Metaが告知なしにApp Storeへひっそり公開した新SNSアプリ「Forum」が注目を集めている。テックニュースレター「Geekout Newsletter」のMatt Navarra氏がApp Storeで発見・報告したことで発覚し、Engadgetが2026年5月22日に詳細を伝えた。公式な発表がないままの公開という異例のリリーススタイルも話題となっている。

ForumはFacebookグループ専用の情報共有アプリ

ForumはFacebookのグループ機能に特化したスタンドアロンアプリだ。App Storeの説明文には「あなたにとって最も重要な会話のための専用スペース」と記されており、Metaは「実際の人々から本物の答えが得られる」場所として位置付けている。この訴求スタイルはRedditのそれと酷似しており、Engadgetは「Redditに似た用途を担う可能性がある」と指摘している。

利用にはFacebookアカウントが必要で、ログイン後はプロフィールと活動履歴がそのまま引き継がれる。完全な匿名性は持たないものの、メインのFacebookアプリと同様に匿名ユーザー名を使用可能。ただしグループの管理者には実際のIDが表示される仕様であり、Reddit的な完全匿名とは一線を画す。

メインのFacebookフィードとの違い

メインのFacebookフィードが友人の投稿・フォロー中のPage・アルゴリズム推薦を混在表示するのに対し、ForumのフィードはユーザーがメンバーになっているGroupsの会話に絞られる。初回ログイン時に興味関心を設定する仕組みもあり、関連する別グループの投稿も表示される可能性がある。Forum上での投稿はメインのFacebookアプリにも反映され、双方向でシームレスに連携する。

AI機能も搭載

Engadgetの報道によると、ForumにはMetaが独自に開発した2つのAI機能が組み込まれている。

Ask機能: 複数のGroupsをまたいで関連する回答を自動収集し、ユーザーの質問に応える機能。グループごとに個別検索する手間を省く狙いがある。

管理者アシスタント: グループ運営を担うモデレーターを支援するAI機能。大規模コミュニティの運営効率化に貢献することが期待されている。

Metaのグループ専用アプリは「2度目の挑戦」

Metaがグループ機能に特化したスタンドアロンアプリを出すのはこれが初めてではない。2017年に廃止された「Facebook Groups」アプリが前身として存在しており、今回のForumは事実上の再挑戦にあたる。同社広報担当者はEngadgetの取材に対し「私たちはアプリ全体でユーザーが何に興味を持ち、役立てているかを確認するため、多くの新製品を公開テストしている」とコメント。現時点では正式ローンチではなくテスト段階という位置付けだ。

日本市場での注目点

現時点でForumはApp Storeに登場しているが、日本を含む全地域で正式リリースされているかどうかは不明だ。公式発表がないため、価格・提供時期・対応言語なども未確定。ただしFacebookアカウントがあれば利用できる仕組みのため、日本のFacebookグループを活用しているユーザーには試す価値があるかもしれない。

国内では、Yahoo!知恵袋・Discordサーバー・各種専門コミュニティが類似の役割を担っている。FacebookグループはビジネスコミュニティやBtoB領域でいまだ根強く使われており、そこにForumが割って入れるかが鍵となるだろう。

筆者の見解

2017年に一度断念したグループ専用アプリを、AI機能を携えて再挑戦してきた点は面白い動きだ。Ask機能によるグループ横断検索は、情報が分散しがちなFacebookグループの弱点を補う方向として理にかなっている。

ただし気になる点もある。管理者には匿名ユーザー名の背後の実IDが見える仕様は、プライバシーを重視するユーザーにとってハードルになりうる。Redditの強みのひとつは「管理者も含めたコミュニティ設計の透明性」にあるが、Facebookの既存アカウントと紐付く構造上、この点でForumはどうしても見劣りする。

前身の「Facebook Groups」アプリが9年前に廃止されたことを考えると、今回のテストが本格ローンチに繋がるかは慎重に見守るべきだろう。Metaがこのアプリに本気で投資し続ける意志があるかどうか——まずは正式発表の内容と、継続的なアップデートの有無が判断材料になる。


出典: この記事は Meta quietly released a new Reddit-like app called Forum の内容をもとに、筆者の見解を加えて独自に執筆したものです。