており、ジャイロと組み合わせることでマウスライクな精密操作をコントローラーで実現するのが最大の特徴だ。

Windows Centralレビューのポイント

Windows CentralのBen Wilson氏は約1週間の使用を経て総合評価**およそ83%**のレビューを公開した。

評価されたポイント:

  • 重量292g(0.64ポンド)と手になじむ人間工学設計。スティック配置に慣れが必要なものの、慣れると快適
  • Steam Inputとコミュニティレイアウトにより、実質的にあらゆるPCゲームに対応
  • 磁気充電パックが使いやすく、デザインにも馴染む

気になるポイント:

  • Wilson氏の指摘で特に重みがあるのが、MicrosoftのXbox PCアプリ(Xbox Game Pass)でのゲームが正常動作しないケースがあるという点。Steamゲームとしてライブラリに追加しても解決しないことがあり、Xbox Game Passを併用するユーザーには実害がある
  • ボディ外面にネジ穴が露出しており、長時間プレイで手に感じることがある
  • 初回在庫完売後、現在はSteamアカウントによる予約制に移行しており、入手難易度が高い

Wilson氏は「Steamゲームに絞れば体験はほぼ完璧だが、それ以外のタイトルには課題が残る」というスタンスで評価をまとめている。

日本市場での注目点

現時点でSteam ControllerはSteamストア経由のみでの販売で、日本からの購入・発送は可能だが在庫確保のためにはSteamアカウントによる事前予約が必要な状態が続いている(2026年5月現在)。Amazon.co.jpや国内正規流通での取り扱いは未定だ。

価格面では、Xbox Wireless Controller(6,000〜7,000円前後)やSony DualSense(9,000円前後)と比較して倍近い差がある。TMRスティックによるドリフトレス設計やハプティックパッドという独自機能をどう評価するか、またSteamライブラリが主戦場かどうかが判断の分かれ目になる。

筆者の見解

Windows CentralレビューでのXbox PCアプリとの互換性問題は、見過ごせない指摘だ。Steamというエコシステムへの最適化を優先した設計思想は理解できるが、WindowsのゲーミングエコシステムにはSteam以外も存在する。「Steamだけ使えばいい」というスタンスはユーザーの選択肢を意図せず狭めている。ここはValveに改善を期待したいところだ。

一方で、TMRスティックによるジョイスティックドリフトの構造的な解消という技術的アプローチは本物だ。コントローラーの経年劣化問題はゲーマー共通の悩みであり、この方向性が業界標準になれば恩恵は大きい。発売30分完売という市場の反応は、そのポテンシャルへの期待の表れとも読める。

Steamを主戦場とするPCゲーマーにとっては、83%という評価は「十分に戦えるコントローラー」としての合格点だろう。ただし、複数プラットフォームをまたぐゲーマーは互換性リスクを踏まえた上で判断してほしい。

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上記はAmazon.co.jpへのリンクです。記事執筆時点の情報であり、価格・在庫は変動する場合があります。


出典: この記事は Steam Controller review: Testing Valve’s new PC gaming joypad の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。