The Vergeのシニアレビュアー、ジョン・ヒギンズ氏が「これまで聴いたあらゆるイヤホンのなかで最高の通話中ノイズキャンセリング」と評価したAnkerのオーディオブランドSoundcoreの新フラッグシップ「Liberty 5 Pro」シリーズが登場した。The Vergeは2026年5月21日付でレビューを公開し、10点中8点のスコアを付けている。

なぜこの製品が注目か

Soundcoreはこれまで予算〜ミドルレンジ帯での存在感で知られてきた。しかし今回の Liberty 5 Pro シリーズは、Apple・Sony・Boseといったプレミアムブランドに真正面から対抗することを明確に意識した設計だ。

その核心にあるのが、Anker独自開発の新プロセッサ「Thuschip」だ。従来のSoundcore製品より処理能力が大幅に向上し、より高度なノイズキャンセリング処理と通話品質の改善を実現している。前モデルの最上位だったLiberty 4 Proが$150だったのに対し、Liberty 5 Proは$170、Liberty 5 Pro Maxは$230へと価格帯を引き上げ、AirPods Pro 3と同じ土俵に立った形だ。

スペックと主な特徴

Liberty 5 ProシリーズにはStandardとMaxの2モデルが存在するが、イヤホン本体はまったく同一というユニークな製品構成を採っている。

仕様 Liberty 5 Pro Liberty 5 Pro Max

価格 $170 $230

ドライバー 9.2mm 9.2mm

チップ Thuschip Thuschip

防水 IP55 IP55

バッテリー 同等 同等

ケース画面 0.96インチ TFT 1.78インチ AMOLED

AIノートテイカー なし あり(357MB内蔵)

両モデルの差はケースのみ。Liberty 5 Proのケースには0.96インチTFTスクリーンが搭載され、ANCモードや音声プロファイルの切り替えなどがスマートフォンなしで操作できる。Liberty 5 Pro Maxのケースはより大きな1.78インチAMOLEDスクリーンを採用し、さらにマイクとAIノートテイク機能を備える。ケース本体に音声を録音(最大357MB)し、スマートフォンに転送して文字起こし・要約を生成できる仕組みだ。

The Verge レビューのポイント

ヒギンズ氏はVergeスコア8点を付け、以下のような評価を公開している。

特筆すべき強み

通話品質が圧巻:The Vergeのレビューによると、「あらゆるイヤホンのなかで最高の通話中ノイズキャンセリング」とのことで、これはAirPodsやSony、Boseといったプレミアム製品を含む全製品との比較における評価だ。

ANCの性能:音楽リスニング時の外部ノイズキャンセリングも優秀と評価されている。

ケースのスクリーン:「使いやすく実用的」と高評価。アプリを開かずに主要設定を変更できる点が便利とのことだ。

装着感と安定性:レビュアーによると、外観はBose Ultra Earbudsに似ているが、実際の装着感はより軽快で、ジャンプしても外れる心配がなかったという。

AIノートテイク機能(5 Pro Maxのみ):文字起こし精度が高く、話者の識別も正確だったとヒギンズ氏はレポートしている。「授業や会議を定期的に録音する必要がある人には有用な機能」との評価だ。イヤホンを装着していない状態でも使えるのが実用的な特徴。

気になる点

デフォルトの音質プロファイル:出荷時の設定は調整が必要で、Soundcoreアプリでのカスタマイズを前提とした設計となっている。

日本市場での注目点

Liberty 5 Pro($170)は国内換算で約2万6,000〜2万8,000円前後の価格帯に位置し、AirPods Pro 3(国内28,800円)や、ソニーWF-1000XM5の実売価格帯と真っ向から競合する。Liberty 5 Pro Max($230)は約3万5,000円前後で、AIノートテイク機能込みのパッケージとして独自のポジションを持つ。

Anker製品は国内流通網が整っており、Amazon.co.jpや家電量販店でも取り扱いがある。国内正式発売のタイミングや価格は現時点では未確認だが、Ankerの過去の展開ペースを見ると比較的早期に投入される可能性が高い。

テレワーク・ハイブリッドワーク環境が定着した日本のビジネスシーンにおいて、「通話品質最強」という訴求は刺さりやすいはずだ。会議や商談の多いビジネスパーソンには特に検討価値がある選択肢になり得る。

筆者の見解

The Vergeのレビューで最も注目すべきは、「Ankerがカスタムチップ開発に本腰を入れている」という事実だ。ThuschipというAnker独自プロセッサを投入し、AppleのH2チップやSonyの統合プロセッサと同じ土俵で勝負しようとしている姿勢は、単なる価格競争とは一線を画する。

通話品質という切り口の選択も巧みだ。音楽再生の音質ではプレミアムブランドとの知覚差が大きく逆転が難しいが、通話品質は「聞こえるか聞こえないか」という実用的な評価軸で比較されやすく、技術的な優位性が消費者に伝わりやすい。$170で通話品質トップを取れるなら、コストパフォーマンスの訴求力は相当なものだ。

Liberty 5 Pro Maxに搭載されたAIノートテイク機能については、Teams・ZoomなどのクラウドサービスやスマートフォンアプリでもAI文字起こしは対応可能な時代であり、ケースへの統合がどこまでの付加価値になるかは使い方次第だろう。ただ、AIとの連携機能をハードウェアに統合していくトレンドは今後加速する方向にあり、その先駆けとして評価できるアプローチではある。

日本市場への正式投入が確認できた際には改めて詳細をお届けしたい。

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出典: この記事は Anker’s new earbuds have the best call quality I’ve ever heard の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。